安息日学校部

20250101安河内アキラ解説

2025年第1期「神の愛と正義」

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第1課   神は喜んで愛される  1月4日

彼らをいやし/喜んで彼らを愛する。まことに、わたしの怒りは彼らを離れ去った。 ホセア14:5

今週の聖句:出エジプト記33:15~22、ホセア14:2~5(口語訳14:1~4)、黙示録4:11、ヨハネ17:24、マタイ22:1~14、ヨハネ10:17、18

今週の研究: 私たちの状況がペトロの状況と異なっていても、多くの点で原則は同じです。イエスがペトロにお尋ねになった質問は、神が私たち1人ひとりに、それぞれの時と場所で投げかけておられる究極の質問なのです。「あなたはわたしを愛しているか」。すべては、その質問に対する私たちの答えにかかっています。

はじめに:今期の学びを通じて、これらの疑問やそのほかの疑問を取り上げていきます。そして、神の愛は、私たちが考えているよりもはるかに偉大なものであることがわかるでしょう。聖書に描かれている神の愛は、今日の世界のほとんどで「愛」として通用する概念をはるかに凌ぐものです。これからの数週間、私たちは、聖書に啓示されている神の愛の最も顕著で美しい側面のいくつかをさらに詳しく見ていきます。そして、読み進めていくうちに、神の愛と正義がいかに切り離せないものであるかがわかるでしょう。聖書の神は正義を愛しておられます(例えば、イザ61:8 参照)。
そして、聖書が描くように、神の愛と正義は、どちらか一方がなければ成り立たないほど、一体の関係にあります。神は愛であるがゆえに、この世の不正と苦しみを深く憂慮し、抑圧されている人や苦しんでいる人にご自身を重ね合わせ、悪が被造物にもたらした苦痛と悲しみの中に進んで入って行かれます。誰よりも神ご自身が苦しんでおられ、神ご自身が悪の最大の犠牲者なのです。

日曜日:では、神はここで何を宣言しておられるのでしょうか。基本的に、神は万物の創造主として、最もふさわしくない人々さえも喜んで恵み、憐れむ権利と権威を持っていると宣言しておられるのです。そして、たとえ彼らが憐れみを受けるに値しなくても、金の子牛の反逆の直後でさえ、ご自分の民であるイスラエルに憐れみをかけることによって、そうしておられます。
これは、神が合理的な期待を超えてご自分の愛を示された多くの例の一つです。私たちにとって、良い知らせではないでしょうか。

火曜日:神はご自分の愛の対象として被造物を必要とされませんでした。しかし、愛のご性質のゆえに、神はこの世界を創造し、被造物と愛の関係を結ぶことを選ばれました。
神は、惜しみない愛の贈り物としてこの世界を自由に創造されただけでなく、人間がエデンで罪を犯したあとも、また私たちが個人的に罪を犯したあとも、人間を自由に愛し続けておられます。
エデンでの堕罪後、アダムとエバには生き続けて神の愛を受ける権利がありませんでした。しかし、「万物を御自分の力ある言葉によって支えておられ(る)」(ヘブ1:3)神は、その大いなる愛と憐あわれみと恵みによって、彼らの命を支え、人類を愛のうちにご自分と和解させる道を設けられました。そして、その和解には私たちも含まれています。

木曜日:神の愛の究極のあらわれである十字架において、キリストがご自分の自由意志で私たちのためにご自身をささげられたことがわかります。キリストは、「自らの意志」で命を投げ出されました。誰もキリストからその命を奪ったわけではありません。キリストは、この世界が創られる前に天で合意されたあがないの計画に従って、自由にその命を投げ出されたのです。
「われわれをあがなう計画は、あとで考え出されたもの、すなわちアダムの堕落後に定められた計画ではなかった。それは、『長き世々にわたって、かくされていた奥義』のあらわれであった(ローマ16:25)。それは永遠の昔から神の統治の根本となってきた原則のあらわれであった。初めから、神とキリストは、サタンの背信と、この反逆者の欺瞞的な力によって人類が堕落することとを知っておられた。神は罪が存在するように定められたのではなく、その存在を予見し、その恐るべき危機に応ずる備えをされたのであった。世に対する神の愛はまことに大きかったので、神は、……そのひとり子を与えることを約束さ れた」(『希望への光』676ページ、『各時代の希望』第1章)。

今期は神さまの愛について学びます。わたしたちは自分が愛するもの、そして愛さねばならない人やものを愛することができます。けれども自分に背を向けてしまっている人を愛せるでしょうか。また自分に危害を加える人のことを愛せるでしょうか。聖書は「迫害する人のために祈れ」と教えていますが(マタイ5:44)、それすらできそうにありません。神さまは愛の神さまと言われていますが、それがいかに大きなものか、今期の学びを通して学んで行きましょう。
そしてはじめにから引用しましたが、神さまの愛と正義は切り離せないものであること、愛するがゆえに甘えるのではなく正義を行う神さまについても今期学びます。それによって神さまの愛のほんとうの姿をもっと深く学ぶことができるのではないでしょうか。
わたしたちを愛してくださっている神さまから「あなたはわたしを愛するか?」と問われています。これは一人ひとりが答えを出さねばなりません。「あなたを愛しています」と答えることができるように今期の学びを深めて行きましょう。