〈女性1-ナレーター〉
ジンバブエに住む、11歳のラッキーは、教会に行ったことがありませんでした。家族のだれも教会員でなかったからです。しかし、友だちが、教会に行こうと誘ってくれました。
友だちたちと一緒にセブンスデー・アドベンチスト教会に行きました。ラッキーは教会がとても気に入り、お母さんを誘ってみました。
お母さんは来てくれましたが、教会を気に入りませんでした。
教会では、神様を礼拝します。しかし、お母さんは、ジンバブエの多くの人たちのように、先祖を礼拝していて、死んだ先祖と話すことができると思っていたのです。
お母さんはささやきました。「この教会の人たちは、私とは違うことを信じているの?」
「うん。そうだよ」と、ラッキーは答えました。
お母さんは家に帰るまで何も言わず、家に帰るとラッキーを怒鳴りつけました。お母さんは、数日間、毎日ラッキーを怒鳴り、やがて口を聞かなくなりました。ラッキーは教会に通い続けました。
3か月後、お母さんは口を開くと、言いました。「土曜日の朝は、家から出てはいけません」
お母さんは、ラッキーが教会に行けないように寝室に閉じ込め、礼拝が終わった頃にドアを開けました。
お母さんは、ラッキーが神様を信じ続けているのを知ると、彼に何か問題があるに違いないと思いました。なぜ彼が同じように先祖を拝まないのか、お母さんには理解できませんでした。そこで、祈祷師を呼び、ラッキーの問題をみてもらうことにしました。
しかし、ラッキーは祈祷師と話をしたがらず、トイレに駆け込み、ドアに鍵をかけました。
お母さんがドアの外で、怒鳴りました。「なぜ祈祷師と話さないの?あなたの悪いところをみてもらうのよ。」
ドアの向こうからラッキーは、死んだ人と話すことはできない、という聖書の教えを伝えました。
「死んだ人は眠っているから、聞くことも話すこともできないんだよ。どうして僕が嫌なことをさせようとするの?」
ラッキーは一夜を、トイレで明かしました。
翌朝早く、彼はドアを開けて忍び足で部屋に戻ると、毛布をかけて、眠りました。
お母さんは目を覚まし、ラッキーがベッドにいるのを見て、怒鳴りました。「クリスチャンがどうしてこの家にいるの? クリスチャンのところに行って、彼らと一緒に暮らしなさい!」。その日2人は、一言も話しませんでした。
翌日、ラッキーは、教会にはもう行かないと、約束しました。争うのに疲れてしまったからです。
ラッキーは約束を、1年間守りました。しかし、友だちは教会に誘い続け、ついに彼は教会へ行きました。お母さんには話しませんでした。
数年が過ぎ、ラッキーは中学を卒業しました。友だちの1人がアドベンチストの高校に進学することになり、ラッキーも行きたいと思いました。お母さんに許可を求めました。
お母さんは、それがよい考えだとは思いませんでしたが、ラッキーは、アドベンチストの学校には良い先生がいると、説得しました。
入学してわずか1か月後、ラッキーは神様に心をささげ、バプテスマを受けました。お母さんは、最初は動揺していましたが、しばらくすると受け入れたようでした。それから、驚くべきことが起こりました。お母さんが神様に興味を持ったのです。ラッキーは学校から聖書を持ち帰り、一緒に読み始めました。そして、お母さんにもう一度、一緒に教会に行こうと誘いました。お母さんはその誘いを受け入れ、今では毎週安息日に一緒に教会に行っています。ラッキーは、お母さんが心を神様にささげるよう、祈っています。
ラッキーは、ジンバブエのブラワヨにある、アドベンチストの学校から借りた聖書を使って、お母さんに神様の愛を伝えました。今期の13回献金は、ほかの子どもたちが両親に神様を伝える助けとなるでしょう。ジンバブエを含め、アフリカ南部の国の子どもたちに、子ども向けの聖書を届けるために使われます。13回献金のご準備を感謝します!
(ADVENTISTMISSION.ORG)
2025年3期アドベンチスト・ミッション
アドベンチストミッション