安息日学校部

2023049安河内アキラ解説

2022年第4期「永遠の命」

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第9課   権力者への宣教   12月2日

 

暗唱聖句:人は、たとえ全世界を手に入れても、自分の命を失ったら、何の得があろうか。自分の命を買い戻すのに、どんな代価を支払えようか。 マタイ 16:26

                                                                  

今週の聖句:ダニエル 4 章、列王記下 5:1~19、ヨハネ 3:1~12、ヨハネ 7:43~52、

マタイ 19:16~22、ヨハネ 19:38~42

                                                                  

今週の研究:今週は、金持ちや権力者に対する神の宣教について研究します。神がどのようにこれらの人々に働きかけられたのか、そして、今日も彼らの証人となるように、神がどのようにアドベンチストを召し、準備しておられるのかを見ていきましょう。

                                                                  

日曜日:聖書の中で、神が不信仰な権力者にどのように働きかけられたかを示す特筆すべき例は、ネブカドネツァル王の物語です。神の裁きは、イスラエルの王たちと同様に、彼にも下されました(代下32:25、26、王上14:21~31、サム上28章 参照)。ネブカドネツァルが正気に戻り、創造主である神を認めたという聖書の記事は、神が弱い者や困窮者だけでなく、金持ちや権力者をも配慮しておられることを示しています。ダニエル4:34(口語訳4:37)で、地上最強の権力者は、 こう宣言しました。「それゆえ、わたしネブカドネツァルは天の王をほめたたえ、あがめ、賛美する。その御業はまこと、その道は正しく、驕る者を倒される」。私たち死すべき人間の中の金持ちや権力者や高慢な人たちがみな、この真理を理解してくれればよいのですが!

この物語から何を学ぶことができるでしょうか。第一に、神はダニエルのような献身的な信者を、不信仰な権力者に働きかけるための架け橋として用いられることです。第二に、神は不信仰な権力者に働きかけるために、証のプロセスに直接介入されることがあることです。ネブカドネツァルは、その傲慢さのゆえに神によってへりくだらされました。これは非常に劇的な物語ですが、金持ちや権力者や高慢な人が低くされる方法は、ほかにもたくさんあります。

                                                                  

水曜日:ザアカイは、金持ちの若い律法学者がしなかった方法で、イエスに応答しました。注目すべきことに、イエスは、ザアカイに「持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい」とは言われませんでした。イエスは、あの金持ちの律法学者がどれほどお金に縛られていたかをご存じだったからこそ、彼にそうしなさいと言われたのでしょう。一方、ザアカイは対照的でした。私たちは、イエスがザアカイの家で話されたことをすべて知っているわけではありませんが、彼は明らかにイエスによって罪を自覚し、自分の人生における何かを、特に財産に関することを変えなければならないことを気づきました。

                                                                  

木曜日:この時まで、私たちはアリマタヤのヨセフについて何も聞いていません。突然、この金持ちがどこからともなくあらわれ、預言の成就のために用いられた のです。神は、これまでも、そしてこれからも、ご自分の目的のために金持ちを用いられます。ですから、私たちも彼らに対して宣教しなければなりません。

権力者と友だちになるうえで、きっかけづくりが最も難しい段階です。一般的には、彼らを追いかけず、あなたのところに来るようにするのがよいでしょう。 イエスはそうなさいました。彼らは、イエスのメッセージ、癒し、神の力の証人となりました。イエスが本当に神の子であることを陰で確信していました。

権力者は、さまざまな理由から、本物の奉仕活動に協力することを求めます。 彼らは、人々の生活を変える何か良いことに参加したいと思っています。その活動に協力することは、それが彼ら自身の生活をも変えることができることを、 彼らが知る一つの方法です。その活動に参加することは、金持ちや権力者が、自分たちの必要を公に明らかにすることなく彼ら自身の必要に応える、さりげない方法なのです。

第二の段階は、金持ちや権力者が神の働きに参加する機会となるために、本物の奉仕活動を始めることです。時間を割いて、あなたの社会にいる金持ちや権力者の人生に投資してください。

                                                                  

神さまは、すべての人に福音を伝えるようにわたしたちに命じています。それは地位のある人や金持ちに対しても同じですね。今週の学びでは、ネブカドネツァル、ナアマン、ニコデモ、金持ちの青年、ザアカイ、アリマタヤのヨセフと聖書に記録されている、地位が高かったりお金持ちだった人について学びます。彼らは神さまからタラントや多くのめぐみが与えられていました。それを彼らは活かしたから、この立場を得ることができたのでしょう。ある本で読みましたが「危機がやってきた時に、その人の本性がわかる」ということが書かれていました。それは何か危機が起こった時に、その人が何を大切にするかによってわかるのでしょう。ニコデモやアリマタヤのヨセフは、キリストの十字架までキリストの弟子であることを、おそらく公表していなかったのではないでしょうか。けれどもキリストがエルサレムに入城して、人々から熱狂的に迎えらえた後に事態が急変した時、弟子たちやまわりにいた女性たちではこの事態を乗り切れないだろうと考えて、彼らはキリストのために働きました。

シャロームの仕事をしていると、この地域から選出された国会議員を含めて様々な立場の方と会う機会があります。彼らも地域の幸せのために貢献したという想いは同じなのです。まずは協力できるところからいっしょに働くこと、そこが彼らと近づくきっかけになるのではないでしょうか。広島三育学院が千葉県から広島へ移転した時に、文書伝道者が当時の町長と親しくなって、そして信頼をしていただき学校を誘致してくださったと聞いています。南米のパラグアイで宣教師として働かれた故栄田祐二牧師は、進出している日系企業が、家族の教育に苦慮されているのを見て、アスンシオン日本人学校の設立に協力し、彼らにアドベンチストの学校の充実の支援をしていただていました。彼らの社会貢献をしたいという想いと、わたしたちの働きをいっしょに進めて行くことは、宣教の第一歩となって行くのではないでしょうか。そして働きが充実して、よりよいサービスを提供することは、お互いのためにもなるのです。

最後に聖書は権力者のために祈るように勧めています。(テモテ第一2:1参照)わたしたちの生活は、様々な法律によって保たれています。日本では信教の自由は守られていますが、もし政府がこの方針を変えたら、わたしたちが自由に信仰を守ることができなくなります。今日、世界で右傾化している政治家が次々と国家の指導者となっています。このことが、今後の世界の流れに影響を与えるかもしれません。日本や世界を動かす人のためにお祈りをして行くこと、これも忘れないようにしなければなりません。