安息日学校部

第9課 聴覚しょうがい者用 鈴木優人

2022年第3期「試練を共にされるキリスト」

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第9課  賛美の人生  鈴木優人

 

1.安息日午後

みなさんは賛美をすることが好きですか? 賛美とは何だと思いますか? 嬉しいときや気分の良いときに賛美をすることは難しくないかもしれませんが、色々なことがうまくいかないときや、気分が良くないときに賛美をすることは難しいかもしれません。しかし、悪い状況にいるときこそ、賛美が必要なときです。賛美は私たちの信仰の助けとなり、私たちの心を変える力があるからです。私たちが賛美によって変えられるということは、私たちの周りの人にも影響がおよび、最悪の状況さえ変える力があるということです。今週は、私たちが賛美を人生の中に取り入れ、賛美することが当たり前となるような生活を送ることで、神様から勝利の力を受けるということを学びます。

 

2.日曜日:賛美という概念

フィリピ4:4〜7を読んでみましょう。パウロは長い間、牢獄で捕らえられていました。牢獄に入れられるということは、とても厳しい状況にいることを意味します。しかし、それでもパウロは常に喜びながら神様を賛美していました。厳しくて辛いときに喜ぶことは、普通ではありません。しかし、喜べないとき、辛いときこそ、喜んで賛美するようにパウロはわたしたちに教えているのです。なぜなら、賛美をすることは、信仰を表す行為だからです。賛美は私たちの気分に左右されるものではなく、神様がどのようなお方であるか、何を約束してくださっているかを私たちが理解し、認めることを表す行為なのです。神様の約束を思い出すとき、その約束こそ私たちが喜ぶ理由になります。

 

3.月曜日:城壁を崩す祈り

ヨシュア記5:13〜6:20を読みましょう。40年間荒野をさまよっていたイスラエルの民はヨルダン川を渡ったあと、平和な牧草地ではなく要塞都市エリコへと導かれました。エリコの城壁はとても頑丈で大きく、とても攻め入ることができるような街ではないように見えました。エリコを攻略するために神がイスラエルに命じた方法は、城壁の周囲を、黙って6日間歩き、7日目にはつのぶえの音とともに鬨の声を上げることでした。確かに、音というのは空気を振動させることによって伝わります。YouTubeの動画でワイングラスに向かって高い声を当てるとグラスが割れる、というのを見たことがあります。しかし城壁を崩したのは彼らのイスラエルの声の振動によるものではありません。「鬨の声をあげなさい」という言葉は、「全地よ、神に向かって喜びの声をあげよ。御名の栄光をほめ歌え。栄光に賛美を添えよ」(詩編66:1,2)で使われている言葉と同じ言葉が使われています。つまり、鬨の声は賛美のことを表しています。6日間の周回によってイスラエルは自分たちの力で壁を崩すことはできない、という無力さを感じたと同時に、この壁を崩すには神様の力がなければできない、ということを理解したことでしょう。その思いが賛美となったのです。

 

4.火曜日:賛美の人生

良い状況でも悪い状況でも、常に賛美をできるようになるためには訓練が必要です。呼吸をすることが当たり前であるのと同じように、賛美もすることが当たり前の日常や「生き方」になるには、訓練と時間がかかります。どのように訓練すればよいでしょうか。詩編145編からヒントを得ることができます。

①  周囲に目を向けること

視野をひろげ、神様が創られたもの、してくださったことなどに目を向け、神様の偉大さとすばらしさに気づきましょう。賛美すべきものが周りにないか、探してみましょう。

②  見たものを忘れないこと

神様がしてくださったことを思い出せるようにしましょう。安息日やバプテスマ式、聖餐式なども神様がしてくださったことを思い出す機会です。他にも、賛美すべきことがあれば忘れないための印となるものがあると良いかもしれません。旧約聖書でも、ヤコブははしごの夢を見たところに石を立てて名前をつけました。その場所に来るたびに彼は神様の約束を思い出しました。

③  見たものについて語ること

賛美はわたしたちの頭の中だけでするものではありません。自分以外の人に向けて表現することによって、他の人にも賛美が伝わります。ですから、賛美は神様を知らない人に対する証となったり、他のクリスチャンに励ましをあたえたりすることができます。

 

5.水曜日:罪を示す証人

使徒言行録16:16〜34を読みましょう。パウロとシラスが牢獄に入れられたときに他の囚人たちは彼らの賛美に聞き入っていました。大地震のあと、全員が逃亡しないでそこに留まりました。この光景をみた看守は「先生方、救われるためにはどうすべきでしょうか」(使徒16:30)と言ったのです。パウロとシラスの賛美は、看守と家族を救ったのでした。賛美の力は、人の心に感化を与えるのです。

 

6.木曜日:勝利を得させる武器

歴代誌下20:1〜30を読みましょう。ユダの王ヨシャファトは敵の大軍に対して神様に助けを求めました。神様は預言者を通して「これはあなたたちの戦いではなく、神の戦いである…主があなたたちを救うのを見よ」と言われました。これを受けてヨシャファトは聖歌隊を編成し、軍の最前列に配置したのです。彼らが大声で神様を賛美すると、敵が同士討ちをして全滅してしまいました。主がかわりに戦ってくださったので、ヨシャファトの軍隊は直接戦う必要がなくなったのでした。彼らが主を信じて賛美をしたその瞬間に、神様が介入してくださったのです。エリコのときと同じように、ユダの民は賛美によって信仰を表現し、その結果彼らを神様は助けられたのでした。

神様が共にいてくださり、味方であることを信じている人は、困難な状況であっても楽観的になることができます。神様がすべてに勝利を収め、すべて必要なものを与えてくださると信じているからです。このことを考えると、賛美をせずにはいられません。

 

7.金曜日:さらなる研究

賛美はあなたの周りにいる人々にも神様の栄光を輝かすための光となります。私たちが困難な状況にあっても賛美をし続けることは、誰かにとっての希望にもなるのです。

 

話し合いのための質問

・あなたは教会で賛美するとき、どのような気持ちで賛美していますか。それはあなたの霊性を高めていますか。

・賛美があなたの生活に影響を与えた経験はありますか。