安息日学校部

第10課 聴覚しょうがい者用 小濱守宏

2023年第4期「神の宣教、私の宣教

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第10課 伝えられていない人々への宣教(その一)  小濱守宏

 

1.安息日午後

今週のポイント

今週は、自分の居心地の良い環境から飛び出して、見知らぬ人々、価値観の違う人々にどのようにイエス様を伝えたら良いのか、パウロの経験を通して学びます。

 

2.日曜日:アテネのヘブライ人

パウロは、神様がアテネに住む人々を救いたいと望んでいることを知っていました。

しかし、アテネという町は、いたる所に偶像があり、また、人間の知恵を頼りにしている哲学を大切している人々が多く住む場所でした。アテネの人々には、真の神様を信じている異邦人やユダヤ人と同じ方法では伝道できないことをパウロは悟り、アテネの人々が集まる広場に行き、情報を集め、研究しました。そしてアテネの人々に伝わりやすい方法を身につけて伝道を試みました。

 

3.月曜日:アレオパゴスのパウロ

神様から使命を与えられたパウロは、生き方や価値観の違う人々が集まる広場に赴きイエスという神を伝え始めます。パウロの話を聞き興味を持ったアテネの人々は、アレオパゴスという裁判所に連れて行きました。人々は、パウロの情熱に満ちた言葉に感動して話を聞く目的でアレオパゴスにパウロを連れて行っただけで、裁判するつもりはありませんでした。

パウロは、聖霊の導きのもとアテネの広場で人々と交わり、アテネの人々の考え方を学び、アテネの人々が分かりやすい方法でイエス様をお伝えしたのです。つまり、イエス様の事をギリシャ哲学ふうに言い換えて伝えたのです。

雑談

(ギリシャ哲学のストア派 エピクテトスの言葉)

「自然は人間に一つの舌と二つの耳を与えた。それは、話すことの倍、他人の言葉を聞くためだ。」

聖書ヤコブ書1章19節(口語訳)

「愛する兄弟たちよ。このことを知っておきなさい。人はすべて、聞くに早く、語るにおそく、怒るにおそくあるべきである。」

聖書とギリシャ哲学の教えは、どこか似ているように見えますが、徹底的に違うのはギリシャ哲学には、神の存在がないという事です。

 

4.火曜日:パウロと知られざる神

パウロは、アテネの人々を認め尊重する態度で接しました。具体的に見てみましょう。「・・アテネの皆さん、あらゆる点においてあなたがたが信仰のあつい方であることを、わたしは認めます。」(使徒言行録17:22)と語りました。

パウロの態度は、人々を気遣い、アテネの人々の幸福を願う人物として良い印象を受けました。具体的に見てみましょう。アテネのいたる所に「知られざる神に」と書かれた碑文(ひぶん:石に刻まれている文章)を会話のきっかけにして、アテネの人々が作った「碑文を知っていますよ。」と共通の話題を見つけ話し始めました。この方法は、相手の心に共感を呼ぶ素晴らしい接し方です。聖霊の働きかけは、具体的です。

 

5.水曜日:新しい神の紹介

パウロは、アテネの人々と仲の良い関係を作りました。アテネの人々は、パウロが伝えたい事を聞く準備ができました。そして、パウロは本当の神様を伝えました。

パウロは、「全てのものは、私が伝える神が創られた。そして、その神は、人が作った神殿には住みません。私の伝える神は全ての命と必要なものを全て与えてくださるお方です。」と語りました。アテネの人々は、それを聞いて本当の神様を信じる一歩を踏みだしました。

〈パウロがアレオパゴスの広場で演説したまとめ〉

①アテネの人々の神様を求める誠実さをほめました。

② パウロは、アテネの人々の信仰心を観察して尊敬できるところを見つけ、伝えました。

③ パウロは、アテネの人々の宗教を研究し、足りないところを教えました。

④ アテネの人々が知らない本当の神様は、そば近くにいると伝えました。

⑤ 本当の神様を受け入れないと永遠に滅んでしまうことを警告しました。

パウロの伝道方法は、相手に寄り添い、相手を知り、相手を理解して、分かりやすい言葉でイエス様の愛を伝える事です。

 

6.木曜日:一線を越える

パウロは、非常に効果的な方法でアテネの人々の心を掴みました。パウロは、聖書の考え方とアテネの人々の考え方や信仰心の共通点を見つけて聖書の真理であるイエス・キリストの復活と天国の希望を教えました。アテネの人々に聖書を理解してもらうためにパウロは、ギリシャの詩人の作品も使いました。パウロは、本当に柔らかい考え方を持っていました。

パウロは、聖書の真理を伝えるために努力しました。しかし、全ての人が導かれたのではありません。真理を拒み、パウロをバカにする人もいました。人に嫌われることは辛いことですが、パウロは、大切なメッセージを多くの人に伝えることができました。これはとても重要なことです。救いの選びは、伝える側でなく、メッセージを聞いた人にあります。私たちもパウロの方法を用いて伝道するならば、神様の奇跡を見ることができるかもしれません。

 

7.金曜日:まとめ

今週は、パウロを通して効果的な伝道方法を学びました。まず、私たちは、居心地の良い場所から飛び出して、イエス様を伝えたい人々の価値観や文化を研究するためにアレオパゴス(証の場)に向かいます。パウロがアテネの人々に接したように相手の素晴らしいところを認め誉めます。そして良い関係が築けたときに惜しげもなく聖書の素晴らしさを伝えるのです。

パウロは、アレオパゴス(証の場)に行って、イエス様を伝えました。神様、お祈りします。「私もパウロと同じようにアレオパゴスに向かう勇気と知恵をください。」