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第2課 エルサレムからバビロンへ 小濱 守宏
1.安息日午後
ダニエル書は、ネブカデネザル王が率いるバビロン帝国に南ユダ王国が戦争で負けてしまうところから始まります。実は、捕囚という辛い経験を通して、忠実とはどういうことかを学ぶように神様が計画した出来事だったのです。
もし、私たちが南ユダの住人でバビロンに連れて行かれたらどんな気持ちになるでしょう? 神様の計画はなかなか理解できませんが、今週は、ダニエルと3人の仲間たちを通して忠実について学びます。
2.日曜日:神の主権
戦争に負けるという事は、自分たちの町や人間関係が引き裂かれて破壊されるという事です。神様が住んでくださっていた神殿も燃やされ、大切な礼拝の道具も盗まれてしまい、まるで本当の神様の国よりも偶像を拝んでいる国が強いように見えます。
なぜ、こんな事が起きたのでしょうか? それは、ユダの王様ヨヤキムがエジプトに税金を払ったり、神様が預言者エレミヤに与えた預言の手紙をヨヤキム王が燃やしたり(エレミヤ36:23)と、悪を行ってばかりいたからでした。また、ユダの国民も同じように自分勝手に生き、神様の守りの内から離れた結果、起こった出来事なのです。
ダニエル書を読み進めていくと、ユダ王国を滅ぼしたバビロン帝国も実は、神様がちゃんと支配し、コントロールしていることがわかります。何故なら、神様に忠実に従っているダニエルとその仲間たちが殺されそうになった時に、必ず救いの手を差し伸べ、また、忠実に従っている人たちを祝福したからです。この事は神様がすべてをコントロールしている証拠ではないでしょうか。
3.月曜日:圧力下の信仰&火曜日:揺るぎない決意
バビロンという国は、人を都合よく使う為に暴力や脅かしで人を洗脳していました。その方法は、①捕囚になった人の名前を変えることです。これは神の民、アブラハムの子孫をやめて、バビロン人になりなさいという意味です。②次にネブカデネザル王と同じ食べ物、偶像に供えられた食事、聖書で禁じられていた食べ物を与えられました。この意味は、本当の神様を捨てて、バビロンの偶像を拝むように、そして『食べ物を与えるのはネブカデネザル王だ、生きていけるのは王様のおかげなのだから命令に従え』という意味です。
ダニエル達は、名前が変えられるのは受け入れましたが、神様の宮である体を汚す事は受け入れませんでした。聖書に書いてある通り、神様に忠実に従いたいという気持ちから役人にこう頼みました。「野菜と水を下さい」と。この事は役人の立場上なかなか難しい事です。そこで、役人がダニエル達の提案を受け入れ易くする為に10日間という期限をつけました。何よりも神様に従うという事を一番にすることによって、神様が働きやすい道を開いたのです。この決意はどこから生まれてきたのか続きを調べてみましょう。
4.水曜日:身に傷がなく、賢明な
ダニエル達は、ネブカデネザルの住む宮殿の働き人に選ばれました。きっと、すごい競争率だったと思います。「身に傷がない」(ダニ1:4)、そして、頭も容姿も素晴らしいことが宮廷で働く基準となりました。まるで、聖所でささげられる動物の様です。もしかすると、ダニエル達は、自分が生きた供え物となる覚悟で宮殿で働いていたのかもしれません。
ダニエルとその友人達は、神様に忠実に従っていく事を一番にしました。その結果として、神様は、健康や知識、いろいろな事を学ぶ能力を与えてくださいました。特にダニエルには、「すべての幻と夢を解く」賜物を与えました。
ダニエル達は、ガラテヤ2:20にあるように「生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです。……」とあるように自分の命を献げるほど、神様が好きで好きでたまらなかったのかもしれません。だから、悪いことや神様が嫌う行いの多い宮廷でも誘惑に負けることなく、神様のメッセンジャーとして働くことができたのです。
5.木曜日:最終試験
「あなたがたの中で知恵の欠けている人がいれば、だれにでも惜しみなくとがめだてしないでお与えになる神に願いなさい。そうすれば、与えられます。」(ヤコブ1:5)とあるように、ダニエル達は素直に神様に知恵を求めたのだと思います。それほど、神様との関係が密接だったのです。信頼という言葉がぴったりです。信頼とは、自分が願っているものであろうが、別のものであろうが神様は私の幸せの為に全てを準備してくださっている、たとえ困難や悲しい事があっても、神様は私を愛してくださっていると信じ続けることではないでしょうか。だからこそ、自分に都合が悪かったり、殺されたりするかもしれない状態でも、神様の道を選ぶという強い決意を持つ事ができたのではないでしょうか。
6.金曜日:さらなる研究
南ユダ王国が戦争に負け、ダニエルとその仲間3人は、神様の都エルサレムからバベルの塔のあったと言われる場所(シンアル)、バビロン帝国に連れて行かれました。悲しい出来事ですが、実はそれが神様の計画の第一歩だったのです。ダニエル達は、バビロンの地で神様の祝福を証するメッセンジャーとして働き始めます。また、ダニエル達は、自分の命より聖書の教えを第一とする忠実な信仰を示しました。ダニエルと仲間たちは、神様がこの世界や歴史を支配してくださっているという安心から、神様にすべてを任せたいという強い信仰が育ったのかもしれません。ダニエル達の信仰を手本として、聖書の教えを実践したいと願う時に忠実という実があたえられるのでしょう。
神様は、本当に世界や歴史を支配しているのか今期のガイドを通して確認してみましょう。