第9課 律法を実践する 武田 将弥
1.安息日午後
「ファラオ」というのは、エジプトの王様のことです。昔は国の支配者であるファラオがエジプトの法律(国のルール)を、自由に作って決めていました。心の優しい王様であれば、国民が安全で平和な生活が出来るような法律を作ると思います。しかし意地悪な性格をした王様だったらどうでしょう? きっと国民が苦しんでも何も感じない王様ですから、自分たちのことだけを考えて、他の人達が不幸になってしまうような法律を作ると思います。
イエス様は神の国の王様です。神様の国では「愛と正義」が法律です。それは天の神様が望まれる生き方を実践し、家族や仲間たちを自分のことのように大切にすることです。
逆にサタンの支配する世界は「自分のやりたいことを自由にすれば良い」という考え方ですから、そこに住むみんなも自分勝手でワガママです。いつもケンカが起こり、安心して暮らせません。こういう国や人間は絶対に長くは続きませんし、必ず最後にはダメになってしまうので注意が必要です。
2.日曜日:契約の書
出エジプト記20:22から『契約の書(掟)』が出てきます。これは十戒とは別に、細かいルールを分かりやすく説明した掟のことです。たとえば「奴隷」についての掟が21:1~11に書かれています。聖書に奴隷の話が出てきて驚くかもしれませんが、私たちは勝手なイメージで考えたり決めつけたりするべきではありません。聖書によると、奴隷も一週間に一度の安息日にはきちんと休みが与えられましたし、永遠に奴隷として働かされるわけではなく、6年間働いたら本人の意志で、奴隷を続けるか、自由になるかが選べました。このことからも、この掟(ルール)を作られた王様は、愛と正義のお方であることを感じます。
3.月曜日:そのほかの律法
財産についての掟(ルール)や、礼拝やお祭り、国民や外国人に対するルールもたくさん書かれています。
たとえば自分が飼っていた動物が、他の人の動物を怪我や死亡させてしまった場合のルール。泥棒をした場合の償いルール。火事で他の人の畑や持ち物などをダメにしてしまった場合のルール。
そして「孤児・やもめ」を大切に扱うように注意しており、安息日やお祭りについても、神様を大切にする礼拝につながっているので、お祭りに込められた意味を考えて大事にするようにと掟(ルール)に記されています。
4.火曜日:神の当初の計画
神様はカナンの地をイスラエルの人々に与えると約束されましたが、昔からカナンに住んでいた人々はとても邪悪な心をもっていました。神様は悪い心を持った人たちが、心を入れ替えるチャンスを与えて待っておられました。結局のところ神様の約束が実現したのは400年後になりました。
5.水曜日:目には目を
聖書に「目には目を、歯には歯を」(出エジプト記21:24)という言葉が出てきます。これを「同害報復法」といって、もしも誰かにケガをさせてしまった場合に、同じくらいの罰を受けて罪を償うというルールです。そして何か損害を受けた時にカッとなって必要以上のやり返しや、自分自身で勝手な復讐することを防ぐためでもありました。
6.木曜日:復讐
聖書に「愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』」と書いてあります(ローマ12:19)。
ですから私たちは個人的に動くのではなく、神様が決められたルールに従って、相手と自分のために祈ります。それが愛であり神様の御心を実践するという事です。
7.金曜日:さらなる研究
「尊い救い主は、われわれが助けを必要とするちょうどその時に、助けをお送りになる。…主は、魂に平和をもたらすための準備として、争闘が臨むことを許されるのである。悩みの時は、神の民にとって恐ろしい試練である。しかしそれは、すべての忠実な信者にとって、上を見上げ、主を取り巻く約束の虹を信仰によって見る時である。」(『希望への光』1908ページ)
★振り返りの質問★
「自分では復讐せずに神様に任せて、あなたは敵や憎い人を愛しなさい」という聖書の言葉を実践するにはどうしたらよいでしょう? みんなで考えてみましょう。