安息日学校部

第2課 聴覚しょうがい者用 吉村 忍

2023年第4期「神の宣教、私の宣教」

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第2課 私たちに対する神の宣教(その2) 吉村 忍

 

1.安息日午後

神が宣教の神であるという主題は、聖書全体を貫いています。それは人類の歴史をつなぐ糸であり、被造物に対する神の目的を示しています。さらに、神の啓示を、罪に堕ちた子らを神の姿に回復するという一つの主要な焦点に集約するものです。

神の宣教はまた、私たちが神の言葉を読み、理解するための背景としての役割も果たします。私たちは聖書を読む時、意図的に私たちに手を差し伸べておられる神を知ることができます。

神は聖書の中に、ご自分の宣教がいったいどのようなものであるかがわかる基本的な要素を与えておられます。

 

2.日曜日:三位一体の神 宣教の起源

神は地球の基礎を築く前から人類に手を差し伸べることを計画し、この目的を果たすために、意図的に人類の歴史に介入されました。

聖書の御言葉は、宣教の起源が三位一体の神様のお働きにあることを私たちに教えています。御子イエス・キリストはこの世を創造し(ヨハネによる福音書1章3節)、「時が満ちると」(ガラテヤ人への手紙4章4節)、父なる神様はイエス・キリストを世に遣わすことによって愛を示されました(ヨハネによる福音書3章16節、17節)。イエス・キリストがこの世に来られ、私たちの罪の身代りとなって十字架上で命をささげてくださいました。しかし、その後イエス・キリストは死よりよみがえられ、死に勝利なさいました。そして、父なる神様から遣わされた聖霊の神様が来られ(ヨハネによる福音書14章26節、16章7節)、この世の誤りを明らかにし(ヨハネによる福音書16章8節~11節)、今日、神の民を力づけ、宣教に送り出すことによって、父なる神様と御子イエス・キリストの宣教を継続しておられます(ヨハネによる福音書14章26節、16章13節、14節)

三位一体の神様は、魂を救うために一致協力して働いておられます。

 

3.月曜日:弟子をつくる 宣教の焦点

マタイによる福音書28章18節~20節に、「大宣教命令」が記されています。「大宣教命令」は、イエス・キリストが天に昇られる前に弟子達に命じられたことです。イエス・キリストは、「行って」「弟子にしなさい」「バプテスマを授け」「教えなさい」とおっしゃいました。この4つの中で最も重要なのは、「弟子にしなさい」ということです。

「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。」(マタイによる福音書28章19節)。弟子作りは、大宣教命令の最も優先される事項であり、宣教の主要な任務です。

イエス・キリストが弟子達に命じられた「大宣教命令」は、終わりの時代の神様の働きを任されている私たちに対する命令でもあります。私たちは、「キリストの弟子にする」ために出て行かなければなりません。私たちは、「キリストの弟子にする」ためにバプテスマを授けなければなりません。私たちは、「キリストの弟子にする」ために教えなければなりません。

 

4.火曜日:永遠の福音 ― 宣教メッセージ

聖書の中で、「永遠の」と「福音」という言葉が結びつけられているのはヨハネの黙示録14章6節、7節だけです。福音とは、イエス・キリストを通してすべての人に提供される恵みの良い知らせです。イエス・キリストは、「恵みと真理」(ヨハネによる福音書1章14節)を示すためにこの世に来られました。彼は、罪のない人生を送り、私たちの罪の罰を受けるために、身代わりの犠牲として十字架上で死なれました。そして、復活し、天に戻り、父なる神によって高められ、今日、天の聖所で私たちのために執り成してくださっています。キリストはまもなく、威厳と栄光のうちに再臨し、最終的には千年期の後、神の王国を地上に樹立するという最大の約束を果たされます。これらはすべて、永遠の福音の本質的な現実です。

 

5.水曜日:神の民 ― 宣教の通路

アブラハムとその子孫たちと交わされた神の契約には、具体的な目的がありました。彼らは神の宣教の代理人として、つまり国々へ祝福をもたらす者として召され、造られ、任務を与えられました。しかし、彼らは信仰と従順という暗黙の条件に基づいて、神との契約関係の中で選ばれたのです。このように、周辺諸国をイスラエルに引き寄せる過程が、旧約聖書における神の「宣教戦略」でした。

新約聖書でも、神の宣教は継続されます。復活された救い主は、新たな「宣教戦略」(マタイによる福音書28章18節~20節、使徒言行録1章8節参照)を開始されました。それは、教会を構成するキリストの弟子たちが、古代イスラエルのように人々が自分たちのところに来るのを待つのではなく、全世界へ宣教のために出て行く戦略です。

「キリストの教会の使命は、滅びゆく罪人を救うことである。神の愛を人々に知らせ、その愛の力によって人々をキリストのもとに導くことなのである」(『教会への証』第3巻、381ページ、英文)。

 

6.木曜日:この世 宣教の場

「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる」(使徒言行録1章8節)。イエス・キリストが弟子たちに語られたこのメッセージは、同時に私たちにも語られています。イエス・キリストのこのメッセージは、私たちに3つの宣教の場があることを教えています。

〇領域1:「エルサレム」

当時、弟子たちはエルサレムにいました。イエス・キリストは「神とのあなたの体験を身近な人に伝え始めなさい。」とおっしゃいました。宣教の最初の領域は私たちが今いる所です。対象は、家族、隣人、友人です。

〇領域2:「ユダヤとサマリアの全土」

私たちの宣教は、近くにいながら、同時に遠くに離れている人々も含まれます。宣教の領域は広げられていく必要があります。

〇領域3:「地の果てに至るまで」

神の宣教使命は、私たちがあらゆる場所、国民、民族に手を差し伸べるよう求めています。

これは私たちの究極の宣教の場です。

 

7.金曜日:さらなる研究

「『あなたがたは世の光である』という救い主の言葉は、救い主が弟子たちに世界的な使命を託されたという事実を示している。太陽の光が地球の隅々まで届くように、神は福音の光が地上のすべての魂に届くように計画しておられる。もしキリストの教会が主の目的を果たしているならば、暗闇や死の陰の地に住むすべての人に光が射し込むだろう。」(『アドベント・レビュー・アンド・サバス・ヘラルド』1912年11月14日号)。

 

【チャレンジ】(木曜日のページに記載)

今週、毎日、あなたが住んでいる地域のために祈りましょう。神は理由があって、あなたをそこに置かれたのです。