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第10課 「信じえないこと」を行う 武田将弥
1.安息日午後
中国人のクリスチャンであるラフ・フックさんは、アフリカで奴隷として働いている人たちに、神様の言葉を伝えたいと考えました。そこでフックさんはアフリカへ行って自分も奴隷になりました。そこで奴隷として苦しんでいる人たちと一緒に過ごしながら、神様のことを伝えてみんなを励まし続けたのです。残念ながらフックさんは死んでしまいましたが、そのおかげで奴隷だった仲間たちから200人くらいの人たちが、イエス様のことを知ってクリスチャンになったのです。何ということでしょうか! フックさんは他人の幸せのために、自分の人生や命を犠牲にささげました。普通では考えられないとても深い愛を、どうしてフックさんは持つことが出来たのでしょうか? その理由は、フックさんが自分よりも、もっと深い愛をもった方と出会うことが出来たからなのです。それは一体誰でしょうか? もう皆さんはお分かりだと思いますが、それはイエス様です。
イエス様はもともと人間ではありません。天使をも超える存在の、神様の一人息子なのです! しかし神様の姿のままでは、罪を持った私たち人間とは直接、お話をしたり一緒に過ごしたりは満足に出来ません。ですから人を救うために、イエス様は自分から人間になることを選んで、この地上に生まれて来てくださったのです。そしてイエス様は私たちに神様のことや天国のことなどを教えてくださいました。フックさんはイエス様のおかげで希望を持てたので、自分も受けたその喜びを、他の人たちにも感じて欲しいと願ったから出来たのです。
2.日曜日:試験真理
現代社会で生活している私たちの文化では、人に暴力を振るうことはいけないことだと思っていますし、やられたらやり返すという復讐もしてはいけないと考えています。しかし時代や地域によって、文化の考え方は色々と変わってきます。昔の近東文化では名誉を守ることはとても大事なことでした。もし誰かを侮辱する場合、自分もやり返されたり、命を奪われたりするかもしれないという覚悟が必要でした。しかし聖書には、どんなひどい仕打ちを受けても、絶対にやり返したりはしないで、ひたすら耐え続けるイエス様の姿が描かれています。
3.月曜日:苦難の僕の詩
預言者のイザヤは、メシア(救世主)のことを教えていますが、説明によるとメシアはダビデの家系から生まれて、多くの人を癒やして救うけれども、無実の罪で死ぬことになると預言されています。そしてイザヤ書52:13~53:12は「苦難の僕の詩」と呼ばれる有名な聖句ですが、ここの部分を読むと十字架にかかるイエス様の場面がイメージとして湧いてきます。イエス様は「あなたたちは聖書の中に永遠の命があると考えて、聖書を研究している。ところが、聖書はわたしについて証しをするものだ。(ヨハネによる福音書5:39)」と言われました。ようするに預言者のイザヤは、イエス様こそがメシアであると教えているのです。
4.火曜日:だれが信じえようか
イザヤ書は救世主である「人の子(イエス様)」は、面影が無くなるほどボロボロになると説明されていますが、これはムチで打たれたり、いばらの冠や十字架に釘で打たれたりしたからだけではありません。表面的なダメージよりもむしろ、わたしたちの罪を代わりに引き受けてくださったことにより受けた、目に見えない内面的(霊的)なダメージが凄まじかったのです! それこそ主の心臓が破裂してしまうほどに…。
5.水曜日:罪に沈む者たち
当時の人たちのほとんどは「きっとイエス様は世界を救ってくれるにちがいない!」と思っていたのに、十字架にかかっているイエス様を見てガッカリと失望したことでしょう。なぜなら、もし本物のメシアであれば、十字架という不名誉な方法で死刑にされるはずがないと思っていたからです。しかし私たちは、みんなが「やっぱりこの人は違ったんだな…」と見放したイエス様こそが、正真正銘のメシアであることを知っています。聖書によると本物の救世主は、私たちを救うために自分の意志で苦難の人生を選ばれるのです。
6.木曜日:償いの献げ物
聖書の教えによると、もし人に対して何か悪いことをしてしまった場合、ちゃんと相手に償いをしてから、神様に罪を赦していただく印として、捧げ物をしなくてはなりません。旧約聖書の時代は「オスの小羊」を捧げ物としていましたが、今から2000年前に本物の救世主であるイエス様が「償いの捧げ物」として、神様から赦していただく印になってくださったのでした。
7.金曜日:さらなる研究
アダムとエバが犯した罪の呪いは、人間がどんなに努力しても消すことが出来ません。罪を消すことが出来なければ人間は永遠に救われることが出来なくて苦しむことになってしまうのですが、神様は人間が負いきれない罪を、ご自分が代わりに負うことによって、私たちの罪を消してくださるのです。ここに神の大きな愛があります。
★振り返りの質問★
イザヤ書の53章を読んで、イエス様が十字架に向かって行った様子を想像してみてください。そして神様に対する感謝の気持ちが湧いてくることを確認し、今までに経験した証しなどがあれば誰かと分かち合ってください。