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第13課 神の言葉によって生きる 平本 光
1.安息日午後 今週のテーマ
聖書から学んだことを生活に活かして実行していくことは大切です。罪の状態にある人は神との関係が切れた「死んだ人」であり、死んだ人には聖書が教えることも、一般的な道徳も意味がありません。生きている人に必要な教えであり、定められていることだからです。聖書を学び、キリストによって救われ、神とつながりをもつことで生きた人になったならば、聖書から学んだ生き方を実行するように教えられています。聖書から学んだことを実行する生き方について、私は先輩の牧師から「有精卵」(命の宿ったたまご)と「無精卵」(命の宿っていないたまご)の状態と教わったことがあります。無精卵は愛をもって温めても、よい環境を与えようとも、命がありませんから腐っていきます。しかし、有精卵は温めて、よい環境を与えると自然とヒヨコへと成長していくのです。そのようにイエス・キリストによって救われたことを信じ、聖書から学ぶ人は、義務だから苦しみながら実行するのではなく、その聖書に書かれていることを自然と実行して成長するようになるのです。イエス・キリストはありのままの、今のままの状態でも、人を愛されますが、イエス・キリストと生きることを受け入れるならば、自然と今のままの状態からさらに成長するのです。しかし、イエス・キリストは信じたけれども、私のやり方で生きていこうと従わない生き方をするときに不自然な状態になるので、成長しない生き方になります。神の言葉によって生きることについて、今までの学びと含めて考えていきましょう。
2.日曜日:神の生ける言葉と聖霊
聖書を読むとき、聖霊の導きを求めることで、聖書は生ける神の言葉として迫ってきますし、聖霊は、私たちが信じるすべてのことのため、どのような場面でも最後まで守っていく手本としての聖書に書かれていることに従って生きていけるように助けてくれます。聖霊の導きを求め、聖霊に満たされて歩むなら、いつでも神の戒めを忘れないで生きていけます。ピリピ人への手紙2:13で「あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである」とされる生き方が聖霊を通して実行できるのです。ですから聖書を解釈していく最終目的は、神の言葉に従って生活していくということです。聖霊は私たちが聖書をより深く理解できるように導き、私たちに神の言葉を喜ばしいものとして受け入れていけるように働いてくださいます。ただ聖書を読むだけでなく、聖霊が私を満たして理解を与えてくれるように祈りながら、聖書を学ぶことが大切です。
3.月曜日:イエスから学ぶ
私たちの現代生活は、イエスの時代よりもはるかにあわただしいものです。ダニエル書12:4では「ダニエルよ、あなたは終りの時までこの言葉を秘し、この書を封じておきなさい。多くの者は、あちこちと探り調べ、そして知識が増すでしょう」と、イエス・キリストの再臨が起こる前触れとして、知識が増えることが言われています。聖書を学ぶ時間が取れないくらいにいろんな情報を知る必要があるかもしれません。また聖書を学んでいても、そのほかの情報が多すぎて聖書の教えが入ってこないかもしれません。そのような時代に神の言葉によって生きるために良い手本となられた、イエス・キリストから習うことが大切です。公生涯の問、イエス・キリストは、人々を癒し、御言葉を説教しました。しかし、この働きのために、毎日、誰にも邪魔されることなく、父なる神に向き合って祈り、心の奥深くまで御言葉によって照らし出される日々の献身によって、失われた魂を助けていく御業に必要な霊的な力を神様から受けていたのです(マルコ1:35、1:22) 。また、神の言葉を詳しくよく知っていることによって、サタンの攻撃から耐える力を備えておられました。このイエス・キリストの方法から神の言葉によって生きるために必要なことを得ましょう。
4.火曜日:「イエス」対「聖書」なのか
イエス・キリストの生きた時代は、神様の決められたことを守るために、さらに人がルールを足して、そのルールに苦しむ状態になっていました。イエス・キリストは聖書を否定するのではなく、信頼できる案内書として、人々が聖書から確認するように教えられています。マタイによる福音書5:17「わたしが律法や預言者を廃するためにきた、と思ってはならない。廃するためではなく、成就するためにきたのである」とあるように、イエスは聖書を否定して、聖書を読まないようにとは教えてはおられません。
5.水曜日:神の言葉と過ごす静かな時間
私たちは変化が激しい暮らしの中で、邪魔されず神の言葉を読み、じっくり考えて神と過ごす時間を設ける必要があります。そのような静かな時間こそ、霊的な活力をもたらしてくれます。献金の勧め6月6日の読み物に「人の心の生来の傾向は、神様の御意志や他人の利益ではなく、自分の利益を求めるものだからです。 それゆえ、神様の影響力のもとで行われる御言葉に従った誓いは、私たちを神様に 結びつける助けとなり、危機的時代にあって私たちが道からそれないよう守ってくれ るのです。たとえば、毎朝少し早く起きることを誓ったことのない人は、おそらく、 一日の活動の前に神様と交わる習慣を養うことは難しいでしょう(マタイ6:33)。―― 要するに、神様の御言葉に示されたクリスチャンのライフスタイルの重要なことがらについて、固く、最終的な決心や約束をしないことは、心を尽くして神様の勧めに 従うことに反する誘惑を大きくし、その人を妥協へと導き、イエス様に従う道から引き離してしまうかもしれません (2020年 献金の勧め23頁)」とすすめが載っていました。邪魔されることなく神の言葉と過ごす静かな時間を守ることができるように工夫することが大切です。その時間を持つことがイエスにならう生き方の役に立ちます。
6.木曜日:聖句と歌
聖書をじっくりと暗記していくとき、神の言葉は、私たちの意識より深く、心の奥底まで照らしてくれます。暗唱すると、御言葉は私たちの思いに留まり、「神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」生き方が自然に、無意識のうちにできるようになります(マタイ4:4)。悩んだときに覚えた聖句によって道が開けていき、神の言葉によって生きようと選ぶことができます。神のよろこばれる生き方を選ぶので、不安はなくなります。また、聖書の言葉を歌詞に入れて歌うとより覚えやすくなります。楽しいメロディーによって御言葉が思いの中に溶け込みます。歌うことで喜びが増します。神の言葉によって守られていることを感じ安心して人生を進んでいけるようになります。
7.金曜日:さらなる研究
聖書を読んで終わるのではなく、そこから私に聖書を通して知って実行してほしいことは何か見つけていくことはイエス・キリストにあって成長するのにとても重要なことです。神の言葉によって生きようと聖書の言葉を覚えることは、すぐ活用できるように、一日中、心の中に神の言葉を蓄え続けていくということです。私たちの精神が、神の言葉によって強化されるなら、私たちの人生は、神様のよろこばれる素晴らしい方向に向かっていきます。
また、神の言葉は、神から私たちを離していく罪と自分勝手な思いに対して守ってくれる壁となります。サタンは私たちを神から離れさせ、人生には不安が多く、そのためには自分だけが幸せになるように努力しなければならないかのように導いてくるかもしれません。そのような生き方ではなく神を愛し、隣人を愛する生き方を教えてくれる神の言葉によって生きる道を選び続けられるように祈り、聖霊に満たされて歩みましょう。