第1課 読むことから理解することへ 1月4日
暗唱聖句 「フィリポが走り寄ると、預言者イザヤの書を朗読しているのが聞こえたので、「読んでいることがお分かりになりますか」と言った。 使徒言行録8:30
今週の聖句 ルカ24:25~27、Ⅱペトロ3:11~13、ヨナ3:3~10、民数記14:34、 ダニエル9:23、10:11、12
今週の研究 私たちの教会は、今期の研究対象であるダニエル書のページの中から生まれました。研究を始めるに際して、私たちは研究の指針となるポイントとして次の点を心に留めておくべきでしょう。
第一に、聖書全体の中心がキリストであるように、ダニエル書の中心もキリストであること。
第二に、ダニエル書は、文学的に美しい形で、しかも主要な焦点がわかりやすい形で構成されていること。
第三に、古典的預言と終末論的預言の違いを理解する必要があること。このことは、ダニエルの預言と、イザヤ、アモス、エレミヤたちの預言とを区別するのに役立ちます。
第四に、ダニエル書の時の預言を研究するとき、ダニエル書の預言の概略が長期間に及んでおり、「1 日= 1 年の原則」に従って計算されることを理解すべきであること。
第五に、強調すべきは、ダニエル書が預言の情報を伝えているだけでなく、現代に生きる私たちの個人的生活にも深く関わっているということ。
はじめに:私たちは預言が成就しつつある時代に生きているので、これらすべての王国に関するダニエルの預言が正しかったということもわかります。従って、まだやって来ていない唯一の王国、つまり再臨後の神の永遠の王国に関しても、私たちは神を信じる更なる理由を持っているのです。
なおかつ、私たちは「世界全体の動き」とともに、キリストがいかに私たち1人ひとりの近くにいてくださるかということも確認します。ネブカドネツァル王の夢から、獅子の穴からのダニエルの救出に至るまで、この書は私たちに、神の内在、つまり神が私たちのそば近くにいてくださることを示しています。ダニエルが邪悪なベルシャツァル王に、「(神は)あなたの命と行動の一切を手中に握っておられる」(ダニ5:23)と言ったとおりです。要するに、私たちが今期研究するダニエル書は、数千年前に書かれたときのままなのです。それは、私たちの主イエス・キリストの愛と御品性の力強い啓示です。
水曜日:ダニエル書を研究するとき、預言の時間を「1日= 1年の原則」に従って計算することも心に留めておきましょう。預言における1日は、実際の歴史的時間の1年に等しいということです。それゆえ、例えば、「日が暮れ、夜の明けること二千三百回」(ダニ8:14)は、2300 年を指していると理解します。同様に、70 週の預言(同9:24~27)は490 年と理解します。
この時間の尺度は、いくつかの明白な理由によって正しいと思われます。①幻は象徴的なので、示される時間も象徴的であるに違いないこと。②幻に描かれている諸事件は長い時間をかけて(場合によっては、「終わりの時」に至るまで)起こるものなので、これらの預言に関する期間もそれに応じて解釈されるべきであること。③「1 日= 1 年の原則」は、ダニエル書によって裏づけられること。良い例は70 週の預言で、それはアルタクセルクセス王の時代からメシアとしてのイエスの到来にまで及んでいます。それゆえ、ダニエル書の中に与えられている預言の期間の意味を理解するうえで最も明瞭かつ適切な方法は、「1日=1年の原則」に従ってそれらを解釈することです。
木曜日:ダニエル書は2500 年以上も前に書かれましたが、21 世紀に住む神の民にも依然として深く関連しています。ダニエル書が私たちにとって実際的な価値を持つ三つの領域に注目しましょう。
神は私たちの人生を支配しておられます。
物事がうまくいかないときでも、神は支配しておられ、人間の気まぐれな行動を通じて、御自分の子らに最善を提供するため働かれます。バビロンでのダニエルの体験は、エジプトでのヨセフや、ペルシアでのエステルの体験と似ています。これら3人の青年は外国において囚われの身であり、異教の国の圧倒的力の下にありました。表面的には、この青年たちが弱く、神に見捨てられたように映ります。しかし、主は彼らを力づけ、強力な方法でお用いになりました。試練、苦しみ、反対に直面するとき、私たちは、神がダニエルやヨセフやエステルにされたことを振り返ることができます。私たちは、主が依然として私たちの主であり、試練や試みの中にあっても、これまで私たちをお見捨てにならなかったことに安んじることができるのです。
神は歴史の針路を導いておられます。
私たちは時折、罪と暴力にあふれ、錯綜して方向の定まらないこの世に不安を感じます。しかしダニエル書のメッセージは、神が主導権を握っておられるということです。ダニエル書のいずれの章でも、神が歴史の流れの舵を取っておられるというメッセージが強調されています。エレン・G・ホワイトは次のように述べています。「人類歴史の記録の中では、世界の諸国民の発展や諸帝国の興亡は、人間の意志や勇気に左右されているかのようにみえる。いろいろな事件の形成は、その大部分が人間の能力や野心やあるいは気まぐれによってきまるかのようにみえる。しかし、神のみ言葉である聖書の中には幕が開かれていて、われわれはそこに、人間の利害や権力や欲望の一切の勝ち負けのに、また背後に、あるいはそれを通して、あわれみに満ちた神の摂理が、黙々と忍耐強くご自身の目的を達成するために働いているのをみるのである」(『教育』147 ページ)。
神は、終末時代の御自分の民のために模範となる人を与えてくださいます。
ダニエルと友人たちは、聖書の世界観と対立する社会での生き方の手本としての役割を果たしています。信仰を妥協させ、主に対する献身を否定することになる問題においてバビロンの制度に譲歩するよう圧力をかけられたとき、神の言葉に忠実に留まりました。彼らが主に忠実で、誠心誠意献身した経験は、私たちが福音のために反対や迫害に遭うときに励ましとなります。同時にダニエル書は、国や社会に貢献しながら、主に献身し続けることが可能であることも示しています。
わたしは毎朝、聖書を通読していますが、現在旧約聖書が終わろうとしています。数日前にダニエル書を読みました。旧約聖書の後半の預言書の中で、ダニエル書はあきらかに読んでいる回数がちがうので、通読していても知っている聖句や物語が出てきて、しっかり心に入って行きますね。みなさまにとってダニエル書は、どのような書簡でしょうか。
今週の学びではダニエル書についても概観を学びます。もし聖書研究ガイドをお持ちでしたら、ぜひ今週の学びをお読みになってください。木曜日の学びから引用しました。ここで21世紀にわたしたちにとってのダニエル書の役割が三つ述べられています。①神さまはわたしたちの人生を支配されていること、②神は歴史の針路を導いておられること、③神は、終末時代のご自分の民のために模範となる人を与えてくださいます。ぜひこの三点を考えて、今期の学んでみてください。
聖書を読む時に、今のわたしに適応させることがとても重要です。そうすることによって、あなたへの神さまの言葉となるのです。何回も学んでいるダニエル書かもしれません。何回も学んでいるからこそ、もっと深められるのではないでしょうか。この三ヶ月、神さまがあなたへの語りかけを、ダニエル書から探してみてください。