安息日学校部

第1課 聴覚しょうがい者用 池増 益男

2022年第1期「終わりの時代に生きる」

PDFダウンロード ルビ付きはこちらからご覧ください

第1課  創造の御業  池増 益男

 

1.安息日午後

聖書は「本の中の本」と呼ばれ、世界中で、古くから最も多くの人々に読まれ続けています。それはなぜか? それは人の人生を変えてしまうほどの力があるからではないでしょうか。

聖書は、①なぜ人間は生まれたのか?(世界と人類の始まり)、②何の目的で人は生きているのか?(生きる意味と目的)、③どこからきてどこにいくのか?(これから世界はどうなっていくのか、私たちの将来に救いはあるのか)。このような人間の心の奥にある問いかけに答えを与えているからです。

今期学ぶ創世記は、そして聖書全体はこうしたことに光を当てています。

 

2.日曜日:創造の神

なぜ、私たちは、声高らかに主を讃美し、礼拝し、喜んで主に仕えるように求められているのでしょうか。

詩編100:1〜3によれば、「主こそ神であり、私たちを造られた方、私たちは神のもの、神の民であるからだ」というのです。この詩編100編を読んでいると心が明るく、はずんできます。力が湧いてきます。

その「神」について最初に記されている箇所が、聖書の1ページの1行目、「初めに、神は天地を創造された」(創世記1:1)です。おおぜいの人が声を出して歌うとき、最も強く発音された箇所がこの「神」のところであったというのです。それほど「神」を偉大なお方として尊敬していたのです。

創世記は神がどのようなお方であるかを2つの名前で紹介しています。

①  神「エロヒーム」(創世記1:1〜2:4)→人間の知恵と想像をはるかに超えた無限の力と知恵で、全宇宙を創造され、今もそれを支えておられる大いなる神を表します。

約40年前、N H K番組で「コスモス(宇宙)」という番組がありました。宇宙船に乗って宇宙の旅をしながら、カール・セーガン博士が解説してくださるとてもワクワクする大好きな番組でした。

セーガン博士によると、全宇宙の大きさは光の速度(1秒間に地球を7回半する)で150億年かかるほどの広がりがあり、天の川銀河(地球もその一部)のような星の集団が2000億ほど存在し、それをわかりやすくすると地球上の浜の砂を全部集めたほどの数であるというのです。しかしまだ驚いてはいけません。 N A S A(アメリカ航空宇宙局)、E S A(欧州宇宙機関)は2016年10月13日、銀河の数を2兆個、これまでの10倍と発表しました。このような限りのない大宇宙を造られ、保っておられるお方が、神「エロヒーム」です。

②  主「ヤハウェ」なる神(創世記2:4〜25)→「ヤハウェ」とは「わたしはある。わたしはあるという者だ」(出エジプト3:14 )、永遠から永遠まで自分の力で存在する神を表します。同時にこの永遠の神は、「わたしはあなたと共にいる(ある)」と約束される神です(出エジプト3:12、4:12 )

私たち人間が近づくことのできないようなおそれおおい偉大な神でありながら、無力で罪ぶかい私たちのそばに来て、一緒にいてくださる優しい恵みの神なのです。なんと驚くべきことでしょう。

 

3.月曜日:創造の御業

皆さんは、物を作ったり、絵を描いたりすることはありませんか。それが完成するまでに何日もかかる時、一日一日、その作品の出来ぐあいを確かめませんか?

神はこの天地を六日間で造られましたが、一日ごとにその出来ぐあいを見て「良しとされた」とあります。

「良しとされた」という表現は、神が造られたものがちゃんとその目的を果たし、少しの欠点もなく美しい出来栄えであったことを意味しています。そして神は六日目の作業が終わった時、「極めて良かった(これ以上のものはない)」と満足されました。

  • 一般の学校で教えられている「進化論」と神がこの世界を造られたという「創造論」の違いを考えてみましょう。

<創造論>・・・神による6日間の創造(短い期間の創造)

<進化論>・・・約40億年前にアメーバのような単細胞(細胞が一つしかない生物)が突然、自然に発生した。

それが長い長い40億年の年月を経て人間にまで至った。

大きな違いですね。進化論には神は存在しません。たまたまそうなったという理論です。人間が造られた意味も目的もありません。どちらを信じた方が幸せでしょうか?

 

4.火曜日:安息日

「こうして天と地と、その万象とが完成した。神は第七日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終って第七日に休まれた。神はその第七日を祝福して、これを聖別された。神がこの日に、そのすべての創造のわざを終って休まれたからである。」(創世記2:1〜3 口語訳)

安息日は神の御業の二つの記念日です。

①  創造の記念日です。

神は人の住む所としてこの地球が完成したとき、「極めて良かった」と大満足して、七日目を休まれました。そしてこの安息日の休みと喜びの中に私たちをも招待してくださいました(出エジプト20:8〜11)。私たちがこの神からの招待に答えて安息日を守るとき、神の創造の作品を神と共に喜び、感謝し、お祝いするのです。

②  罪からの救いの記念日です。

アダムとエバが罪を犯してから、人間は罪と病と死の運命にあります。地球環境も大きな苦しみを抱えるようになりました。神は美しい世界がこのように変わってしまったことを悲しみ、この恐ろしい運命から救い、元の状態に回復するために救い主イエス様をお送りになりました。主は私たちのために精一杯お働きになり、十字架の上でわたしたちのすべての罪を背負って亡くなられました。息を引き取る前に「すべてが終わった(すべてが成し遂げられた)」と勝利の叫びをあげられました。

こうしてイエス・キリストを私の救い主と信じる人々のうちに新しく造り変える働きが始まったのです。それが完成するのが新天新地の出現の時です。

  • 安息日はあなたにとって休みと喜び、救いと希望の日になっていますか?

 

5.水曜日:人の創造

神は六日目の最後に特別な存在として人間を創造されました。

「神はまた言われた、『われわれのかたちに、われわれにかたどって人を造り、・・・』。神は自分のかたちに人を創造された。」(創世記1:26、27 口語訳)

  • 「神のかたち」「神にかたどって」とはどういう意味でしょうか?

エレン・ホワイトも「アダムが創造主のみ手によって造られたとき、彼の肉体と知能(心)と霊性は、神のみかたちをそなえていた」(『教育』4ページ)と述べています。

それは神が人間と同じような肉体を持っているという意味ではありません。私たち一人一人は霊性(神との交わり)、心(頭や心で考えること)、肉体(顔の表情、口から出す言葉、すべての行い)を通して神の愛のご品性、神の栄光を現すように造られたのです。

「あなたがたは、代価を払って買いとられたのだ。それだから、自分のからだをもって、神の栄光をあらわしなさい。」(コリント第一 6:20 口語訳)

 

6.木曜日:人間の責務

神は最初の人間アダムを造られるとすぐに、三つの贈り物と果たすべき責任をお与えになりました。

①  エデンの園の管理

「人がそこを耕し、守るようにされた」(創世記2:15)

園の土地を耕し、作物を作り育てる喜び、また美しい自然を維持、管理するやりがいのある働きを与えられました。

②  食べ物を正しく選び、食欲をコントロールする責任

「主なる神はその人に命じて言われた、『あなたは園のどの木からでも心のままに取って食べて よろしい。しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。それを取って食べると、きっ と死ぬであろう』」(創世記2:16、17 口語訳)

③  結婚と夫婦としての責任

「それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである。」(創世記2:24口語訳)

結婚は神からの祝福の賜物です。神によって結ばれた二人は結婚の約束を生涯守り、お互いの責任を忠実に果たして幸せな家庭を通して神の栄光を表すのです。

 

7.金曜日:さらなる研究

  • 宗教と科学は対立すると考える人が多いのはなぜなのでしょうか?

「科学は絶えず新しい驚くべきことを発見しているが、しかし科学の探求によって発見されるものには、それが正しく理解されるかぎり聖書と矛盾するものは一つもない。自然の書と聖書は互いに光を照らしあっている。自然と聖書はどちらも神の働かれる法則を教えることによって、われわれに神を知らせるのである。」(『教育』138ページ)

「科学と聖書の間に矛盾があるかのように想像されている」ことについてホワイト夫人は、人間の知恵を神様よりも高いところにおいて考えをまとめようとしたために一致できなくなったと説明しています。もし人間が神の偉大な知恵の前に謙遜になるならば問題は解決されるのです。

<話し合いのための質問>

①(創世記6:5〜8、マタイ19:4 参照)

②(ローマ1:25 参照)

③(ローマ1:19、20;イザヤ40:25、26 参照)