セブンスデー・アドベンチスト教会

第85日—祈りの課題—2020年6月27日 土曜日

第85日—祈りの課題—2020年6月27日 土曜日

高潔な遺産

フランク・M・ハーゼル
(世界総会聖書研究所副所長であり、神学博士。2020年第2期安息日学校聖書研究ガイド「聖書をいかに解釈するか」の共著者)

祖父のフランツ・ハーゼルは、ドイツのアドベンチスト教会の牧師でしたが、第二次世界大戦中、意に反して軍隊に徴兵されました。祖父は「殺してはならない」という戒めを含む神様の掟を尊重し、武器を持つことを拒否して衛生兵に志願しました。しかし彼の要求は受け入れられませんでした。代わりに、軍の書記として別の前線に派遣されたのでした。「絶対に人を殺さない」という信念を持ちながらも、戦時中は常にホルスターに木製の銃を挿して行動しなければなりませんでした。危険な目に何度も合いましたが、神様はその度に、奇跡的に彼を助けてくださいました。祖父の感動の実話は『A Thousand Shall Fall(たとえ千人が倒れても<英語>)』の書籍で読むことができます。

祖父はときどき、著書には記されていない秘話を私に話してくれました。ドイツ軍がロシアに進軍する準備を進めていた頃、彼の所属する部隊は、ドイツ軍を密かに狙うゲリラ兵を探し出すために、民家を一軒一軒捜索し、疑わしい村人は全員捕虜にせよ、との命令を受けました。従わない者は、老若男女誰であれ、構わず撃ち殺せと言うのです。

ある日、祖父が民家の捜索をしながら一つの部屋に入っていくと、怪しい雰囲気を感じました。部屋には誰もいないのに、人がいる気配を感じるのです。ふと、しゃがみこんでベッドの下を覗くと、一人の若者がこちらをじっと睨みつけたまま横たわっています。祖父は、彼の存在を他の兵士に知らせれば、間違いなく射殺されるだろうと思いました。互いに目を合わせたままで、一瞬の出来事がまるで永遠のように感じられました。祖父は立ち上がると、静かに部屋を出ていき、そこで見たことを誰にも報告しませんでした。彼はこの若者を憐れに思い、彼の命を助けようと考えたのでした。

数週間が過ぎて、祖父は物資輸送の重要な手段である汽車の線路をパトロールするように命じられました。彼の任務は、ゲリラ兵によってレールが爆破されないように見張ることでした。偵察をしながら一人になった瞬間、突然馬に乗ったロシアの軽騎兵が、彼をめがけて突進してくるのが見えました。どこにも逃げ道はありません。彼は、間違いなく自分は撃ち殺されるだろうと確信しました。

あっという間に、軽騎兵は彼を取り囲みました。祖父と指揮官がお互いの顔を見たとき、二人は「あっ!」と驚きの声をあげました。その顔は、あの民家のベッドの下に隠れていた若者の顔だったのです。若い指揮官は、祖父の面前に銃口を向けながら「俺には、おまえを殺すことができる」と凄んで言いました。「だが、おまえは俺の命を救ってくれた。だから俺もおまえを殺さない。」彼は部下を促すと、そのまま立ち去って行きました。神様の不思議な摂理によって、祖父の命が再び救われた瞬間でした。人の命に対する愛情と尊敬、そして神様の戒めに忠実であったことが、祝福となって彼に戻ってきたのでした。

私は、祖父が残してくれた善良な生き方と神様に対する忠実さ、愛情深い模範に心から感謝します。この遺産は、これからもずっと、私たち家族に受け継がれていくものだからです。

忠実とはとても特異な心の状態です。自分自身を振り返ってみてください。あなたは人より「少しだけ」有名かもしれませんし、人より「少しだけ」裕福かもしれません。でも、あなたは「少しだけ」忠実だという言い方は存在しないのです。忠実とは、一心不乱に心を注ぎ出す状態を表します。100%忠実であるか、それとも不忠実かのどちらかです。95%忠実だったとしても、それは不忠実と同じことなのです。忠実であることは、100%完全に従うことです。神様は私たちに、完全な忠誠心と献身をもって従うように求められているのです。

神様に忠実であったために、ライオンの穴に投げ込まれたダニエルの物語(旧約聖書)を、私たちは幼い頃から読んできました。賢く忠実なダニエルが、王の寵愛を一身に受けているのを見て嫉妬したライバルたちは、彼を陥れる方法を見つけようといつも探していました。「しかしダニエルは、政務に忠実で何の汚点も怠慢もなく、彼らは訴え出る口実を見つけることができなかった。」(©日本聖書協会)ダニエル6:5

私の望みは、(ある場合には)敵対するライバルや友人、コロナウィルスの危機の中で、私たちの生活を見ているすべての人々が、私たちの中にダニエルの忠実さを見出すことです! 私たちが優しく愛情深い人物として周囲の人々に認知され、また日々の働きを忠実に果たすことによって、人々と有効な人間関係を築いていくことです。私たちもダニエルのように、いつも神様のみ旨に忠実でいられるように求めましょう。神様が、どんなときにも私たちを守ってくださるという約束に信頼しましょう。たとえ進むべき道が見えなかったとしても、私たちはお互いを大切にし、神様とみ言葉に忠実な男性、女性であり続けたいものです。

瞑想しましょう:
どうしたら周囲の人々に、真の友情を広げていくことができるでしょうか? 人に優しく、神様に忠実であろうとするときに、あなたが困難を感じるのはどのような点ですか? 忠実さを成長させるために必要なのはどんなことだと思いますか? ダニエルの物語は、一人の人間が神様に忠実であったことで、国全体に良い影響を与えた実例です。あなたの親切な行為が、人々に神様の愛を知らせするのにどれほど役立つでしょうか。あなたの忠実さが、周りの人々の心の扉を開き、神様を信じることの素晴らしさを知っていただくのにどれほど大きな影響力を与えるでしょうか。

実践しましょう:
言葉や歌で、神様への忠実さを口にするのはたやすいことです。しかし、なにげない日常の中で、誰も見ていない、家族にも知られていない瞬間にこそ、あなたの本当の忠実さが試されるのです。あなたの生活の中に、改善すべき事柄がないかどうか、神様に示していただきましょう。キリストがあなたの心に住み、あなたの人生を導いてくださるように。誘惑に襲われたときにも、神様に忠実でいられるように祈り求めましょう。

「異常な環境の中で霊的な恍惚状態をあらわしたからといって、その人がクリスチャンであるなどという確証にはならない。聖潔は忘我の境地ではない。それは意志を全く神に従わすことである。それは神のみ口から出る一つ一つのことばで生きることであり、天の父なる神のみこころをなすことである。光のうちにいる時と同様に、試練の時にも暗黒の時にも、神により頼むことである。また、目で見て歩くのでなく、信仰によって歩むことである。それは少しも疑わずに確信をもって神に頼み、神の愛に安らぐことである。」 『患難から栄光へ』 上巻 47ページ

賛美の報告:

  1. 「100日間の祈り」のメッセージを分かち合うように、神様が私に促されたので、WhatsAppとTelegramプラットフォームを通じて、1日に500名以上の人々にメッセージを送信できるように準備しました。私たちは毎晩20時に心を合わせてお祈りしています。(ラベンスキーより)
  2. コロナウィルス・パンデミック後の対策について熟考している世界中の教会牧師、教会員に、神様が知恵と祝福を与えてくださっているのを感じています。

祈りの課題

  1. 日々忠実に生活し、キリストの愛と優しさをいつも心に宿すことができるようにお祈りしましょう。
  2. 英国のマナ・ハウス(健康診療センター)では、ポストコロナ回復プログラムを計画し、健康メッセージを通して人々にキリストを伝えようとしています。彼らのためにお祈りしましょう。
  3. スマトラ北部の千人宣教師訓練センターをはじめとする、宣教師育成施設では、コロナウィルス・パンデミックの中でも新たな伝道方法を探し出そうとしています。彼らのチャレンジのためにお祈りしましょう。
  4. コロナウィルスやその他の理由で、愛する人を亡くした教会員のために特別にお祈りしましょう。