第12課 北と南から「麗しい地」へ 3月21日
暗唱聖句 これらの指導者の何人かが倒されるのは、終わりの時に備えて練り清められ、純白にされるためである。まだ時は来ていない。 ダニエル11:35
今週の聖句 ダニエル11章、ダニエル8:3~8、20~22、イザヤ46:9、10、
ダニエル8:9、13、マタイ27:33~50
今週の研究 11章は三つの基本的な点をたどります。第一に、この章はペルシアの王たちで始まり、彼らの運命と終わりの時について説明します。その終わりの時とは、北の王が神の聖なる山を攻撃するときです。第二に、北の王と南の王の戦いの連続と、それらが神の民にどのような影響を与えるかが記されています。第三に、北の王が「『麗しの地』の聖なる山」(ダニ11:45)のそばで終焉を迎えるときに、この章は幸せな結末で終わるのです。このような肯定的結論は、悪の終わりと神の永遠の王国の樹立を示しています。
日曜日:これらの名前、年代、場所、歴史的諸事件の取り合わせから、私たちは何を学ぶことができるでしょうか。第一に、この預言が天の使者によって予告されたとおりに成就したことがわかります。神の言葉は決して誤ることがありません。第二に、神は歴史の主であられることがわかります。私たちは、政治的勢力、指導者、王国の連続は、皇帝、独裁者、さまざまな種類の政治家たちの野心によって進んで行くという印象を受けるかもしれません。しかし聖書は、神が完全に支配しておられ、神聖な目的に従って歴史の車輪を動かしておられることを明らかにしています。その目的とは、悪の根絶と神の永遠の王国の樹立を最終的にもたらすことです。
月曜日:改めて、私たちはこう問うことができます─なぜ主は、世界のこの地域で覇権を争う諸王国を巻き込んだ戦争に関するこういった詳細を、前もって明らかにしておられるのだろうか、と。理由は単純です。それらの戦争が神の民に影響を及ぼすからです。それゆえ神は、御自分の民が今後直面するであろう問題を前もって予告してくださったのです。また、神は歴史の主であり、私たちが預言の記録を歴史的諸事件と比較するとき、預言の言葉が予告されたとおりに成就していることがまたもやわかります。互いに争っていたギリシア地域のこれらの王国の栄枯盛衰を予告された神は、未来を知る神です。私たちが信頼し、信じるに値するお方です。このお方は大きな神であり、人間の想像力で作られた偶像などではありません。神は、歴史的諸事件の進むべき方向を決めることができるだけでなく、もし私たちが望むなら、私たちの人生の方向をも決めることがおできになります。
木曜日:私たちがこの箇所を理解するうえで、次の幾つかの語句が重要です。
「終わりの時」―「終わりの時」という表現は、ダニエル書にしか登場しません(ダニ8:17、11:35、40、12:4、9)。ダニエルの預言を詳しく調べると、「終わりの時」が1798年の教皇制の失墜から死者の復活(同12:2)までの間であることがわかります。
「北の王」―この名前は、最初、地理的にセレウコス王朝を意味しますが、やがて異教ローマを、そして最終的に教皇制ローマを指します。従って、これは地理的場所を表現しているのではなく、神の民の霊的な敵を表現しているのです。加えて私たちは、「北の王」が真の神の偽者をあらわしていることに注目すべきです。聖書の中で、偽者は象徴的に北と結びつけられています(イザ14:13)。
「南の王」―この名前は、最初、聖なる地の南にあるエジプトのプトレマイオス王朝を意味します。しかし、預言が展開するにつれて、神学的側面を持つようになり、ある学者たちはこれを無神論と結びつけています。黙示録11:8におけるエジプトへの言及について、「これは無神論である」(『希望への光』1723ページ、『各時代の大争闘』上巻345 ページ)とエレン・G・ホワイトが述べているとおりです。
「『麗しの地』の聖なる山」―旧約聖書の時代、この表現は、イスラエルの首都であり、中心であり、地理的に約束の地に位置するシオンを指していました。キリストの十字架ののち、もはや神の民は民族的にも地理的にも境界が明確でないので、聖なる山が、世界中に離散した神の民を象徴的に指し示すものであったに違いありません。
従って、たぶん私たちはここでの諸事件を次のように解釈できるでしょう。
①南の王が北の王に戦いを挑む―フランス革命が、宗教を根絶し、教皇制を打倒しようとして失敗する。
②北の王が南の王を攻撃して破る―教皇に率いられた宗教勢力とその協力者が、最終的に無神論の勢力に勝ち、敗北した軍と同盟を結ぶ。
③アンモンの選ばれた者、エドム、モアブはその手を免れる―神の真の民に数えられない人たちの一部が、最後の時にその集団に加わる。
④北の王は聖なる山を攻撃しようとするが、終わりの時を迎える―悪の勢力は滅ぼされ、神の王国が樹立される。
今週は、ダニエル書11章について学びます。10章から続く、最後の預言です。この預言も、それまでに伝えらえた預言と同じ内容で、ペルシャからギリシャ、ローマ、法王教ローマ、そして現代へと時間は流れ、最後にキリストの再臨で善と悪との戦いが終わるという流れです。
11章は難しい章ですが、もし聖書研究ガイドをお持ちでしたら、一週間分を最後まで読んでから、11章を読んでみてください。今週のガイドには預言の解き明かしが、くわしくわかりやすく書かれています。それを読んで聖書を読むと、とてもよくわかります。
今週掲載する引用文については、月曜日と火曜日については、神さまが預言で語られた意図について書かれています。新型コロナウィルスの蔓延で世界中が苦しんでいます。きっといろいろな予定があったけれどキャンセルされたりした方も多いのではないでしょうか。そしてこれからどうなってしまうのか不安から、様々なパニックも起きています。半年前までは、このようなことになると思ってもみませんでした。同じように世の終わりに向けて、わたしたちが想像しないことが突然起こり、そしてそこでパニックになって、わたしたちの信仰を守れないような状況が急に起こるかもしれません。けれどもこの預言を覚えてほしいのです。必ず最後に神さまが勝利されます。そのことをわたしたちが確信できるように預言は書かれたのです。
木曜日は北の王、と南の王の解釈と、これからの諸事件についてまとめられています。ガイドをお持ちで無い方も、木曜日をお読みになってダニエル書11章をお読みください。