安息日学校部

第6課 聴覚しょうがい者用 池増 益男

2025年第4期「ヨシュア記に学ぶ信仰の教訓
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第6課  内なる敵(11月8日)  池増 益男

 

1.安息日午後

[暗唱聖句]
心を探り、そのはらわたを究めるのは/主なるわたしである。それぞれの道、業の結ぶ実に従って報いる。(エレミヤ17:10、新共同訳)

今週は、ヨシュア記第7章と8章から学びます。イスラエルの民はアイの町を攻撃することになりましたが、大きな問題にぶつかりました。それはアイの町が丈夫な厚い塀で囲まれていたからではありません。また敵軍(アイの軍隊)の作戦(戦いのしかた)がイスラエルよりも優れていたからでもありませんでした。その大きな問題はイスラエルの民の中に隠されていた罪だったのです。

 

2.日曜日:契約違反

 まず、ヨシュア記7章を読んでください。
イスラエルがアイの住民に負けてしまった二つの大きな原因は何だったでしょうか?
①アカンの罪(貪欲の罪)※貪欲=欲深いこと
アイの前にエリコの町を滅ぼした時、神様はイスラエルの民に言っておられました。
「金、銀、銅器、鉄器はすべて主にささげる聖なるものであるから、主の宝物倉に納めよ。」(ヨシュア記6:19 新共同訳)

しかし、アカンはその一部を盗み、自分のテントの中に隠していたのです(ヨシュア記7:21)
〇なぜアカンの罪がイスラエル全体の敗北につながったのでしょうか。それは個人とイスラエルの民全体は一つの体として結ばれていたからです。お互いに影響し合う関係でした。
②イスラエルの民は、アイの町はエリコよりも小さいから3000人で攻め落とせると考えて神様に相談しようとしませんでした。自分たちの力と判断に信頼したのです。

 

3.月曜日:アカンの罪

神様はアカンの罪を明らかにするためにどんな方法をとられましたか。
ヨシュア記16〜19節を読んでください。           
①イスラエルを部族ごとに進み出させる 
②ユダ部族がくじに当たる
③氏族ごとに進み出される(ゼラの氏族にくじが当たる)
④家族ごとに進み出させる
⑤男一人一人が進み出る(アカンがくじに当たる) 
  
神様はこの方法を通して、犯罪者(アカン)だけでなく、罪のない人も明らかにされました。
これが公正な裁判だったのです。またヨシュアがアカンに「わたしの子よ」と呼びかけたのは、この裁判は憎しみではなく、憐れみをもって行われたことがわかります。それは神様が私たちの心の中の罪や行いを裁かれるときの神様の心の愛と優しさをも表しています。

 

4.火曜日:運命を決める選択

ヨシュア記7:19〜21を読んでください。
アカンの罪の告白は、ちょっと見たところでは悔い改めの告白のように見えますが、そうでなく、罪の言い訳だったのです。アカンは美しい衣、金や銀を欲しがる罪はまだ心から消えていなかったのです。もし彼が心から罪を悔いていたら、もっと早く、イスラエルがアイに敗北した時、そのあと厳粛な調査が始まった時に、「わたしが罪を犯しました」と進み出て罪を告白していたのではないでしょうか。ですからアカンの最後の告白は、悔い改めではなく、後悔だったのです。
私たちも聖霊が罪を示してくださるとき、悔い改めを延ばさないようにしましょう。

 

5.水曜日:希望の門

ヨシュア記8:1〜29を読んでください。
アカンの罪が裁かれ、ヨシュアや民が自分の力や判断に頼ることをやめて、熱心に神に祈り、神に頼ったとき、神はどう戦ったら良いかを教えてくださり、アイに勝利することができました。
「あなたたちの神、主は町をあなたたちの手に渡してくださる。」とあるように、神ご自身がイスラエルの過去の失敗を勝利に変えてくださったのです。こうして「苦悩、災いの谷」と呼ばれた「アコルの谷」(ヨシュア記7:26)は「希望の門」(ホセア2:1[口語訳])に変わったのです。
私たちの失敗を勝利に変えてくださる神に感謝し、神をほめたたえましょう。

※6絶滅されざるをえない:滅ぼされて当たり前

 

6.木曜日:神の力の証人

ヨシュア記7:6〜9を読んでください。
イスラエルの3000人がアイに攻め上ったとき、数十名が敵に殺され、全員がアイの人々の前から逃げ出しました。これを聞いたヨシュアは衣服を裂いて神様の前にひれ伏して言いました。
「ああ、わが神、主よ。なぜ、あなたはこの民にヨルダン川を渡らせたのですか。わたしたちをアモリ人の手に渡して滅ぼすおつもりだったのですか。・・・主よ、イスラエルが敵に背を向けて逃げ帰った今となって、わたしは何と言えばいいのでしょう。カナン人やこの土地の住民は、このことを聞いたなら、わたしたちを攻め囲んで皆殺しにし、わたしたちの名を地から断ってしまうでしょう。」(ヨシュア記7:7〜9上句)

ここで終わっていたら、これまで何度も不平をつぶやくイスラエルの民と一緒です。しかしヨシュアはここで終わりません。
「あなたは、御自分の偉大な御名のゆえに、何をしてくださるのですか」と神に訴えました。神の偉大な御名、神の栄光のために立ち上がってくださいと神に訴えたのです。こうして神は勝利のために何をすべきかをヨシュアに教えられたのです。

私たちもどうにもならない状況に立たされた時に、ヨシュアのように神の栄光のために「何をしてくださるのですか」と祈りましょう。そして神の力の証人にしていただきましょう。

 

7.金曜日:さらなる研究

ホワイト夫人の『人類のあけぼの』(45章)の文章を読んでアカンの告白が、本当の悔い改めの告白か、後悔・言い訳かを考えましょう。

⚫️話し合いのための質問
①アカンが罪を犯した十戒の第十条(出20:17)の意味について話し合ってみましょう。

私たちの周りには誘惑となるようなものがたくさんあります。欲しいものと必要なものとをどのように区別したら良いかを考えてみましょう。