安息日学校部

第12課 聴覚しょうがい者用 鈴木優人

2023年第4期「神の宣教、私の宣教

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第12課 エステルとモルデカイ  鈴木優人

 

1.安息日午後

エステル記は、聖書の中でも最も感動的な「異文化伝道」の話が書かれています。バビロンに滅ぼされたユダの国がペルシア王の命令で建て直されたあと、ユダヤ人たちはペルシア帝国からユダの地に帰りました。しかしエステルとモルデカイはペルシアの首都スサに残っていました。さて、神様の不思議な導きでエステルはペルシア王の妻になります。このお話は、外国や他の宗教の人たちが住む場所にいてもクリスチャンが本当の神様のことを証しすることができることを教えてくれます。今週の学びのために、エステル記をざっと読んでみてください。

 

2.日曜日:異文化の中の捕らわれ人

現在、アドベンチストの信仰が法律のもとになって作られたアドベンチストの国というものはありません。しかし、ユダヤ人はもともと自分たちの信仰に基づいた国がありました。たとえば、第7日安息日を守ることが国の法律で決まっていました。法律で決まっているなら、信仰を守って生きることは難しくありません。しかし、法律で決まっているから守る、というだけでなく、本当に守りたいという心があることのほうが大切です。神様に忠実でいたいと心に決めている人は、法律がなくても、他の宗教の国にいても、神様に忠実であり続けます。

ダニエル書1:1〜12,3:1〜12,6:2〜10を読みましょう。ダニエルの時代、ユダの国が滅ぼされてバビロンに強制移住させられたダニエルたちは他の宗教を持つ外国の厳しい状況のなかでも神様に忠実であり続けました。

 

3.月曜日:異国の宮廷で

ダニエルの時代のあと、多くのユダヤ人はもともと住んでいた土地に帰りましたが、ペルシアに残った人たちもいました。それがエステルの時代です。当時のペルシア王クセルクセス(口語訳:アハシュエロス)は新しい王妃になる女性を探しており、スサの街中の集められた若い女性たちの中にエステルもいました。エステルのいとこモルデカイはエステルに自分がユダヤ人であることを明かしてはいけないと命じました。なぜなら、エステルたちは外国の文化や宗教の中で、ペルシア人たちの敵になるかもしれない外国人だったので、自分がどのような民族かということを黙っているほうが、賢いからです。

 

 

4.火曜日:モルデカイの忠実な証

モルデカイとエステルは神様を信じていない国で生活していたので、神様に忠実でいることによってトラブルに巻き込まれる可能性がありました。モルデカイは恐ろしいトラブルに巻き込まれました。

王がアマレク人アガクの子孫であるハマンを権力のある地位につかせたのです。そして、みんながハマンにひれ伏さなければならなくなりました。聖書には、モルデカイがハマンにひれ伏さなかったことが書かれています。

なぜなら忠実なユダヤ人だったモルデカイは、出エジプトの時代にユダヤ人と戦争した敵アマレク人の子孫に敬意を表したくなかったからです。怒ったハマンは王の法律に従わないユダヤ人を滅ぼす命令を王に出させます。

 

5.水曜日:この時のためにこそ

モルデカイはエステルに助けを求めます。エステルはすでに王の妻となっていましたが、王からの招待がなければ王に会うことは許されていませんでした。勝手に会いにいくと死刑になる可能性もありましたが、エステルはそれでも王のところへ会いに行きました。

モルデカイはエステルに次のように言いました。「他のユダヤ人がどうであれ、自分は王宮にいて無事だと考えてはいけない。この時にあたってあなたが口を閉ざしているなら、ユダヤ人の開放と救済は他のところから起こり、あなた自身と父の家は滅ぼされるにちがいない。この時のためにこそ、あなたは王妃の位にまで達したのではないか」(エス4:13,14)

これに対するエステルの応えは「早速、スサにいるすべてのユダヤ人を集め、私のために三日三晩断食し、飲食を一切断ってください。私も女官たちと共に、同じように断食いたします。このようにしてから、定めに反することではありますが、私は王のもとに参ります。このために死ななければならないのでしたら、死ぬ覚悟でおります」(エス4:16)というものでした。

困難な状況において、祈りがユダヤ人の中心にありました。

 

6.木曜日:プリムの奇跡

エステル記には一度も神様の名前が登場しません。しかし、ユダヤ人のためになされたすばらしい神様の行為が書かれているので、聖書の中に含まれることになりました。私たちは日々の暮らしの中に神様の存在を感じることがあるでしょうか。注意を払って神様の存在を探してみましょう。奇跡は一見自然な出来事の中に紛れ込んでいます。

エステルの王への働きかけの結果、ユダヤ人を滅ぼす法律はなくなりませんでしたが、新しい法律がつくられ、ユダヤ人は自分の身を守ることができるようになりました。

この出来事をみたペルシア人たちはユダヤ人のために神様がなさった奇跡をみて、ユダヤ人になりたいと思う人がたくさんいたといいます。この出来事を記念するためにユダヤ人は年に一度、「プリムの祭り」を祝うようになりました。

 

【チャレンジ】今週、神があなたにしてくださったことを、あなたの祈りのリストの1人に伝える勇気を与えてくださるように祈りましょう。

 

7.金曜日:さらなる研究

聖書の中には、エステルのように、女性の活躍がたくさん書かれています。

ほかにどのような女性が活躍していたか探してみましょう。

 

話し合いのための質問

・自分の信仰をあきらかにするべきではない状況にはどんなものがありますか。