安息日学校部

第10課 聴覚しょうがい者用 小林 勝

2022年第3期「試練を共にされるキリスト」

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第10課  試練における柔和  小林 勝

 

1.安息日午後

今期の学びは、「なぜ」神様がいるのに、生きている中で試練(苦しみや悲しみ)があるのかと問いたくなる思いと共に、試練の意味や目的を学んでいます。今週のテーマ「試練における柔和」はとても難しいことです。著者の先生は柔和の意味を「人に傷つけられても、怒らず辛抱して耐えること」と説明しています。

柔和の「柔」という文字は「やわらかい」「やさしい」という意味をもち、「和」も「やわらかい」「やさしい」というように「柔」と同じ意味があり、同じ意味が強調されている言葉です。著者の先生はこの「柔和」が試練によってキリストとキリストに従う者たちが得られる最も強力な品性の一つであり、わたしたちが神様の力強い証人となれることを教えています。

副読本の中で、説明されていた柔和の特徴である四つの側面は参考になります。

1.柔和は、悪人に対して絶えず恵みと憐れみを与えようと努める

2.柔和は、反逆する人々に対して優しい行動をとる

3.柔和は、進んで和解をする

4.柔和は、たとえ不正のもとでも自分自身を弁護しようとはせず、成り行きを神様に委ねる

金曜日のさらなる研究で預言の霊は「柔和」について「われわれが出会わねばならない困難は、キリストのうちにかくれている柔和によってずっと軽くなる。」とありがたいことを教えています。それではどのようにして「柔和」な品性を身につけることができるかについて学びをいたしましょう。

 

2.日曜日:裂かれたパンと注がれたぶどう酒

オズワルド・チェンバーズは著書の中で、「裂かれたパンと注ぎ出されたぶどう酒が造られる」と述べています。もし、私たちが、神様のために用いられるぶどう酒になりたければ、搾られる必要があります。

聖書には他者に仕えるために「裂かれ搾られた」人々の模範があります。

モーセは、約束の地に民を導いたとき、絶えざる悪口と批判に耐えました。

ヨセフは、エジプトで、裏切りと投獄に遭いました。

エゼキエルは、神様に妻がすぐに死ぬと告げられ生活が突然壊れました。

これらの人々の心中を思うことはできません。「不公平だ!」と抗議したくなります。試練の中、神様が共におられすべての出来事を支配しておられると信じ確信できない限り、難しいことです。

 

3.月曜日:恵みのためのとりなし

聖書は、モーセはこの地上のだれにもまさって柔和であったと述べています。民数記12:3(口語訳、新改訳2017)。なぜ、モーセは柔和であると考えられたのでしょうか。モーセは悪い人々のために繰り返し恵みを求め祈っているからです。モーセはキリストの柔和を映し出す真のとりなし役でした。

 

4.火曜日:迫害する者を愛すること

ある人が言いました。「敵を愛するということは、真珠が埋めてある泥を愛することではない。そうではなく、泥に埋もれた真珠を愛することを意味する。……私たちが生まれつき愛すべき存在だから神は愛するのではない。神が私たちを愛するから、私たちは愛すべき存在になるのだ」

 

5.水曜日:封じられた発言

試練における柔和についての模範はイエス様です。イエスは「わたしは柔和で謙遜な者だから……、わたしに学びなさい」(マタイ11:29)と言われました。イエス様は不当な苦しみをうけたとき、自分を正当化するために語らず口を結ばれました。イエス様の沈黙は柔和を証しするものだったので、ペトロはこの「キリストの足跡に従うよう」勧めています。

 

6.木曜日:私たちの岩そして隠れ家

ガイドに書かれている「上を見上げて」からの引用を読んでください。私たちは世の人々だけでなく、教会の信徒からも理由もなく誤解されると述べられています。私たちは自分が誤解を受けるとき、真理を回復することは、自分にかかっていると思い戦おうとしますが、「神の僕はキリストの心で武装しなければならない」と教えられています。ダビデは「わたしの救いと栄えは神にかかっている」(詩編62:8)と述べ、自分自身のために戦いをする必要がないと教えています。神様を私の岩、救い、避けどころ、隠れ家として成り行きを神様に委ねることがキリストの心で武装することです。

 

7.金曜日:さらなる研究

ガイドに書かれている「各時代の希望」からの引用に注目してください。

今週の暗唱聖句は多くの人が知っている「柔和な人々は、幸いである、その人たちは地を受け継ぐ。」(マタイ5:5、新共同訳)でした。しかし、柔和であることは容易ではありません。なぜなら、柔和は常に試練のるつぼと関係しているからです。しかし、柔和は私たちの苦痛の原因になっている人々に恵みをもたらし、私たちにも平和をもたらす力を与えてくれます。私たちは柔和をとおしてキリストの証人となり、多くの人と約束の地を受け継ぐことになります。

 

★学びを振り返る簡単な質問

柔和の意味「人に傷つけられても、怒らず辛抱して耐えること」を頭に置いて、「敵」に対して正しい態度で接する柔和を主からいただくため、あなたが変える必要のあることを書き出してみましょう。

 

祈り

天のお父さま、

イエスさまの柔和をわたしにお与えください。

私が侮辱されたり、反対されたり、

どうにもならない状況に押しつぶされたりする時、

冷静を保ち、

裁きをあなたさまにおゆだねすることができますように。

正当だと感じられるときでも、

復讐したい気持ちを取り除いてください。

復讐心に代えて愛をお与えください。

私に敵対する人々の

益のためになされる私の行動や

とりなしの祈りを通して愛を示してください。

イエスさまのみ名によってお祈りします。

アーメン。