第11課 ルツとエステル (6月14日)池増 益男
1.安息日午後
[暗唱聖句]
王は庭に立っている王妃エステルを見て、満悦の面持ちで、手にした金の笏を差し伸べた。エステルは近づいてその笏の先に触れた。(エステル記 5:2、新共同訳)
今週は、終わりの時代に起こる出来事について、二人の女性の物語から学びます。一人はルツ、もう一人はエステルです。この二人の女性は大きな苦労、恐ろしい試練を経験しましたが、神様は大きな苦労や恐ろしい試練から彼らを救い出して下さいました。ルツとエステルを大きな苦労や恐ろしい試練から救い出されたことは、やがて教会が迎える最後の苦難と、大きな闘いから救って下さる救い主イエス様のお働きを私たちに教えています。
2.日曜日:「パンの家」の飢饉
神様を心から信じている人の人生にも恐ろしく悲しい出来事が起こります。
ルツ記1:1〜5を読んでください。
①ベツレヘムに飢饉が起こる。
②エリメレクと妻のナオミは二人の息子を連れてモアブへ逃れる。
③モアブで夫が死ぬ。
④二人の息子はモアブの女性(オルパとルツ)と結婚。
⑤ナオミの二人の息子の死。
モアブの地に移り住んで10年の間に三人の女性(ナオミ、オルパ、ルツ)は夫を失い、子供も孫もなく、これからどうして良いのかわからない状況でした。
これはアダムとエバが幸せに満ちたエデンから、ヘビ(サタン)に欺かれて楽園を追われてしまった人類の姿(霊的飢饉)、また食べるものが無くて飢えている多くの人々、難病、暴力や戦争などに苦しむ私たちの悲しい姿をも思い起こさせます。
3.月曜日:ルツとボアズ
ナオミはルツと共にベツレヘムに帰ってきますが、物質的にも精神的にも、霊的にも大変な困難の中からどのようにして生き延びていくのでしょうか?
ルツ記2:5〜20を読んでください。
ナオミは夫も二人の息子も失ったので、どうしても夫の親戚からの援助が必要でした。当時女性だけでは、亡き夫の土地を買い戻すことも、生活することもできなかったのです。神様はナオミのために裕福な親戚・ボアズを用意しておられました。ボアズは心優しく、貧しい人に必要なものを喜んで与えるすばらしい愛の人でした。ルツはこのボアズと出会い、彼の農場で落穂拾いをしながら豊かに食料をいただいていました。
このボアズは「イエス・キリストのお人柄とお働き」を表しているようです。イエス・キリストは神の御子(神)でありながら、私たちと同じ人間の肉体を取られる(人間として生まれて生きる)ことによって、私たちの兄弟、すなわち親戚の一員になってくださったのです。
4.火曜日:救い主としてのボアズ
ボアズは真心を込めた行動をしたルツに感心し、ルツを深く愛するようになり、彼女と結婚したいと思います。(ルツ3章)
ボアズはルツに言った。「わたし以上に家を絶やさぬ責任のある人間がいる。明日の朝その人が責任を果たすというのならそうさせよう。しかし、それを好まないなら、主は生きておられる。私が責任を果たします。さあ、朝まで休みなさい。」
ベツレヘムの町の門の前で裁判が開かれ、そこに集まった長老たちの前でボアズが話していた親族は、ナオミの夫が残した土地は買っても良いが、ナオミの夫エリメレクの名前を残すためにルツまでは引き取れないと言います。こうしてボアズが、その土地とルツを買い取る(贖う)ことにしたのです(ルツ4章)。ルツはボアズと結婚してナオミとルツは安心して生活できるようになりました。ボアズはナオミとルツにとって、またナオミとルツたちの一族にとって救い主でした。
サタンはアダムとエバを誘惑して罪を犯させてから、人類はみんなわたしのものだと言い張ります。しかしイエス様は私たちをサタンから取り返すために、ご自分の命そのものを犠牲にして私たちをサタンの手から買い取ってくださったのです。ボアズを信じたナオミとルツの辛抱強い行動は救い主イエス様の救いを信じる私たちに教えてくれます。永遠の救いと希望を与えてくださった救い主イエス様に心から感謝しましょう。
5.水曜日:ハマンとサタン
エステルは両親を亡くし、いとこのモルデカイに引き取られて育てられました。頭もよく美しいエステルは、ペルシャ王クセルクセス(口語訳:アハシュエロス)(B C485〜465)の王妃に選ばれます。そのころ、権力者ハマンはモルデカイが自分にひざまずいて敬礼しないのを見て腹を立ててユダヤ人を皆殺しにする計画をこっそり立てていました(エステル3:5、6)。ハマンの計画を知ったエステルは、自分の命をかけてペルシャ王クセルクセスの前に出て、ハマンの計画を取り消すように強くお願いしました。モルデカイに励まされたエステルの勇気と祈りと共に仲間のユダヤ人の祈りによって、ペルシャにいた大勢のユダヤ人は救われたのです。
サタンはハマンのように、神様を愛し、神の戒めを守る忠実な神の民を一人残らず皆殺しにする計画を立てて実行しようとしています。
6.木曜日:この時のためにこそ
エステル5:1〜3、9:20〜28を読んでください。
ハマンによってペルシャ帝国内のすべてのユダヤ人が殺されると決まったとき、モルデカイと王妃エステルが立ち上がり、命がけで王様に助けを求めます。王は恐ろしい計画を立てていたハマンとその協力者たちを処刑してユダヤ人を救い出した、アダルの月の14日〜15日(現在の3月)をプリムの祭り(エステルの祭り)として今でもユダヤ人はお祝いします。エステルは、命がけで王様に助けを求めた時、神様がそばにおられることに気づきました。同じく私たちも神様がそばにいてくださいます。
私たちはこの地球史の最後の時を迎えようとしています。サタンは※神の民を滅ぼすために最後の戦いの準備を始めています。試練の時(日曜休業令、ヤコブの悩みの時)、ミカエル(イエス様)が立ち上がられ、サタンの軍勢を破り、※神の民に勝利を与え、※神の民を天国に連れて行ってくださるのです。恐れる必要はありません。そうです、勝利は決まっています。イエス様は再臨なさるのです。
※神の民:イエス様を信じる私たち
7.金曜日:さらなる研究
★話しあいのための質問(下記の2つのことをグループで話し合ってみましょう)
❶神様はなぜ、あなたやわたしに試練の時を許されるのでしょうか。現在の試練は将来やってくる試練の助けにならないでしょうか?
❷イエス様に忠実に従うために苦しまなければならないとき、あなたはどこに希望を見出しますか?