安息日学校部

20220101安河内アキラ解説

2022年第1期「終わりの時代に生きる」

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第1   ヘブライ人と私たちへの手紙   1月1日

 

暗唱聖句  神の御心を行って約束されたものを受けるためには、忍耐が必要なのです。」
ヘブライ人への手紙 10:36

                                           

今週の聖句
ヘブライ2:3、4、1 ペトロ 4:14、16、ヘブライ 13:1~9、13、 列王記上 19:1~18、ヘブライ 3:12~14、民数記 13 章

                                           

今週の研究    ヘブライ人への手紙の著者であるパウロは、彼が書いた手紙を「勧めの言葉」(ヘブ13:22)と表現しています。この表現は通常、会堂での礼拝(使徒 13:15)とキリスト信者の〔家の教会〕の礼拝(1テモ4:13)と両方での説教を指す表現でした。したがって、ヘブライ人への手紙は現存する最も古い「完全な形のキリスト教の説教」であると考えられています。ヘブライ人への手紙は、イエスを受け入れた後に、困難の中にあった信者たちに向けて書かれました。 ある者たちは公の場でちょう笑され、迫害され(ヘブ10:32~34)、他の者たちは経済的な問題を抱えており(同13:5、6)、彼らの多くは疲れ果て、信仰に疑問を抱き始めていました(同3:12、13)。今日、私たちの誰がそのような境遇にあるでしょうか。

しかしながら、使徒はこのような奮い立たせる説教の中で、初代教会の信徒たちに対して(そして今も私たちを)、イエスにある信仰を守り、今は天の聖所に おられるイエスを見つめ続けるように強く訴えかけています。

                                           

日曜日:初代教会において神はエルサレムの使徒たちに聖霊を注ぎ、それによって彼らは、他国の言葉で福音を語り、奇跡を行うことができました(使徒2、3章)

聖霊は初代教会の信者たちに罪の赦しの確信を与え、それによって彼らは裁きを恐れることがなく、その祈りは大胆で確信に満ちたものとなり、その信仰経験は喜びにあふれました(使徒2:37~47)。聖霊はまた、悪の力の奴隷となっていた人々を解放しました。これは、神の力の悪の力に対する優位性の拠であり、彼らの人生にすでに神の国が樹立されていることを示しました。

                                           

火曜日:ヘブライ人への手紙の読者たちは、社会の拒絶と迫害にもかかわらず信仰を守り、キリストへの献身を確かなものにしていました。しかしながら、長い目で見ると、このような対立は犠牲を伴うものでした。彼らはよく闘い、勝利を得たのですが、同時に疲弊していたのです。

ヘブライ人への手紙は、手紙の読者たちが引き続き困難の中にあったことを告げています。言葉とその他の手段で彼らの名誉への攻撃も続いていました(ヘブ13:13)。まだ投獄されている信者もいました(同13:3)。おそらく教会は経済的にも心理的にも消耗していたでしょう。彼らは疲れ果て(同12:12、13)、 気力を失いそうになっていました(同12:3)。

勝利の興奮が過ぎ去った後、人間や共同体は心理的に防御のための緊張が緩みます。そして敵の反撃に対して無防備な状態になります。個人や共同体が、差し迫った脅威に立ち向かうことは、二度目のほうがより難しいものです。

                                           

水曜日:ヘブライ人への手紙全体を通して、使徒は読者たちが本来の力と信仰を取り戻すためにさまざまな勧告をしています。彼が強調していることの一つは、 仲間の信者たちの物質的な必要に応えることです。彼は互いにもてなし、獄にいる者たちを訪ねるように勧めます。それは彼らが必要とする物を提供することを含みます。更に読者たちが金銭に執着しないように勧め、神が彼らを置き去りにされないことを忘れないよう訴えます(ヘブ13:1~6)。パウロはまた、信者たちが次第に「押し流され」(同2:1)、「信仰のない悪い心を抱く」(同3: 12)ことのないよう叱咤激励し、信仰の理解を深めるよう勧めます(同5:11~ 6:3)。彼はまた、教会の集会に出席することの重要性を強調します(同10:25)。 まとめると、彼は信者たちに一致団結するよう、互いに励まし合い、愛し合い、そして良き業に励むように勧めます。しかし同時に、イエスと、主の彼らのための天の聖所での奉仕を高く掲げています。

                                           

木曜日:パウロはヘブライ人への手紙の読者に両方の危険を警告しています。第一に、 信仰を堅く保ち、イエスに目を注ぐように勧告しています(ヘブ4:14、10:23、 12:1~4)。第二に、不道徳と貪欲に対して勧告し(同13:4~6)、最後にリーダーたちを見倣い、彼らに従うようしています(同13:7、17)

                                           

金曜日:「気落ちしている者に対して、信頼できる救済策がある。それは信仰と祈りと行いである。信仰と活動は、日毎に増大する確信と満足とを与える。あなたは不吉な予感に恐れを感じ、失望落胆に陥ろうとしているであろうか。一見絶望的で、最悪の事態にあっても恐れてはならない。神を信じよう。神はあなたの必要を知っておられる。神はすべての力を持っておられる。神の無限の愛と憐れみは、消耗することがない。神はその約束をなし遂げられないのではないかと恐れてはならない。神は永遠の真理である。神は、神を愛する人々と結ばれた契約を変更なさらない。そして神は、忠実なしもべたちが必要とするだけの能力をお与えになる。使徒パウロは、次のようにあかししている。『「わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱いところに完全にあらわれる」。 ……だから、わたしはキリストのためならば、弱さと、侮辱と、危機と、迫害と、 行き詰まりとに甘んじよう。なぜなら、わたしが弱い時にこそ、わたしは強いからである』(Ⅱコリント12:9、10)」(『希望への光』454ページ、『国と指導者』上巻 133、134ページ)。

                                           

今期はヘブライ人への手紙について学びます。前期の申命記と同じように、ヘブライ人の手紙から書かれているメッセージを終わりの時代に生きるわたしたちのために読み解いて行きます。

安息日の学びのところで、ヘブライ人への手紙は現存する最も古い「完全な形のキリスト教の説教」と説明しています。信仰の戦いの中にいる初代教会の信徒を励ますためのパウロの説教が著されたものです。

今週の学びは、この手紙の読者である、ヘブライ人の現状について学びます。まず日曜日の学びにありますが、彼らは聖霊の力強い働きによって導かれた人たちでした。けれども引用していませんが、聖書研究ガイドの本文に書かれていますが、新しい教えに対して反対する力が働き、彼らは信仰の戦いに疲れていました。それは列王記上19章に書かれているカルメル山の上でのバアルとの戦いを終えた後に、疲れ果ててしまったエリヤと同じ状態だったと教えています。わたしたちの信仰生活においても、このような状態になってしまうことはあるのです。

水曜日と木曜日、金曜日の引用文は、そのような神さまの子どもたちへ、勧告がまとめられています。くわしくは引用文をお読みください。ここで新しいことが書かれているわけではありません。信仰と祈りに戻ることが一番の方法なのです。人間が消耗して疲れている時にこそ、悪魔は働くのです。だからこそ、神さまに立ち返る祈りと、神さまの声をみことばから聴くことが大切なのです。