安息日学校部

第1課 聴覚しょうがい者用:眞田 治

2020年第3期「神のためにたくさんの友人をつくる」(喜びを他の人に伝える) 

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第1課 なぜあかしなのか 眞田 治

 

1.安息日午後

私たち人間は、自分を救ってほしいと願っています。しかし、私たち人間が「救ってほしい」と願うよりも、もっと強く、神さまは「人間を救いたい」と願っておられるのです。そして、人間を救うことは私たち人間の仕事ではなく、神さまの仕事です。私たちの仕事は、人間を救おうとしておられる神さまに協力することです。

今週のタイトルは「なぜあかしなのか」ですね。すべての「あかし」は主イエスさまに関係しています。あかしは、イエスさまが私たちを救うためにしてくださったことを他の人々に伝えることです。あかしは、イエスさまが私たちの人生をどのように変えてくださったかを他の人々に伝えることです。人間を救うことは、私たちの仕事ではなく神さまの仕事です。しかし、他の人々が神さまによって救われやすくなるように、私たちはイエスさまのことを他の人々に「あかし」するのです。

私たちがイエスさまに向かって小さな一歩を踏み出す前に、イエスさまは私たちに向かって大きく近づいてくださいました。私たちがイエスさまに背中を向けているときから、イエスさまは私たちに優しい顔を向けてくださいました。私たちはイエスさまのことをほとんど気にしませんでしたが、イエスさまは私たちのことを大切に思って気にかけてくださったのです。

 

2.日曜日:救いの機会を提供する

私は宮城県の仙台教会で牧師をしています。宮城県の地元の新聞で『河北新報』というのがありますが、河北新報の今年5月1日号に、次のような投稿が載っていました。

「大好きな野草の1つにキュウリグサがあります。茎の長さは10~30センチ。茎の先は、ゼンマイのように丸まっていて、その先を伸ばしながら次々と花を咲かせます。
その花がとても美しいです。2~3ミリの花で5枚の空色の花弁をつけます。花の中心が黄色です。6月ぐらいまで、その花を楽しませてくれます。
生花店の店先に並ぶことはなく、鉢に植えられることもないでしょう。踏んづけられたり、むしり取られたりするしかないような小さな野草です。
天地を創造した神はなぜ、こんなにも美しい装いをこの小さな花に与えたのでしょうか。周りの草の陰になりながらも、毎年美しく花を咲かせ、実をつけて、自然の片隅を構成しながら、日の光に輝いている姿に感動します。
このような光景を見ていると、こう思うのです。神はこの世界を、どんな人でも喜びを感じながら、幸せに生きることができる世界につくったのではないでしょうか。」

新約聖書ローマ書1章20節には、「世界が造られたときから、目に見えない神の性質、つまり神の永遠の力と神性は被造物に現れており、これを通して神を知ることができます。従って、彼らには弁解の余地がありません」と書いてあります。

ときどき「自分は神さまを信じない」という人がいます。しかし、先ほどの新聞に投稿した人が書いているように、小さくて美しい花を見ているだけでも、私たち人間は神さまのことを考えます。神さまは、人間が神さまを知ることができるように、世界を造られたのです。ローマ書1章20節に書いてある「彼らには弁解の余地がありません」の「彼ら」というのは、「自分は神さまを信じない」という人々のことです。自然世界を見ていると神さまのことを知ることができるのですから、だれでも神さまを信じることができます。だから、神さまを信じない人々には弁解の余地がありません(信じない言い訳はできないはずです)。

しかし、自然世界を見るよりも、もっと分かりやすく神さまのことを知らせる方法があります。イエスさまのことを他の人々に伝えることです。イエスさまを伝えることは、他の人々が救われる一番いい方法です。自然世界を見るだけで神さまを信じるようになる人々もいますが、神さまを最もよく現しているのは、主イエスさまの愛なのです。

 

3.月曜日:イエスを喜ばせる

ルカ福音書15章7節で、「言っておくが、このように、悔い改める一人の罪人については、悔い改める必要のない九十九人の正しい人についてよりも大きな喜びが天にある」とイエスさまは語っておられます。ルカ福音書15章10節では、「言っておくが、このように、一人の罪人が悔い改めれば、神の天使たちの間に喜びがある」ともイエスさまは語っておられます。今まで神さまを信じていなかった人が神さまを信じるようになると、天使たちが喜びます。今まで神さまを信じていなかった人が神さまを信じるようになると、もちろん、イエスさまも喜ばれます。

ルカ福音書19章10節では、「人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである」とイエスさまが語っておられます。イエスさまが「人の子」と言われるときの「人の子」とは、イエスさま御自身のことです。イエスさまは、失われたものを捜して救うために来られたのです。

私たちが他の人々に向かって、「イエスさまは、あなたを捜して救うために来られたんですよ」と伝えるときにも、イエスさまも天使たちも喜んでくださいます。

 

4.火曜日:与えることで成長する

新約聖書の使徒言行録20章35節には、「受けるよりは与えるほうが幸いである」と書いてあります。自分で聖書を読んだり教えてもらったりしてイエスさまによる救いを受け取ることよりも、他の人々にイエスさまのことを伝えて救いを分け与えるほうが、私たちは幸せになれるのです。

もしも私たち人間がイエスさまのことを他の人々に伝えなくても、イエスさまは、御自分のことを御自分で人々に伝えることもできました。しかしイエスさまは、私たちがイエスさまのことを他の人々に伝えるよう、導いておられます。私たちは、他の人々にイエスさまを伝えたいときに、「どうやって伝えたら良いか、神さま、教えてください」と祈ります。どうやって伝えたら良いのかを、私たちは考えます。祈ったり考えたりしているとき、神さまは私たちを成長させてくださるのです。優しくて、強くて、知恵のある人に私たちがなるように、神さまは私たちを成長させてくださいます。

私たちがイエスさまのことを他の人々に伝える目的は、3つあります。

  • 他の人々がイエスさまを信じるようになって救われるため。
  • イエスさまが喜んでくださるため。
  • 私たちが成長するため。

今まで神さまを信じていなかった人が神さまを信じるようになると、イエスさまは喜ばれます。
今まで神さまを信じていなかった人が神さまを信じるようになると、私たちも喜びます。

私は、私が神さまを信じるようになったときよりも、他の人々が神さまを信じるようになったときのほうが、うれしかったです。私は、私がバプテスマを受けたときよりも、他の人々がバプテスマを受けたときのほうが、うれしかったです。ぜひ皆さんも、他の人々にイエスさまのことを伝えて、うれしい体験をしてください。

 

5.水曜日:キリストの命令に従う

第一テモテ書2章4節には、「神は、すべての人々が救われて真理を知るようになることを望んでおられます」と書いてあります。すべての人々が救われることが、神さまの願いです。すべての人々が救われるために私たちが他の人々に神さまを伝えるよう、神さまは私たちを導いてくださっています。

今日のテーマは「キリストの命令に従う」ですね。「従う」と「ついて行く」と「導かれる」は、言葉は違いますが意味は同じです。神さまが前で、私たち人間が後ろ、という意味です。神さまが前から私たちを導いてくださるので、私たちは後ろから神さまについて行きます。むずかしいことでも神さまが前を歩いてくださいますから、私たちは後ろから従うことができます。2000年前、人々が救われるように、イエスさまは人々に神さまのことを伝えてくださいました。ルカ福音書19章10節で、「人の子は、失われたものを捜して救うために来たのである」とイエスさまは語っておられます。「人の子」とうのはイエスさまのことです。だから私たちも、前を歩かれたイエスさまに導かれて、イエスさまについて行くことができます。イエスさまの命令に、私たちは従うことができます。「神さまのことを伝えなさい」という命令です。

皆さん、『カラダのトリセツ』健康トラクトというのを、知っていますか? 新型コロナウィルスが流行し始めてから、セブンスデー・アドベンチスト教団が作ってくださったものです。免疫力を高めてウィルスに感染しづらい健康な体になるために、大切なことが書いてあります。それぞれの教会に置いてあると思います。もし置いていなければ、牧師さんに訊いてみてください。

私は、私が牧師をしている仙台教会の皆さんに手紙を書いて、手紙と一緒に『カラダのトリセツ』健康トラクトも封筒に入れて送りました。その手紙には「このトラクトを家族や友達に渡したい人には、もっとたくさん差し上げますから、ご連絡ください」と書いて送ったのです。しかし、「もっとたくさんください」と自分から連絡してくださった教会員さんは、1人だけでした。その手紙を書いた数週間後の6月6日(土)の礼拝説教で、私は、次のように「あかし」して言いました。「もうすぐイエスさまが来られます。早くイエスさまのことを伝えなければなりません。この『カラダのトリセツ』健康トラクトは、すごく良いです。ほとんどのページに体の健康のことが書いてありますが、最後のページにはイエスさまのことを知る方法が書いてあります。『コロナウィルスに感染しづらい免疫力の高い健康な体になるコツが書いてある、教会のトラクトです。ぜひ読んでください』と言って他の人に手渡すと、必ず受け取ってくださいます。イエスさまのことを伝えるために、このトラクトを配ってください」。

手紙を書いただけだったら、1人の人だけが「もっとたくさんください」と言われたのに、説教の中でイエスさまのことを「あかし」すると、たくさんの教会員さん達が、『カラダのトリセツ』健康トラクトを持って帰ってくださいました。「あかし」には力があります。すべての「あかし」はイエスさまに関係あります。

また別の日には、東京の病院に入院しておられる教会員さんからハガキが届きました。そのハガキには、コロナウィルス感染予防のため、家族も教会の人も見舞いに来てくれないから残念だと書いてありました。そこで私は、その入院しておられる教会員さんにも『カラダのトリセツ』健康トラクト約20枚を封筒に入れて送って、「病棟の看護師さんやスタッフの皆さんに、『新型コロナウィルスに感染しづらい免疫力の高い健康な体になるコツが書いてある、教会のトラクトです。ぜひ読んでください』と言って手渡してください」とお願いしたのです。すると約1週間後、その入院しておられる教会員さんから再びハガキが届いて、「○○さんの通っておられるセブンスデー・アドベンチスト教会はすばらしい教会ですね」と看護師さんから褒められたと、ハガキに書いてありました。

イエスさまを伝える方法は、たくさんあります。イエスさまを「あかし」する方法は、たくさんあります。

皆さんに宿題を出します。今日は水曜日ですね。来週の水曜日までの1週間で、7人の他の人々に、主イエスさまのことを伝えてください。トラクトやチラシを渡してもいいです。手話ができる人は手話で「イエスさまは私を救ってくださいました。イエスさまはあなたが大好きです」と伝えてもいいです。手話ができない人は、他の方法でもいいです。どんな方法でもいいです。手紙を書いてもいいです。メールを送ってもいいです。来週までの1週間で、7人の他の人々にイエスさまのことを「あかし」してください。

 

6.木曜日:愛による動機づけ

私たちが他の人々にイエスさまのことを「あかし」する最も大きな理由は、愛です。

第二コリント書5章14、15節には、次のように書いてあります。「なぜなら、キリストの愛がわたしたちを駆り立てているからです。わたしたちはこう考えます。すなわち、一人の方がすべての人のために死んでくださった以上、すべての人も死んだことになります。その一人の方はすべての人のために死んでくださった。その目的は、生きている人たちが、もはや自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きることなのです。」

第二コリント書5章14節の中には、「キリストの愛がわたしたちを駆り立てている」と書いてありますね。「駆り立てる」というのは、強い力で何かをさせる、という意味です。キリストの愛が強い力で私たちに何かをさせるのです。その「何か」というのは、「自分自身のために生きるのではなく、自分たちのために死んで復活してくださった方のために生きる」ことです。「自分たちのために死んで復活してくださった方」というのは、イエス・キリストです。キリストの愛が強い力で私たちを動かし、私たちは自分自身のためではなくイエス・キリストのために生きるようになるのです。イエス・キリストは私たちを愛して、私たちを救うために身代りに十字架にかかって死んでくださいました。私たちを救うために身代りに十字架にかかって死んでくださったキリストの愛を知るなら、強い力が私たちを動かして、私たちはイエス・キリストが喜ばれるように生きるようになるのです。

月曜日にも学びましたが、イエスさまが喜ばれるのは、人々が神さまを信じて救われることです。そして、他の人々が神さまを信じて救われるように私たちが神さまのことを他の人々に伝えることを、イエスさまは喜んでくださいます。イエス・キリストの愛を私たちが知ると、私たちは、他の人々にイエス・キリストのことを伝えるように駆り立てられます。

 

7.金曜日:さらなる研究

水曜日の学びの中で、仙台教会の皆さんに手紙を送ったことを書きましたね。コロナウィルスの感染予防のために安息日の礼拝が休会になって、皆さんが教会に来ることができないので、4月は3回、5月も3回、手紙を送ったのです。しかし、まだ神さまを信じていない人からも、「自分にも手紙を送ってほしい」と頼まれて、まだ神さまを信じていない人にも送るようになりました。教会が休会になるのは残念なことですが、まだ神さまを信じていない人にもイエス・キリストのことを「あかし」できたことに、感謝いたしました。

木曜日に、新約聖書の第二コリント書5章14節に書いてある「キリストの愛がわたしたちを駆り立てている」という聖句を学びました。「駆り立てる」というのは「強い力で何かをさせる」という意味でしたね。キリストの愛が、強い力で私を動かして、手紙を送らせたんだと思います。教会員の皆さんに手紙を送るだけではなく、まだ神さまを信じていない人にも手紙を送るように、キリストの愛が私を駆り立てたんだと思います。

毎日お祈りして、聖書を読みましょう。神さまは強い力であなたを動かして、他の人々にイエス・キリストの愛を「あかし」できるよう、あなたを駆り立ててくださいます。