安息日学校部

20220103安河内アキラ解説

2022年第1期「終わりの時代に生きる」

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第3   約束の子イエス   1月15日

 

暗唱聖句  「この終わりの時代には、御子によって私たちに語られました。神は、この御子を万物の相続者と定め、また、御子によって世界を創造されました。御子は、神の栄光の反映であり、神の本質の完全な現れであって……」ヘブライ人への手紙 1:2、3

                                           

今週の聖句   イザヤ 2:2、3、ヘブライ 1:1~4、出エジプト記 24:16、17、      イザヤ 44:24、 ヘブライ 1:10、ルカ 1:31、32、ヘブライ 1:5

                                           

今週の研究  何人もの旧約の預言者たちが、「後の日」に神は、神の民の敵を滅ぼす王を興し(民24:14~19)、諸国の人々の関心をイスラエルに引きつけると預言しました(イザ2:2、3)。パウロは、これらの預言がイエスにおいて成就したと言っています。彼はサタンを撃ち破り、すべての国々をご自身に引き寄せました( コロ2:15、ヨハ12:32)。この意味において、「終わりの日」はその時、すなわちイエスが神の約束を成就した時に始まったのです。私たちの霊的父祖は信仰を抱いて死にました。彼らはそれらの約束を「はるかに」見て喜びの声を上げましたが、手に入れることはありませんでした。一方、私たちはすでにイエスにおいてそれらの約束の成就を見ています。

                                           

日曜日:神の約束とイエスについて少し考えてみましょう。天の父は神の子らを復活させると約束されました(1テサ4:15、16)。この約束がすばらしいのは、神がイエスの復活と共に神の子らの復活も始められたことです(1コリ15:20、マタ 27:51~53)。天の父はまた新しい創造を約束されました(イザ65:17)。私たちの内に新しい霊的生命を創造することによって、神はその約束を成就されます(2コリ5:17、ガラ6:15)。神は最終的な王国の樹立を約束されました(ダニ2: 44)。神は私たちをサタンの力から解放し、イエスを私たちの王として任命することによって、その王国を樹立されたのです(マタ12:28~30、ルカ10:18~20)。しかしこれは始まりにすぎませんでした。天の父はイエスの初臨によって始められたことを、イエスの再臨によって完成してくださるのです。

                                           

火曜日:ヘブライ人への手紙は、イエスが「神の本質の完全な現れ」であるとも言っています(ヘブ1:3)。この比喩は、その存在と本質において両者の完全な一致を示すものです。人類も神の御像を反映してはいますが、その本質を現してはいません(創1:26)。しかしながら、御子は父なる神の本質を共有しています。イエスが「わたしを見た者は、父を見たのだ」と言われたのも不思議ではありません(ヨハ14:9)

                                           

金曜日:神の子として地上においでになったイエスは、同時にいくつかの役目を果たされました。第一は、天から来られた神の子として、私たちに父なる神を示されました。イエスはその行動と言葉を通して私たちに、父なる神が実際にどのようなお方なのか、なぜ神は、私たちが信頼し、従うに値するお方なのかを示されました。

イエスはまた、ダビデ、アブラハム、アダムに約束された子孫、すなわち彼によって敵を撃ち破り、世界を治めると約束された王としておいでになりました。こうして、イエスはアダムに代わって、人類の頭となり、神が彼らに与えた本来の目的を果たすためにおいでになったのです(創1:26~28、詩編8:4~ 9〔口語訳8:3~8〕)。イエスは、神が常にこの世に望まれた義なる支配者としておいでになったのでした。

                                           

今期はヘブライ人への手紙について学びます。この手紙は、イエスさまが昇天されてから30年後くらい、紀元60年ころに書かれました。この当時のクリスチャンは困難の中にありました。まだ実際にイエスさまに会ったことがあった人も残っていたでしょう。彼らは終わりの時代に生きていると信じて、すぐにイエスさまが迎えに来てくださると信じていましたが、キリストを信じる信仰がゆえに苦しみの中にいたために、再臨の希望も薄れていました。そのような彼らを励ますためにヘブライ人への手紙は書かれました。

ヘブライ人への手紙が全体的に主張しているのは、イエスがメッセンジャー以上のお方であって、イエスはメッセージであり「神の言葉」であることです。(副読本19ページ)そのようなわけで今期の学びでは、ヘブライ人への手紙の中に書かれているイエスさまについて、3課~11課まで学びます。今週は約束の子イエスについてです。

アダムとエバがエデンの園で罪を犯した時に、神さまはすぐに救いの約束を与えられました。そこから彼らは、生まれてくる子どもが救い主ではないかと期待をしました。それから4000年、時が満ちるに及びイエスさまはお生まれになったのです。旧約聖書にくりかえして書かれていた神さまの約束が、イエスさまのご降誕によって成就したのです。そしてこの約束は降誕や昇天で終わりではなく、イエスさまが天にお帰りになって、王として働きを始められ、そして大祭司としてわたしたちの罪を贖ってくださっています。預言は再臨によってわたしたちも天国へ入れて下さる約束へ向かっています。イエスさまが復活され昇天されたのは、預言の成就であり、その預言が確かなことのしるしでもあるのです。パウロは、苦しみの中にある信徒たちに、約束の成就を通して励ましているのです。