第8課 荒海から天の雲へ 下地英樹
- 今週のポイント
①今週は、ダニエル書7章を学びます。
②7章の幻は、ダニエル書2章の夢とよく似ており、2章で明らかにされたことをさらに発展させています。
③ダニエル書7章には4つの獣が登場します。
獅子…獅子はバビロンをあらわしています。(ダニエル書2章では金の頭)
熊…熊はメディアとペルシアの帝国をあらわしています。(ダニエル書2章では銀の腕と胸)
豹…豹はアレクサンダー大王が樹立したギリシア帝国をあらわしています。(ダニエル書2章では銅の腹と腿)
獣…最後にものすごく、恐ろしい獣が登場します。10の角を持つこの獣は、先に登場した獣たちよりも残酷で、強欲にも見えます。これは異教ローマをあらわしています。(ダニエル書2章では鉄のすね)
④第4の獣から「小さな角」が登場します。小さな角は以下の特徴を持っています。これらに該当するのは、ローマ教皇であり、ローマ教皇権です(『よくわかるダニエル書』p.58、59より)。
- 立ち上がる場所:ローマ帝国。
- 立ち上がる時:ローマ帝国が10の角に分けられたあと。
- 立ち上がる環境:10の角の間。
- 立ち上がる時に起きること:3本の角が抜け落ちる。
- 形態:10の角と同じ王国。
- 10の角と異なる点:10の角と同じ王国であるが、役割と主要な関心事が宗教に特化する。
- 特徴:人の目のような目と大きな事を語る口。
- 宗教的な特性:大胆な言葉で神に敵対する、神の民を迫害する、神の時と律法を変更する。
- 活動期間:ひと時、ふた時、半時の間。
- 最後の運命:統治権が奪われて終末に至る。
⑤「ひと時、ふた時、半時」とは、「1日=1年の原則」(エゼキエル書4:6、民数記14:34)に従えば、1260年になります。この間に、小さな角は神に対して攻撃を始め、聖者らを迫害し、神の律法を変えようと試みます。これは教皇権が確立された538年から、ナポレオンによって教皇ピウス6世が投獄され、教皇権が失墜した1798年までの期間です。
⑥小さい角の後に、ダニエルは天における裁判の光景を見ます。裁判が開かれると、王座が据えられ、「日の老いたる者」がそこに座りました。この裁判に関して注目すべきことは、それが小さな 角の活動期間(1260年)後、神の最終的な王国の樹立前になされている点です。これは、再臨前審判を表しています。
⑦ダニエル書7:13には「人の子」が登場しますが、これはイエス・キリストを示しています。
⑧「いと高き者の聖徒ら」とは神の民の称号です。彼らは迫害に遭いますが、最終的には勝利します。
- ディスカッションのテーマ
①ダニエル書7章の預言について考えてみてください。なぜ預言が与えられたのでしょうか?
②第4の獣について考えてみてください。
③小さな角の特徴について考えてみてください。