安息日学校部

第12課 聴覚しょうがい者用 花田憲彦

2023年第3期「エフェソの信徒への手紙」

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     第12課  キリストへの忠誠を実践する  花田憲彦

 

1.安息日午後

今週は、エフェソ6章10節から20節を中心に学びます。パウロはこの手紙で、神の永遠のご計画と、その中で生まれた教会の役割を示し、さらには、キリストの体である教会を構成するクリスチャンの生き方について具体的な勧告を与えてきました。そして彼は、ここで筆を置く前に、「霊的な戦い」に触れることによってエフェソ書を締めくくろうとしています。この霊的な戦いの敵は、「血肉」、つまり人間ではなく、この世を支配している闇の世の主権者(サタン)であることを強調しています。

 

2.日曜日:戦いの辞

パウロの勧告に耳を傾ける前に、歴代誌下20章13節から30節を読んでみてください。ここに霊的な戦いの一つの例が示されています。「イスラエルの戦いでの成功は、自らの武器や軍隊が優れているとか、数で勝るからではなく、神の臨在と力によることを強調しています。成功の鍵は、自分自身への信頼ではなく、神の力と神の備えに対する確固たる信頼でした」(ガイド82ページ)。

教会のかしらであるイエス・キリストは、十字架の贖いの死と復活によって、このサタンとの戦いにすでに勝利しておられます。しかし、神の計画が完了して、すべてのものが完全にキリストの支配へと回復されるためには、まだ時が満ちていません。「救いの業が完成され、あらゆるもの……天にあるものも地にあるものもキリストのもとに一つにまとめられる」(エフェソ1章10節)までの間は、地上にいる私たちは、キリストにある完全な勝利を待ち望みつつ戦っていく必要があるのです。

 

3.月曜日:キリストの力を見いだす

これは霊的な戦いであり、敵はサタンですから、それに対抗する方法は、目に見えない三位一体の神の力によって強められる以外にありません。そしてその霊的な戦いの装備は、神の言葉の真理、福音であり、神に対する信仰なのです。だからパウロは、「主に依り頼み、その偉大な力によって強くなりなさい」(6章10節)と言っているのです。「教会の力は、その戦いの指揮官である、よみがえられた主の全能の力の内にある」(G・G・フィンドレイ)。

 

 

4.火曜日:パウロの手紙に見る大争闘

ローマ13章11~14節、Ⅰテサロニケ5章6~8節、Ⅱコリント10章3~6節を瞑想してみましょう。私たちが生活しているこの地上は、「この世の君」とか「この世の神」と呼ばれるサタンが支配しているので、私たちは日常生活の中においても、常にこの霊的な戦いの中に置かれていることを知る必要があります。「キリストは、ご自分に従う者たちを、宇宙戦争の兵士として召集し、光の軍隊を大いなる勝利の日に向かって導いておられます」(ガイド84ページ)。しかし、私たちは恐れる必要はありません。かつてキリストが言われた約束の言葉を心に留めたいと思います。「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」(ヨハネ16章33節)。もし私たちが、パウロが勧めている神の武具をしっかりと身に着け、立ち上がるならば、すでに勝利された主が私たちと共に戦ってくださるのです。これは私たちの戦いではなく、主の戦いだからです。

 

5.水曜日:古代の戦場に立つ

ガイドの85ページには、古代の戦場における戦いについて書かれています。「古代の戦いで勝敗の鍵となるのは、……対立する二つの重装備歩兵の密集軍が、『激突する青銅と木部と肉体のひどい不協和音』の中でぶつかり合うときで、古代の作家クセノフォンはこれを『おぞましい粉砕』と呼んでいます。この戦略的な瞬間に固く立ち、一歩も引かないことは、古代の戦いの大きな挑戦でした」。

パウロはヘブライ12章4節で「あなたがたはまだ、罪と戦って血を流すまで抵抗したことがありません」と書いていますが、この霊的な戦いは永遠の命を決定するものであるという意識をもって、キリストとサタンの大争闘の戦場に立つ覚悟が必要です。

 

6.木曜日:悪の力との戦い

覚えておきたいのは、私たちが戦うべき敵は、サタンというよりもむしろ自分自身(自我や罪)であるということです。なぜなら、キリストはすでにサタンに勝利されたからです。サタンとの戦いに対して、もし私たちが自分の力で対抗しなければならないとしたら、そこに希望はありません。しかし、すでにサタンに勝利されたキリストにつながり、神の武具を身に着けることによって、「その偉大な力によって強くな」るならば、私たちは罪に打ち勝つことができるのです。キリストにあって、わたしたちの勝利も約束されていることを忘れないようにしましょう。

 

7.金曜日:さらなる研究

今週と来週にかけて学ぶエフェソ6章10~20節の霊的な戦いは、黙示録の戦いのテーマと同じように、終わりの時代のクリスチャンの戦いが焦点になっています。黙示録が示しているのは、キリストと神の民の輝かしい勝利です。勝利が約束されている戦いですから、恐れることなく神の武具を身に着けて立ち上がりましょう。主と共に!

 

  • 私たちは日々の日常生活において、キリストとサタンの大争闘という戦場に立っている認識はあるでしょうか。神の兵士として、あなたに期待されていることは何でしょうか。