第8課 敗れた敵、サタン 2月23日
暗唱聖句
「兄弟たちは、小羊の血と自分たちの証しの言葉とで、彼に打ち勝った。彼らは、死に至るまで命を惜しまなかった」 黙示録12:11
今週の聖句 黙示録12章、創世記3:15、イザヤ14:12~15、ダニエル7:23~25、Ⅱテサロニケ2:8~12、黙示録13:13、14、19:20
今週の研究
黙示録の前半(1~11章)は、キリスト教の全時代を通じて、敵対する世界の中での教会の霊的戦いを描いていますが、残りの部分は、再臨と神の王国に至る諸事件に焦点を合わせています。
12章の目的は、世界史の最後の危機の裏側にある全体像を示すことです。それは、歴史を通じて、キリストとサタンの大争闘がいかに展開してきたのかを示しています。
黙示録12章は、サタンが成功しないという確証を神の民に与えることを意図しています。またこの章は、サタンが心を固めていて、終末時代の神の残りの教会に全面戦争を仕掛けること、また残りの教会の希望と勝利するための力はキリストの中にのみ見いだされるという警告です。
火曜日:疑いもなく、サタンは、地上におけるキリストの大いなる愛の対象(教会)に激しい怒りを注ぐことによって、地上での活動を続けます。しかし教会は、預言期間1260日(年)の間、地上の人里離れた荒れ野の中で神の守りを見いだすのです。
サタンが迫害する期間は、「千二百六十日」(黙12:6)と「一年、その後二年、またその後半年の間」(同12:14)という言葉によって、黙示録12 章の中で二度言及されています。いずれの時期も、ダニエル7:23~25で触れられている小さな角の迫害活動の期間を指します。聖書において、預言的「日」は「年」を象徴し、この預言的時期に最も当てはまる歴史上の時期は、西暦538年から1798年です。この期間中に、教会国家権力としてローマ・カトリック教会が西洋諸国を支配しました。それは1798年までのことで、この年、ナポレオンの参謀長ベルティエがローマの圧制的な力を(少なくとも一時的に)終わらせました。
この迫害の長い期間の中で、竜は女を滅ぼそうと、川のように水を口から吐き出します。水は人々や国民の象徴です(黙17:15)。この時期に、神の忠実な民に対抗して、軍隊や国民がローマによって派遣されました。この預言的期間の終わり頃、友好的な大地がその水を飲み干して女を救い、彼女に安全な避難場所を提供してくれます。これは、宗教の自由とともにアメリカが提供した避難場所を指しているのです(同12:16)。
水曜日:終末時代の残りの者たちは、神の掟を守っています。黙示録13章は、十戒の最初の板が終末時代の対立の中心になることを示しています。十戒の最初の四つの掟の主要な要素は礼拝です。最後の危機における中心問題は、だれが礼拝の対象か、ということです。この世の人々は、獣の像を拝むことを選びますが、残りの者たちは創造主なる神を礼拝するでしょう(黙14:7)。第四条、安息日は、神を私たちの創造主としてはっきり示しており、そのことが、最後の危機の中で極めて重要な役割を安息日が果たすであろう理由の一つなのです。
また、終末時代の残りの者たちの第二の特徴は、彼らが「イエスの証し」を持っていることであり、それは「預言の霊」であると、黙示録19:10が説明しています。この聖句を黙示録22:9と比較することによって、私たちは、「イエスの証し」を持つヨハネの「兄弟たち」が預言者であることがわかります。それゆえ「イエスの証し」とは、イエスがヨハネを通してなさったように(黙1:2)、御自分の預言者たちを通して真理を証しているイエスを指しているのです。黙示録は終末時代に、神の民が「預言の霊」を彼らの中に持っていることを示しています。その霊は、サタンが彼らを惑わし、滅ぼすためにあらゆる努力をする困難な時期の中、彼らを導くためのものです。わたしたちアドベンチストは、エレン・G・ホワイトの働きと著作物の中に、預言的洞察という賜物が与えられました。
木曜日:黙示録12:17 は、サタンがこの世の人々を勝ち取り、キリストの忠実な信者たちをだまそうとする際に、戦術を変えることを示しています。サタンはキリスト教史を通じて、教会内の目立たない妥協や外部からの抑圧や迫害によって神の救いの働きに対抗しました。歴史が示すこの戦術は、何世紀にもわたり成功しましたが、宗教改革と、神の民が聖書の真理を再発見したことによって妨げられました。しかしサタンは、時間が残り少ないことを自覚するにつれ、努力を強化し、終末時代の神の残りの者たちと「戦おうとして」(黙12:17)出て行きます。残りの者たちへの彼の攻撃には、多くの惑わしの要素が含まれます。奇跡や心霊術を行う悪霊が導入されます(同16:14)。サタンの戦術のこのような転換は、〔黙示録の〕焦点が歴史から終末へ移ったことと合致します(マタ24:24)。
「惑わす」という言葉が、サタンの終末時代の活動を描写するために、黙示録12章から20章でよく用いられている点は重要です。黙示録において、サタンの終末時代の活動の描写は、「惑わす」という言葉で始まり(12:9)、「惑わす」という言葉で終わっています(同20:7 ~10)。
今週は黙示録12章を学びます。この章は黙示録前半11章までの歴史の流れを通して語られる預言と、13章からの終末時代に、これから起こることの預言の真ん中にあって、黙示録12章では忠実な民に対するサタンの攻撃について書かれています。
引用文として選んだのは、火曜日は1260年の預言を通して預言の成就したこと、そして神さまがサタンに勝利されたことを学んでいます。水曜日には残りの民に預言の霊が与えられることが約束されています。わたしたちは預言の霊をE・G・ホワイトの働きや著作と信じています。アドベンチスト教会が世界で働きを進められたのは、彼女を通して与えられて光に従っているからです。これも預言の成就ではないでしょうか。
大切なのは木曜日です。サタンの働きは惑わすことです。人生の道は、わたしたちが自分で決めなければなりません。サタンがいろいろなつまずきの石を置くでしょう。また失望するできごとも起こすでしょう。けれども神さまに従うことはわたしが選ばねばならないのです。残りの教会に属しているから救われるのではありません。わたしたちが苦しいことがあっても、神さまを信じて従って行く時に、永遠の約束があなたのものとなるのです。