安息日学校部

第2課 聴覚しょうがい者用:松下晃大

2020年第2期「聖書をいかに解釈するか」(神の言葉の理解の仕方) 

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第2課  聖書の起源と性質  松下晃大

 

1.安息日午後

聖書を正しく理解するとき、聖書は私たちの人生や教会生活の中で果たす役割に大きな影響を及ぼします。聖書を正しく理解するために、大切なことがあります。①聖書の示す原則に従って聖書を読むことです。②信仰を持って聖書を読むこと、です。聖書を読む時、自分の考えや経験ばかりに頼っていては、聖書を正しく理解できないかもしれません。また、聖書に書いてあることは本当にそうなのかな?と疑問に思ってばかりいても、聖書を正しく理解できないかもしれません。神様は私たちに聖書を通して必要なメッセージを与えてくださっているのだと信仰を持って聖書を読んでいきたいと思います。

 

2.日曜日:聖書の神の啓示

聖書は他の本とは異なります。聖書は、「人々が聖霊に導かれて神からの言葉を語ったものだからです」(2ペトロ1:21)。聖書の起源は神様にあります。それゆえ、聖書は真実であり、信頼できるのです。聖書は神様の直接的な言葉ですので、特別で神聖なものです。ですので、私たちは聖書を大切にしますし、聖なる書物として聖書を読みます。

聖書は実用的な目的のためにも与えられました。「聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。こうして、神に仕える人は、どのような善い業をも行うことができるように、十分に整えられるのです」(2テモテ3:16,17)。聖書には私たちの生活の中でとても役に立つ教えがたくさん書かれています。私たちが聖書の言葉を正しく理解し、生活の中で適応するために、聖霊の助けが必要です。聖霊の助けを求めつつ聖書を読む時、私たちは神様の神聖な言葉を理解することができます。

 

3.月曜日:霊感の過程

「聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ」(2テモテ3:16)ています。聖書は最初から最後まですべての箇所を聖霊の働きの中で記されたのです。たとえ、私たちが難しいなと思ってしまう箇所があったり、今の自分には必要ないメッセージだと思えたりしてもです。ですので、私たちは聖書のすべての箇所を、聖霊の助けを受けながら学ぶ必要があります。パウロは、「かつて書かれた事柄は、すべてわたしたちを教え導くためのものです。それでわたしたちは、聖書から…希望を持ち続けることができるのです」(ローマ15:4)と述べています。

 

4.火曜日:書き記された神の言葉

「主はモーセに言われた。『これらの言葉を書き記しなさい。わたしは、これらの言葉に基づいてあなたと、またイスラエルと契約を結ぶ』」(出エジプト34:27)

神様は人間にメッセージを語られた時、同時に書き記しなさい、とお命じになりました。それは、私たちが神様のメッセージを忘れないためです。書き記された文章はより良く保存でき、口で伝えるメッセージよりもはるかに信頼できます。また、書き記された文章は、繰り返し書き写すことができ、たくさんの人に伝えることができます。神様はこの世界の最初からメッセージを書き記すように命じられ、今に至るまで残っています。神様の言葉が書き記されて残ってきたことは私たちにとっても祝福となっています。

 

5.水曜日:キリストと聖書の類似点

肉となった神の言(イエス・キリスト)と、書き記された神の言葉(聖書)との間には、類似点があります。

①イエス様は、聖霊によって胎内に宿られたものの、女マリアからお生まれになりました。同じように聖書も、神様に起源を持ちながらも、人間を通して書き記され、生み出されました。

②イエス様はある特定の時代に、ある特定の場所で生きられました。しかし、イエス様はすべての民にとってあらゆる時代を通じて、唯一の贖い主です。同じように聖書も、ある特定の時代に特定の文化の中で与えられましたが、そのメッセージは特定の時代や場所に限定されません。

③イエス様は神様を伝えるために、人間のレベルへ降りてくださいました。人間としてのイエス様は罪を犯す可能性を持っていましたが、罪を犯されませんでした。同じように聖書も、神様の言葉が人間のレベルに降り、聖書は人間の言葉で書かれています。人間の言葉には限界がありますが、神様は私たちに誤解を与えない信頼できる方法で、私たちにメッセージを届けることがおできになります。

もちろん、イエス様と聖書の対比には限界があります。イエス様と聖書はすべてが全く同じではありません。私たちが聖書を大切にするのは、その中に記されている救い主を、私たちが礼拝するからです。

 

6.木曜日:信仰によって聖書を理解する

あらゆる真の学びは、信頼(信仰)を背景になされます。子どもが新しいことを学ぶのは、両親に対する彼らの絶対的信頼のゆえです。同じように、私たちが聖書を読む時、神様への絶対的信頼を持って読むことが大切です。疑いの態度をもって聖書を扱うと、正しく理解することができません。パウロは「信仰がなければ、神に喜ばれることはできません」(ヘブル11:6)と書きました。それゆえ、聖書をただの本だとみなすのではなく、神様の言葉であることを認め、信仰によって扱うことが大切です。

 

7.金曜日:さらなる研究

聖書は私たちの人生や教会生活に大きな影響を与え、信仰を育む上で必要不可欠なものです。それゆえに、聖書を正しく理解して、その教えを守ることが大切です。ぜひ、聖書を読む時には聖霊の助けを求めて読んでいただきたいと思います。聖書を書き記した時に働いた聖霊は、必ず私たちが聖書を開くときにも働きかけ、助けてくださいます。

今、世の中はコロナウイルスの影響で大変なことになっています。教会も多くは安息日のプログラムをお休みしています。そのような中、私たちは自分自身で信仰を守り、信仰の火を燃やし続けなければなりません。そのためにも、今まで以上に聖書に立ち返り、読んでいきたいと思います。聖霊の導きを受けながら、神様が今私たちにくださるメッセージに耳を傾けたいと思います。

 

話し合いのための質問

・聖書を読んでいて、神様の臨在を感じたり、はっきりとしたメッセージを受けたことがありますか? あなたの経験を分かち合ってください。

・神様はなぜ、ご自身とみ心を私たちに示してくださるのですか。私たちはなぜ、神様の啓示を必要とするのですか。