安息日学校部

20220204安河内アキラ解説

2022年第2期「創世記」

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第4   洪水   4月23日

 

暗唱聖句  「人の子が来るのは、ノアの時と同じだからである。」マタイ 24:37

                                           

今週の聖句   創世記 6:13~7:10、2 ペトロ 2:5~9、創世記 7 章、ローマ 6:1~6、 詩編 106:4、創世記 8 章、創世記 9:1~17

                                           

今週の研究   神の後悔は救いの要素も含んでいます。ヘブライ語の「悔い る」に当たる「ナーハム」が、「慰め」を意味するノア(ノーアハ)という名の 中に含まれています(創 5:29)。このように、この邪悪に対する神の態度には 二つの面があります。それは、ある者たちには滅びに至らせる脅威としての正 義となる一方、他の者たちには救いに至る慰めと憐れみの約束ともなるのです。

                                           

日曜日:ノアは単純に、彼が、神がするようにとお命じになったことに 従う信仰を持っていたために救われたのです(ヘブ 11:7)。彼は、服従の中に 示される信仰の初期の模範であり、このような信仰だけが役に立つのです(ヤ コ 2 : 2 0 )。ノアは「主の好意を得」ますが(創 6:8)、それはすでに彼に与えられていた 恵みに対する応答でした。だからこそノアは神の命令に忠実に従ったのです。 これは私たちすべてにとって見習うべき模範ではないでしょうか。

                                           

火曜日:直接の指示は何も受けていませんでしたが、ノアは最初に烏を、次に鳩を地の状態を確かめるために放します。ついに鳩が戻ってこなかったとき、彼は「地上の水は乾いた」ことを知り、「箱舟の覆いを取り外して眺め」ます(同 8: 13)。

このノアの行為は実践的教訓に満ちています。一つは、彼が、神が直接語りかけていないにもかかわらず神を信じたことで、もう一つは、信仰は思考し、試すことの価値を否定しないということです。信仰は思考する義務を排除しません。そして私たちが知ったことが真実であるかどうかを確かめます。

しかしなお、ノアは最後に、神が箱舟を出るようにお命じになって初めて行動します(創8:15 ~19)。彼は箱舟から出ても安全であることを知っていまし たが、なお神に信頼し、神のしるしがあるまで箱舟を出るのを待ちました。「彼は、なお、忍耐強く箱舟の中で待った。ノアは、神の命令に従って入ったように、出るときにも特別の指示を待った。

ついに天使が天から下って巨大な扉を開き、ノアと家族に、すべての動物を伴って出てくるように命じた」(『希望への光』54 ページ、『人類のあけぼの』上巻 106 ページ)。

                                           

水曜日:六日間の創造の直後に確かに神を礼拝したアダムとエバのように、ノアは、それ自身がもう一つの創造である洪水の直後に、神を礼拝しました。しかしな がら、これら二つの礼拝の行為には違いがあります。直接主を礼拝したアダムとエバとは異なり、ノアは犠牲を献げねばなりませんでした。これが祭壇についての聖書で最初の記述です。この犠牲は最も古くから、そして頻繁に献げられた「焼き尽くす献げ物」(オーラー)です。この犠牲はノアにとって、感謝の献げ物であり(民15:1~11と比較)、彼を救われた創造主に対する感謝の気持ちを表すものでした。

                                           

金曜日:今日も同じ状態である。それ自身、正当なことが、過度に行われている。 ……社会の上層部にも下層部にも、詐欺、贈収賄、盗みなどが、堂々とまかり 通っている。新聞の報道は、殺人の記事で満ちている。……無秩序の精神は、あらゆる国家に浸透し、時々暴動が起こって世界を恐怖に陥れるが、これは閉じこめられた激情と無法の火のあらわれで、一度抑制が除かれると、全地に災 禍と荒廃をきたらせることであろう。霊感が示す洪水前の世界の状態は、現代 の社会が急速に近づきつつある状態をあまりにもよく描写している。現在、キリスト教国といわれる国においてさえ、邪悪で恐ろしい犯罪が毎日行われている。そうした罪のために、古代の罪人は滅ぼされたのであった」(『希望への光』 52 ページ、『人類のあけぼの』上巻 100 ~ 102 ページ)。

                                           

今週は、ノアの洪水について学びます。洪水が実際に起こったことを信じるのは、何度も書いていますが、わたしたちは神さまがお命じなったことばですべてのものが創造されたと信じています。それならば洪水も実際に起こったでしょう。また洪水の発生は、創造論の説明のためにも重要ですが、本論から外れるので今日はここまでにしておきます。

ノアの時代の人たちは900歳くらいまでの寿命がありました。経験や学びを積み重ねて、全長100メートル以上の箱舟を作るだけの技術を持っていたのです。そして神さまが洪水を起こされたのは人の心に悪がはびこったからと書かれています。長生きして多くの知恵のある人々が、神さまが滅ぼさねばならないと考えるような罪深い世界だったのでしょう。

その中で、ノアは神さまのことばに全面的に従いました。それはノアの時代、雨が降ったことは無かったのでした。(創世記2:5,6参照) また、洪水が終わって、外へ出た時に、彼は真っ先に貴重な動物の中から犠牲をささげたのです。神さまの命令には、必ず守りがあることを信じていたからこその服従でした。

ノアの洪水は、神さまは罪を見逃されない方であることを教えています。同時に長く忍耐をして待たれます。けれども必ず裁きがやって来て、そこには救いも用意されているのです。その救いは、決して難しいことを求められるのでは無く、箱舟に入れば良いのです。

今日も同じように、天国行きの列車に乗ることを、選ぶように神さまからわたしたちは招かれています。