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第12課 イエスの物語を伝える 柴田 寛
1.安息日午後
イエスさまの十字架の死(身代わりの死)が、すべての時代の、すべての国の人たちのためであったように、イエスさまがあらゆる誘惑と苦しみを耐え忍ばれ、みごと死から復活された(サタンに勝利された!)という福音のメッセージは、すべての人に伝えるべき喜びのメッセージです。聖書には、イエスさまの勝利によって、私たちがサタンの手から買い戻され、そして買い戻した私たちを天のお家に連れ帰るために、イエスさまがもう一度来られると書かれています。「ヨハネの黙示録」には、その二度目の時(再臨の時)が、もうそこまで近づいているので備えなさいと記されています。私たちは、一人でも多くの人が天国に行けるように、その事実を世界中に伝えるために選ばれたのです。
2.日曜日:ペトロの「いま持っている真理」のメッセージ
イエスさまは、なんの前触れもなく突然こられるような方ではありません。ノアの洪水の時がそうであったように、十分な警告をもって人々を備えさせるのです。あとは、人々がその警告を信じるかどうかです。なかなか聞く耳を持たない人たちに対し、「いま持っている真理」の素晴らしさを忍耐強く証ししましょう。それは、私たちを救出しようと、多くの犠牲を払って下さった神の愛であり、神のご品性の清さです。それらは暗闇の中で出口がわからずにいる人たちにとっての光であり、救いの希望です。
3.月曜日:終末に焦点を合わせる黙示録
「ヨハネの黙示録」には、二度目に来られるイエスさまが「王の王、主の主」として来られると書いてあります。それは勝利者としてのイエスさまのお姿です。勝利者なる王ですから、その時、ながく続いた「善と悪」との戦いが終わり、サタンによってめちゃくちゃにされた地球は新しくされ、死がなくなります。そして勝利者なるイエスさまと永遠にいっしょに生きるのです。なんという喜びの時でしょう! 黙示録は、そのような素晴らしい世界への招待状です。伝道はこの招待状を持って出ていくことです。あなたの大切な人に、この招待状を届けましょう。これほど喜びに満ちた、やりがいのある務めは他にありません。
4.火曜日:黙示録の終末のメッセージ
アドベンチスト教会は、黙示録14章を終わりの時代の希望のメッセージとして特に大切にしてきました。14章7節には「神を畏れ、その栄光をたたえなさい。神の裁きの時が来たからである。天と地、海と水の源を創造した方を礼拝しなさい」と記されています。ここにはイエスさまがご再臨される時が近づいているということだけでなく、私たちがイエスさまの手によって「創られた」ことが記されています。なぜこれらの言葉が希望なのでしょうか? それは、私たちが何者であり、どうしてここにいて、どこへ向かっているのかがはっきりするからです。創造主なる神さまを知らない人たちの多くが、自分が存在している理由も、自分の価値も、人生の意味や目的もわからないまま生きています。しかしこのみ言葉は、私たち一人ひとりが、神さまによって創られ、愛されていること。イエスさまが十字架上で命を捨てるほどの価値が、私たち一人ひとりにあることを教えてくれています。そのイエスさまが、私たちをまもなく迎えにきて下さる。その時が本当に近づいている。これは、救いを必要としている全ての人たちに、力と希望を与える、最高に良い知らせなのです。
5.水曜日:より完全に神のメッセージを理解する
黙示録14章7節には、もう一つの大切な表現があります。それは「神を畏れ」という表現です。「神を畏れる」とはどのような態度でしょうか。それはつまるところ、神さまに心から喜んで従うということですが、私たちは誰に対しても理由なく従えません。それは相手が神さまであっても同じです。そんな、神さまとの間に微妙な距離があいたままになっているクリスチャンに対して、パウロは次のように語りました。
「知らないのですか。あなたがたの体は、神からいただいた聖霊が宿ってくださる神殿であり、あなたがたはもはや自分自身のものではないのです。あなたがたは、代価を払って買い取られたのです。だから、自分の体で神の栄光を現しなさい。」(第一コリント6章19~20節)
私たちは、イエスさまの十字架上の死という大きな代償(交換条件)によって、サタンの手から解放されました。もし、この十字架の恵みによる救いがなければ、サタンと共に虚しく滅びるほかありませんでした。この驚くべき恵みを理解した人は、神さまへの感謝と賛美に満たされます。これが「神を畏れる」という態度であり、すべての人たち、とりわけ終末に生きる人たちに必要な気づきです。
アドベンチスト教会は、このよき知らせを全世界に向けて発信し、神さまを心から礼拝する者となるよう、うったえているのです。私たちもパウロのように「知らないのですか?」と身近な人たちから伝えていきましょう。
6.木曜日:神の最後の訴え
ヨハネの黙示録18章4節では、「わたしの民よ、彼女(バビロン)から離れ去れ。その罪に加わったり、その災いに巻き込まれたりしないようにせよ」という強い警告がなされています。バビロンとは、サタンがわたしたちを滅びに至らせるために用意した、あらゆる「見せかけの救い」(たとえば、富、快楽、偶像、人間礼賛、霊魂不滅などの誤った教えなど)の総称です。それらは一見魅力的ですが、罠であり、そこに魂を救う力はありません。
これらのバビロンと言えるものが、神さまを見えなくし、神さまを求める心さえ奪います。しかし、これが悪意あるサタンの最初からの計画であることを覚えましょう。私たちはまんまと罠に陥るのではなく、そこから離れなければ、永遠の死に至るのです。ガイド86ページの言葉を引用します。
「私たちの滅び行く地球に対する神の終末のメッセージは、イエスと彼の義に関するメッセージです。それは天の訴えそのものです・・・神は、キリストのメッセージを十分に高めるためにセブンスデー・アドベンチスト教会を興されました・・・それは、『道であり、真理であり、命である』方を宣べ伝えること、イエスの真理とは対照的なバビロンの誤りを明るみに出すことです。」
アドベンチスト教会に与えられた特別な使命は、この世界の裏で起こっていることを明るみに出すことです。悪意あるサタンが、地球もろとも滅びへと道づれにしようとしていることに、どれだけの人が気づいているでしょうか?「バビロンから離れよ!」・・・この切実な天の訴えを、私たちも声を大にして、叫びたいと思います。
7.金曜日:さらなる研究
今週は、黙示録14章に記されている「三天使の使命」について学びました。この3人の天使のメッセージ(伝えるに値するメッセージ)を世に伝え、イエスさまの再臨に人々を備えさせるために、私たちの教会は選ばれました。イエスさまは言われました。「あなたがたは、世の光である」(マタイ5:14)と。暗いニュースばかりが聞こえてくる毎日ですが、聖書に約束されている、これらのすばらしい希望を紹介する時、あなたの周囲がパッと明るくなることでしょう。神さまはそのような忠実な民を祝福してくださり、伝えた者も、伝えられた者も、共に天の御国に入れて下さるのです。希望の光をもって、前進し続けましょう!