コスタリカの暑い午後、8歳のヒッケルは、教会の庭をかけ回っていました。
学校が終わって、友人のロイデンとサッカーをしていたのです。
裸足だと、柔らかな芝生が心地よく感じられました。
ヒッケルはゴールのチャンスと見るや、足をあげ、思い切りボールを蹴りました。
すると突然、足に鋭い痛みを感じました。
足元を見ると、焦茶色に白い縞模様の蛇がかかとをかんでいます。
ヒッケルが恐怖で目をまるくして、「わーーーー!」と叫ぶと、ヘビはヒッケルの足から離れ、草むらの中にスルスルと入って行きました。
足の痛みを我慢して、全速力で家まで走りました。とても怖かったのです。
「お母さん!」「ヘビにかまれた!」とヒッケルは叫びました。
泣き叫ぶ声を聞いたお母さんはすぐに出てきて、ヘビにかまれた跡を見て、怖くなりました。
すぐにお父さんに電話をかけ、家に戻ってきたお父さんは、ヒッケルを診療所に連れて行きました。医師は注射を打つと、心配そうに彼を見つめ、
「気分は大丈夫?」と尋ねました。
顔色が良くなかったからです。実際、彼の気分は良くありませんでした。
ドタン!
気を失い、床に倒れてしまいました。
ヒッケルがどんな蛇にかまれたのか、誰も知りません。ヒッケルの命は助かるのでしょうか?
人々は蛇を見つけるために教会に集まりました。まもなく蛇は、教会の台所裏の草むらの中から見つかりました。
「毒蛇の赤ちゃんだ!」と誰かが叫びました。
ヒッケルにかみ付いたのはコスタリカに住む猛毒ヘビの一種でした。
これは緊急事態です。医師はすぐに救急車を呼びました。
救急車はヒッケルを診療所からリモンの市立病院に運びました。病院に到着する頃には、辺りは真っ暗になっていました。
病院で過ごすことも、足が大きく腫れていることも、怖かったヒッケルは、神様にお祈りしてほしいと、お母さんに頼みました。2人は目を閉じてお祈りしました。「神様、ヒッケルの足をいやしてください。すぐに退院できるように助けてください。」
お母さんは、神様が共におられるから大丈夫、と言いました。
ヒッケルは信じました。
入院して3日目、ヒッケルは元気になりました。彼はとっても幸せでした! 神様がお祈りに答えてくださったからです!
家に戻ると、町中の人がヒッケルの驚くべき回復を知っていました。健康で、幸せそうな彼を見て、誰もが驚きました。
「奇跡だ!」と人々は言いました。
「子どもを守られる神様は、本当にいらっしゃるのだ!」
次の安息日、ヒッケルとお母さんの祈りに神様が応えてくださったことを聞いた9人の人が、教会にやって来ました。その全員が、イエス様に心をささげ、バプテスマを受けました。
ヒッケルは生きていることを感謝しています。
「神様は僕を蛇から救ってくださったのです!」
今期の13回献金の一部は、コスタリカの子どもたちに、祈りの力を教える感化センターを建設するために用いられます。皆様の惜しみない献金を感謝いたします。
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