安息日学校部

20240206安河内アキラ解説

2024年第2期「大争闘」

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第6課   二人の証人 5月11日

 

暗唱聖句:草は枯れ、花はしぼむが/わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ。 イザヤ 40:8

                                           

今週の聖句:黙示録 11:3~6、ゼカリヤ 4:14、黙示録 12:5、6、14、15、ダニエル 7:25、 イザヤ 54:17、詩編 119:89、黙示録 11:15~18

                                           

今週の研究:今週は、聖書とキリスト教信仰に対する最も悪質な攻撃の一つを取り上げます。フランス革命中、フランスの街路には血が流れました。無神論が国教となりましたが、それでも、神の言葉の証を黙らせることはできませんでした。

                                           

日曜日:ゼカリヤ4章で、預言者は金の燭台の両側に2本のオリーブの木を見ました。これは黙示録11章で見られるのと同じ幻象です。ゼカリヤは、「これは全地の主の御前に立つ、二人の油注がれた人たちである」(ゼカリヤ4:14)と告げられています。オリーブの木は燭台に油を供給し、燭台が光を放ち続けるようにします。私たちは、詩編記者が書いたことを思い出します。「あなたの御言葉は、わたしの道の光/わたしの歩みを照らす灯」(詩編119:105)。油は聖霊をあらわしており(ゼカ4:2、6)、黙示録11章の幻は、神の言葉が聖霊の力によって宣べ伝えられ、世界を照らすことを描写しています。

イエスはヨハネ5:39で、旧約聖書が自分について証を(証言)していると明言しておられます。イエスはまた、福音は「証人として」全世界に宣べ伝えられ(マタ24:14)、新約聖書は旧約聖書と共にその証の基礎であると言っておられます。これら二つの節で使われている証を意味する言葉と同じ語根の言葉が、黙示録11:3に登場します。

この2人の証人とは誰のことでしょうか。これらの聖書の指摘と黙示録11章に示されている特徴を考慮すれば、2人の証人とは、神の光と真理をこの世に伝えている旧約聖書と新約聖書であると、私たちは(独断的にではなく)結論づけることができます。

                                           

火曜日:フランス革命の中で政府は、キリスト教に取って代わることを目的に、国家主導の無神論的宗教として、「理性礼拝」を正式に始め、1793年11月10日、全国で「理性の祭典」が開催されました。フランス中の教会が「理性の寺院」と化し、生きた女性が「理性の女神」として即位しました。聖書は路上で燃やされ、神は存在しないと宣言され、死は終わりなき眠りであると宣告されました。サタンは、神を信じない者たちを通して、神の2人の証人を殺すために働きました。「彼らの死体は、たとえてソドムとかエジプトとか呼ばれる大きな都の大通りに取り残される」(黙11:8)のです。

エジプトは真の神を否定する多神教の文化でした(出5:2参照)。ソドムはひどい不道徳を象徴しています。フランス革命では、革命と流血の中で通常の抑制が緩み、無神論と不道徳が横行したため、旧約聖書と新約聖書という神の2人の証人が死んでしまいました。

黙示録11章9節によれば、神の2人の証人の遺体は「三日半」(預言的に3年半)の間、埋葬されずに横たわります。無神論はフランス革命の中で少なくとも約3年半絶頂期にありました。この期間は、パリで宗教廃止令が出された1793年11月26日から、政府が宗教制限法を撤廃した1797年6月17日までです。

                                           

水曜日:フランス革命が終わると、神の言葉は、比喩的に、再び命を吹き込まれます。力強い信仰復興運動が起こります。神の言葉が救いをもたらす神の生きた力と再びなるのを見た人々は、大きな恐怖に襲われました。18世紀末、神は地の果てまで福音を伝えようと献身した男女を起こされました。インドに渡り、聖書を何十ものインドの方言に翻訳したウィリアム・ケアリーのように、人々は聖書のメッセージを急速に広めました。聖書の力に後押しされ、宣教師が世界中に派遣されたのです。

こうした世界的な宣教活動がフランス革命後に始まったのは、偶然ではありません。神の言葉は生きており、多くの人には「死んだ」ように見えましたが、それは信者の心の中ではまだ生きており、黙示録の預言が予告したように、再び完全な命を得ます。

                                           

木曜日:敵の攻撃にもかかわらず、地上における神の業は、輝かしい山場を迎えます。福音は、「あらゆる国民、種族、言葉の違う民、民族」(黙14:6)に宣べ伝えられるでしょう。キリストとサタンの大争闘は、キリストが陰府の力を完全に打ち破られることで終わります。神の王国は悪に勝利し、罪は宇宙から永遠に根絶されるのです。黙示録11章は、フランス革命を通してキリスト教信仰を破壊し、神への信仰を根絶しようとするサタンの試みから始まりますが、悪の支配と勢力に対する神の王国の勝利で終わります。この章は、キリストの働きと真理のために激しい試練を経験するすべての人に励ましを与えます。

                                           

今週は、ゼカリヤ書に書かれている二本のオリーブの木と二人の証人から学びが始まっています。日曜日の引用文をお読みいただければわかりますが、この二人の証人は旧約聖書と新約聖書を指しています。使徒の時代に入って、教会が全世界へ広がって行きました。その時に光となって導いたのは、みことばでした。悪魔は人々が聖書を読むことができないように、偽りの勢力を設けて、教会を神さまに変わって人間の考えや伝統に基づいて働く組織と変えて行きました。それが預言されている1260年間の法王権の至上の時代でした。

今週の学びは、その終わりごろに起きたフランス革命から学びます。この革命では旧来の支配層だった王侯貴族が処刑されて民衆による国家が誕生します。フランスの国旗は三色旗ですが「自由」「平等」「博愛」を示しています。これが新しい国家の目標で、彼らは抑圧から解放されて、それまでの基準であった聖書と神を捨て、人間の理性で世界を動かそうとしたのです。けれどもその結末は、火曜日と水曜日の引用文にあるように悲惨なことになりました。本当の自由は、神さまの律法の範囲の中で生きることなのです。(ガラテヤ5:13、ペテロ第一2:16参照)

神さまは、人間の幸せのために二人の証人である聖書を与えられました。そして悪魔は様々な方法で、その聖書を抹殺しようとして来ましたが、今日まで生き続けて全世界で読まれています。まさに今週の暗唱聖句で預言されているとおりです。

けれども悪魔は、現代のわたしたちが聖書を読まなくなるように、もっと多くの刺激を与えたり、別のことに時間を使うようさせようと働いています。光が与えられていても、それを持っているだけでは役に立ちません。あなたがそれを読んで、光を受けなければならないのです。