2020年第1期「ダニエル書―主イエス・キリストの愛と品性の啓示」
第13課 塵から星へ 藤田佳大
- 今週のポイント
- 第13課の中心となっているダニエル書12章は、非常に美しい章です。1節を読みますと、「その時」という人類史上最も苦しい患難の時代を私たちは通らなければなりませんが、ミカエル(キリスト)が立つことによって、「あの書」(いのちの書)に名前が記された人々は救われるとあります。私たちが預言の学びに目を向けるとき、終末に起こる諸事件にばかり目を向けがちですが、大切なことは「あの書に名をしるされた者は皆救われます」(12:1、口語訳)という約束を忘れないことです。このメッセージは、すべての時代を生きてきた人々の大きな慰めとなり、励ましとなり、力となりました。この美しいメッセージで12章は始まります。
- ダニエル書12章におけるもう一つの励ましは「復活」です。2節には、眠りから目覚め、永遠の生命に入ると約束されています。これははっきりとした、復活の教えです。私たちは罪の結果いつかは死ななくてはなりませんが、その死は一時的な眠りで、ミカエルが立つとき、地の塵の中で眠った人々は目を覚まし、キリストと共に御国へと上げられます。これも1節同様に、各時代の人々への大きな励ましであり希望です。
- 神様はダニエルに、終わりの時が来るまで、預言を封じるように命じられました(4節)。4節を口語訳で読みますと「多くの者は、あちこちと探り調べ」とありますが、これはダニエル書を研究することを指します(ガイド92)。長い間、ダニエル書は難しく不可解な書物でしたが、終わりの時になって人々はダニエル書の預言を学ぶようになり、知識が増すようになりました。1800年代のアメリカにおける第二次信仰復興運動で理神論からキリスト教信仰へ戻ったウィリアム・ミラーもその内の一人でした。1813年の英米戦争に軍人として従事したミラーは、暴力と人の死に直面して自分の人生を考え直すようになりました。彼はダニエル書の研究を通して、1843年ごろキリストが再臨すると解釈したのです。彼の働きはアメリカにおける再臨運動の始まりとなり、やがてセブンスデー・アドベンチスト教会の誕生へとつながりました。
- 5節以下のところで、麻の衣を着た人(キリスト)が時に関する説明をなさいましたが、ダニエル自身よく理解することはできませんでした。しかし、キリストは「終わりまでお前の道を行き、憩いに入りなさい」とおっしゃいました。ダニエルは祈りの人であり、示された終末の幻について語り、与えられた仕事を忠実に果たす人物でした。それ故、ダニエルは王様から責任ある仕事を任せられました。永遠に続く御国の到来を待ち望みつつ、私たちに与えられた責務を忠実に果たす。この世が終わるまで神様が示してくださる道を神様と共に忠実に歩むことによって、私たちはかの日に復活するという大きな祝福にあずかります。その素晴らしい約束をもって、ダニエル書は終わっています。
- ディスカッションのためのテーマ
- あなたにとって預言のメッセージに目を向けることは、どれほど大切なことですか。