安息日学校部

第3課 聴覚しょうがい者用 鈴木優人

2023年第3期「エフェソの信徒への手紙」

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   第3課  御座に着かれたイエスの力 鈴木優人

 

1.安息日午後

2013年にドバイの自動車メーカー、デヴェル社はスポーツカー「デヴェル16」を発表しました。これは理論上、最高時速560km/hで走ることができる、とてもパワフルなスポーツカーです。しかし、もっと速い自動車を作った人たちもいます。訓練用ジェット機から取り外したジェットエンジン3機を荷台に載せて改造された、アメリカのピータービルト社製のトラック「ショックウェーブ」はデヴェル16の7倍のパワーがあり、直線道路で605km/hを出すことが出来ます。これらの車は、日常生活では役に立ちませんが、とにかくパワーのある車を作ってみたかった人たちがいたのです。このように人は昔も今も、常に大きな力を求めています。しかし、力を求めるのは、罪の誘惑に陥っていることを表しています。

パウロは、現代の私たちが抱えるこのような問題と同じような誘惑や罪に溢れた世界に住んでいるエフェソのクリスチャンが、聖霊によって与えられるキリストの力によって、誘惑を乗り越えることができるように祈っています。イエス様の無限の力は次の4つの救いの歴史の中に表されています(エフェソ1:19〜23参照)。

①イエスの復活

②イエスが神の御座に着かれたこと

③イエスがすべてのものを従わせられたこと

④イエスが教会の頭として与えられたこと

この4つのことを考えるときにクリスチャンは神様が私たちのために何をしてくださったか、神様の力がどれほど大きいかを理解し、経験することが出来ます。

 

2.日曜日:祈りと感謝

私たちは悲しいことや嫌なことがあったときに、「なぜこんなことになってしまったのですか」「もっと良い経験をさせてください」というような祈りをしてしまうことが多いのではないでしょうか。獄中にいたパウロはエフェソのクリスチャンのために祈りましたが、しかし、パウロの祈りの中心は賛美と感謝でした。困難な状況であっても、神様が働いていてくださることを覚え、神様が与えてくださった祝福を思い出し、困難な経験を通して私たちを変えてくださる神様を賛美しましょう。

パウロは「絶えず祈りなさい」(Iテサ5:17)と言っていますが、絶えず祈るとはどういうことでしょうか。いつもひざまずいて祈りの姿勢を整えて祈りなさい、ということではありません。絶えず祈るとは、神の霊に祝福され、神さまの臨在と力に心を開いて、神様に感謝するために証を求めて生きることです。いつでも神様に頼ることができる準備を整えるということです。そして、いつでも神様の声を聞いて、それに応えることのできる心を整えることを意味します。

パウロを手本にして、私たちも絶えず祈る生き方を心がけるようにしてみませんか。祈りはクリスチャン生活において一番大事な務めです。

 

3.月曜日:聖霊からの洞察を経験する

聖霊は、私たちがイエスさまのことをより深く理解することができるように助けてくださいます。そのことをガイドでは「霊的洞察」と表現していますが、私たちがより深く神様のことを知ることができるように祈り求めましょう。

パウロは私たちが祈るとき、次のことを忘れてはならないと警告しています。

① 神さまが私たちを独り子イエス様の十字架と復活によって罪から救ってくれたこと

② 再臨のときに私たちを完全に贖い、天国へ連れて行ってくださること

私達は霊的イスラエルとして神の祝福を受け継ぐことができるように祈る必要があります。

また私たちは、神の力の大きさを知り、それを経験することができるように祈ることが必要です。

祈りによって霊的洞察が与えられることによって、イエス様が与えてくださるものを自分で経験しましょう。

 

4.火曜日:復活の力にあずかる

クリスチャンに働く神の大きな力は「イエス様の死からの復活」と「宇宙の王座への着座」に表されます。キリストが復活したことにより、クリスチャンは来るべき将来、再臨のときに永遠の命にあずかる復活を経験することに希望をいだきます。キリストの復活がなければ、クリスチャン生活にどんな意味があるでしょうか。

復活の後、キリストは昇天し、父なる神の右の座に着かれました。クリスチャンはやがて、キリストと共にその座に着かせていただくことが約束されています。

しかし、キリストは今、ただ天の御座に座ってじっとしているわけではありません。キリストは聖霊によって全世界に出ていき、勝利者として私たちに力を与えてくださるのです。

 

5.水曜日:すべての権威の上に置かれたキリスト

天の御座に着かれたイエス様は今、父なる神さまとの共同統治者として、「すべての支配、権威、勢力、主権」の上におられます。

パウロの時代、エフェソでは魔術が盛んでした。魔術師は良い霊と悪い霊を見分け、その霊を操って自分たちの都合の良い結果を引き起こすための手段としていたようです。その霊を操る呪文には偶像の神々や悪の力の名前などが登場します。もちろん、その背後にあるのは悪魔の霊ですから、キリストを信じる人達はこのような魔術を避けるべきです。高められたイエス様は「すべての支配、権威、勢力、主権の上に」(エフェソ1:21)おられますから、イエス様の主権以外に霊を操る権威は存在しません。パウロはそのことを強調しています。そして、イエス様の統治は今だけでなくこれからも、再臨の後も永遠に続くのです。

 

6.木曜日:イエス、すべてのもの、教会

パウロは詩編の110編や8編を引用して、「すべてのものはキリストの足元にある」ということを教えています。

ここで言うすべてのものとは、「すべての支配、権威、勢力、主権」(エフェソ1:21)を含めた、造られたすべてのものです。これらはすべてキリストに従うものとなっているのです。

また、教会はキリストと親しく結ばれ、キリストによってすべての必要が満たされます。サタンへの勝利も保証されているのです。高められたキリストによって示されたキリストの力は教会のために働いています。神様は教会に勝利者キリストを与え、教会はキリストの体と呼ばれるほどに、教会と一体になるのです。

私たちは祈りを通して高められたキリストを生活の中で経験することができるよう、願い求めたいと思います。

 

7.金曜日:さらなる研究

証の書は、キリストがどのように天で高められたかを記しています。キリストは永遠の昔から父と共におり、その栄光を持っていましたが、キリストの十字架の犠牲は、神が愛であり、正義であることを確かなものとするはたらきでした。そのキリストの功績のゆえに、彼は天で高められ、贖い主として礼拝されるべきお方とされたのです。

 

話し合いのための質問

・あなたが悪の力から離れるためにするべきことは何でしょうか。