第9課 サタンと盟友 3月2日
暗唱聖句
「竜は女に対して激しく怒り、その子孫の残りの者たち、すなわち、神の掟を守り、イエスの証しを守りとおしている者たちと戦おうとして出て行った」黙示録12:17
今週の聖句 黙示録13章、黙示録17:8、ダニエル7:24、25、Ⅱテサロニケ2:2~12、黙示録12:14~16、列王記上18:38
今週の研究
黙示録13章は、キリスト教史を通じてなされたサタンの攻撃を更に詳しく説明しており、その攻撃は、いずれも獣として描かれている二つの盟友の助けを得て行われました。サタンの指図のもと、竜とこれら二つの獣は、時の終わりに団結して、神の贖(あがな)いの働きに反対し、この世の忠誠を勝ち取ろうとします。
これらの預言が終末に起こることを教えているとしても、終末の諸事件がいつ、具体的にどのように起こるのかは述べていないということを、私たちは常に覚える必要があります。それゆえ私たちは、預言が語っていることを超えて推測しないように注意しなければなりません。黙示録の預言には実際的な目的(現在をいかに生き、未来にいかに備えるかを教えること)があるということを忘れないようにしましょう。
月曜日:預言的1260日(年)間の海の獣の活動は、「冒瀆(ぼうとく)」という言葉で述べられています。新約聖書において冒瀆とは、神との平等を要求することや(ヨハ10:33、マタ26:63~65)、神の権威を奪うこと(マコ2:7)を意味します。海の獣は、「神を冒瀆し、神の名と神の幕屋、天に住む者たちを冒瀆した」(黙13:6)。神の住まいは天の聖所(幕屋)であり、そこではキリストが私たちの救いのために働いておられます。海の獣は、キリストの執り成しの働きを、救いと、冒瀆の本質である罪や行為の赦しを与えると主張する、人間の司祭職に置き換えることで無効にするのです。神にのみ属するこのような権力を横取りすることが、冒瀆の本質です。
黙示録13章は、キリスト教における大規模な背教の時代を指し示しており、それは、ローマ・カトリック教会が教皇を頭として神の地位と権威を要求したときに成就しました。ローマへの服従を拒んだ者たちは、迫害や殉教を経験しました。今日、こういうことを言うと、厳しいとか、頑迷だとかみなされますが、歴史を消し去ることはできません。ある人たちがどれほどそうしたいと願ったとしても……。
水曜日:しかし、この「獣の像」とは何であろうか。そして、それは、どのようにして造られるものなのであろうか。この像は、2本の角を持った獣によって造られるものであり、先の獣に模した像である。それは、また、獣の像とも呼ばれている。したがって、像が何であり、どのようにして造られるかを知るためには、獣そのもの、すなわち法王権の特徴を研究しなければならない。
初代教会は、福音の単純さを離れて堕落し、異教の儀式と習慣を受け入れた時に、聖霊と神の力を失った。そして、人々の良心を支配するために、世俗の権力の援助を求めた。その結果が、法王権であって、それは、国家の権力を支配し、それを教会自身の目的、特に『異端』の処罰のために用いた教会であった。……米国の主要な教会が、その共通の教理において合同し、国家を動かして教会の法令を施行させ、教会の制度を支持させるようになるその時に、プロテスタント・アメリカは、ローマ法王制の像を造り、その必然の結果として、反対者たちに法律上の刑罰を加えることになるのである。……『獣の像』は、プロテスタント諸教会が自分たちの教義を強制するために公権力の助けを求める時に起きてくるところの、そうした背教のプロテスタント教会を表している」(『希望への光』1809、1810、1812 ページ、『各時代の大争闘』下巻161 ~ 163、165ページ)。
金曜日:黙示録は、安息日が歴史の終わりにおいて服従のしるしになるだろう、と教えています。しかし現時点において、ある人が日曜日を順守していることは、彼/彼女が獣の刻印を押されていることを意味してはいません。私たちはそのことを覚えている必要があります。日曜日順守が「獣の刻印」になるのは、世の中の惑わしや、礼拝日を選ぶことに関する問題をはっきり知っているにもかかわらず、人々が神に従うか、従わないかの選択をしたときです。しかし、その時はまだ未来のことです。
安息日順守によってだれも救われないように、今日、日曜日順守によってだれも失われないことを覚えましょう。しかし、「獣の刻印」が重要な問題となり、礼拝日を選ぶことが忠誠の試金石になる時が、やがて来ます。黙示録は神の民に、聖書を手に取って、内省の精神を持ちつつ預言の言葉を自ら研究し、今日、福音が伝えられていない人たちに福音を伝える努力をキリストのために全力でするように、と訴えています。
先週は黙示録12章を通してサタンの始まりから終末時代へ向けての働きを学びました。そして今週、サタンの影響を受けて終末時代に働く二つの組織について預言されている黙示録13章について学びます。その二匹の獣はローマ法王権とアメリカ合衆国を指していると教えられています。
ここ数十年、冷戦が終結し、そしてアメリカ大統領がローマ法王を歓迎するなど、かつては考えられないようなことが次々起こっています。この流れをどのように考えたらよいでしょうか。今週の研究の引用文に書かれていますが、これか起こることも含めて、政治的なできごとを無理に預言の成就とあてはめるのは注意が必要です。しかし歴史の流れが預言されているとしたら、現在起こっていることが預言の決定的な成就か否かはわたしたちにはわかりませんが、終末に向けての流れが進んでいることだけは確かなことです。
最後に13章18節の「666」についてですが、当時の言葉でローマ法王をいくつかの呼び名があるそうです。彼らは文字で数字を表しました。たとえばIが1、Vが5、Xが10という具合です。ローマ法王のいくつかの呼称の中にある数字を表す文字を足し算すると。どれを使っても666になります。神さまから獣の数字として666とヨハネに明確に伝えられたのでしょう。
大切なことは、何が獣かではなく、わたしたちが神さまに従っているつもりで、獣に従っていないかではないでしょうか。そして、真の礼拝に立ち返るように、黙示録14章に預言は続いて行きます。