2022年第1期「終わりの時代に生きる」
第9課 完全な犠牲イエス 村上 亮
- 今週のポイント
- 契約は違反者に死を要求しました。神様は正義の方であり、罪を見過ごしにはされません。しかし、神様は罪人を愛されるのです。その神の愛によってイエス様を世に送り、罪を犯した私たちの身代わりとして十字架に捧げられたのです。十字架の贖いは神の律法の神聖さを保ちつつ、罪人を救われた神のみわざでした。
- イスラエルの犠牲制度はイエス様の犠牲を象徴していました。
焼き尽くす捧げ物(燔祭)――命を焼き尽くされたイエス様を象徴する
穀物の捧げ物(素祭)――命のパンであるイエス様を象徴する
和解の捧げ物(酬恩祭)――キリストの血と肉の犠牲が必要であることを強調
贖罪の捧げ物(罪祭)――罪から救うイエス様の血を指し示す
賠償の捧げ物(愆祭)――神様の赦しは隣人に目を向けさせ、可能な限り償うことを教える
- ヘブル7:27、10:10にあるようにイエス様の犠牲は「一度だけ」でありました。それは、完全な犠牲だったことを表しています。それは、私たちをきよめ「聖なるもの」としてくださり、神に仕える道を開いてくださいました。霊的人生が豊かに祝福されるように、十字架を見上げ、イエス様の導きに従うようにとヘブル書は招いています。
- イスラエルの犠牲制度において人の罪は動物の犠牲によって聖所に移されました。その罪は年に一度の贖罪日にサタンを象徴するアザゼルの雄山羊に移すことで聖所の清めが行われたのです。天の聖所においても同じです。イエス様の尊い犠牲によって私たちの罪は天の聖所に移されました。そして、今、イエス様は天の至聖所において私たちの罪の清めを行なって下さっているのです。
- イエス様は天の聖所において私たちの仲保者として働いておられます。十字架によって人間の罪を負い、信じるものに赦しを与える権利を行使しておられます。そして、赦しを与える神の義を明らかにするために再臨前審判を行っておられます。「人間は自分自身でサタンの告発に向き合うことができません。罪に汚れた衣のままで罪を告白し、神の前に立つしかありません。しかし私たちの擁護者なるイエスは、悔い改めと信仰によって魂をイエスに献げたすべての者たちのために、力ある弁明をしてくださいます」(『教会への証』第5巻、471ページ)。
- 用語解説
- 再臨前審判…「最初の復活にあずかるにふさわしいかを天の住民に明らかにする。それはまた、生きているもののうち、だれがキリストにあって神の戒めを守り、イエスの信仰を持ち続けているか、すなわちだれがキリストにあって永遠のみ国へたずさえ入れられる用意ができているかをも明らかにする」(『アドベンチストの信仰』547ページ)。
- ディスカッションのためのテーマ
- 金曜日のジリ・モスカラ教授の説明を読み、再臨前審判の福音的な理解を深めましょう。
- クリスチャンとして「神に喜ばれる聖なるいけにえ」(ローマ12:1)として生きるためにどのようなことが求められているでしょうか。