死ぬほど飢えて
何日も飢えていたパベルは祈りました。
「愛する主よ、あなたの什一を自分の必要のために使ってしまったことを、どうぞお赦しください。しかし、もしあなたが、もう一度什一をお返しすることを許してくださるなら、私は二度と、たとえ死ぬことになっても、あなたの財産を自分の利益のために使わないことを約束します。」
共産主義時代のルーマニアで、何の収入もなく、既婚学生として生活していたパベルは、しばらく前に、彼が什一として取り分けていた40レイ(ルーマニアの通貨)を、家族に食べ物を買うために使う決心をしていました。パベルと妻のダーナは飢えていたのです。パベルは空き缶を集めてそれを売っていましたが、その収入だけでは息子のミルクを買うのが精いっぱいだったのでした。彼は、主から「借りた」ものは、できるだけ早くお返ししよう、神様も「わかってくださる」だろうと考えながら、そのお金を手に取りました。しかし、時を同じくして父親が亡くなり、彼が受けていた仕送りが途絶えたために、暮らしはさらに苦しくなってしまったのです。
その日、大学から自宅に戻ると、パベルは50レイが入った手紙を見つけました。彼はそのお金を自分のために使いたいという誘惑にあらがい、そうする代わりに、彼はただちに、40レイを神様から借りた什一として、それに加えて5レイを、この贈り物の新たな什一として、教会の会計係に送りました。残った5レイで彼とダーナが買えたのは、わずかなパンとヨーグルトだけでした。
「パベル、元気にしているかい?」
数日後、92歳の顔なじみの教会員の男性が彼に尋ねました。「どうも、困った事があるみたいだね。何があったんだい?なぜバスに乗らずに歩いているんだい?」
そう尋ねる男性の質問からパベルは逃れることができません。
それから男性は言いました。
「私は引退した弁護士なんだが、幾らかの貯えがある。神様に、私が助けることができる人は誰ですかと尋ねていたんだが、今それがわかったよ。今から君が大学の学びを終えるまで、君の必要のために、毎月500レイを送ろう。」
そして彼はこう付け加えたのでした。
「しかし、君が祝福されたなら、それを人に分け与えるのを忘れてはいかんぞ。」
パベル・ゴイアは現在、『ミニストリー』誌の編集者として米国メリーランド州、シルバースプリングスにある世界総会の事務所で働いています。
アピール:私たちが、どんな危機の時にも、主の力強い救いの御力を知ることによって、それを私たちの主への信頼をより強いものにするための機会として用いさせてください!
祈り:愛する主よ、あなたが私たちの与え主であることを信じることができるよう助けてください。どうぞ、私たちが感謝の心をもって、あなたに属するものをお返しすることによって、その信頼を実践することができるよう助けてください!