安息日学校部

第9課 聴覚しょうがい者用 松田 健

2022年第2期「創世記」

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第9課   押しのける者ヤコブ  松田 健

 

1.安息日午後

創世記を通して、神がこの世界を創造し、罪の世の中をもノアとその家族を通して再創造し、アブラハムの生涯を通して神様が人と交わした契約を守り通すこと、神がどんなことがあろうとも、契約を成就させることを学び通してきました。今週のヤコブについての学びからも契約を守り通す神の姿が見られます。

暗唱聖句とその周辺聖句をよく読んでみて下さい。なぜ神様はヤコブと契約を結ばれたのか。なぜエサウでなかったのか考えてみましょう。

 

2.日曜日:ヤコブとエサウ

ヤコブとエサウの違いを聖書と証の書から比べてみて下さい。

ヤコブ・・・無垢で、神が与えようとするものを望む。計算高い、霊的なことを求める人。

エサウ・・・明日のことよりも、今日のことしか考えない。快楽を好む直情型。

ヤコブは、とても理想的な人にも思えますが、ガイド66ページの下に書いてある通りに「ヤコブは良いもの、価値あるものを望みました。それは(特に彼の兄のふるまいと比べると)称賛に値します。しかし、彼はそれを手に入れるために欺きを用い、嘘をつきました。」

これは生き方が正しければ良いということではなく、その中でどの様な選択をするべきかを教えているでしょう。「誤った手段という同じ罠に陥ることなく『良いもの』を得ることができるでしょうか。」

 

3.月曜日:ヤコブのはしご

この学びでは、ヤコブが見た天につながるはしごとバベルの塔の経験を比較しています。

「バベルの塔が神に届こうとする人間の努力を表すのに対して、ベテルのはしごは、神に近づくことは、神が私たちのところに[降りて]おいでになることによってのみ達成できるのであって、人間の努力によらないことが強調されています。」(ガイド67ページ)

創世記28:10-22と創世記11:1-9を読み、比べてみて下さい。

現在の私たちがバベル的な生き方をしていないか、ベテルの生き方を祈り求めているか、考える良い機会にしてみましょう。

 

4.火曜日:欺く者が欺かれる

ヤコブが学んだ教訓について学ぶ箇所です。ヤコブは兄を欺きました。その後、自分も叔父から欺かれました。しかしもっと重要な教訓は、ヤコブ自身が自分の過ちからその報いを受ける中にあって、神をより近くに経験していくことです。ヤコブは夢の中でハシゴを見た時、神の家(ベテル)に行く経験をしました(表現として)。

そしてその後、ベテルの神はいつもヤコブと共にいて下さり、ヤコブはペヌエル(創32章)にて神と顔と顔を合わせる経験をしました。そして彼の名はイスラエルとなっていきました。

確かに欺いた者は同じ様な経験をして学ばされます。しかしその経験の中に神が私たちのもとに降りてきて下さり、私たちはその神に気付かされる度に関係をより深めることができるのであります。

 

5.水曜日:家族の祝福

神は常に変わることのない方であることを学ぶ箇所です。

「この物語は、人間の欠点や過ちにもかかわらず、神の目的は天地において成就することをどのように示していますか。」ヤコブに焦点をあててレアとラケルに起こったことを考えてみます。

そもそもヤコブの物語は、祝福を求めることから始まります。家族が増え、子孫が繁栄していくことを望んでいたヤコブは祝福を受けるために兄と父を騙しました。しかし彼が得た家族にも妬み、行き違いなどが多くある家族となっていきました。けれどもその様な家庭であっても主の契約成就の働きは変わることはありませんでした。

創世記29章31節〜30章22節までを読んで、今日の私たちにあてはめて考えてみましょう。

 

6.木曜日:ヤコブ、ハランを去る

「それにしても、ヤコブはなぜもっと早くラバンのもとを離れなかったのでしょうか。彼の尋常でない忠誠は、ヤコブが変わったことを示しています。」(70ページ)

この変化は、共におられる神との関わりの中で生まれていたものであると言えます。ヤコブは初め、良いクリスチャンでありながらも自分の力と努力で祝福を得る者でした。ある意味、行いによる義を求める者です。

しかし変えられたヤコブは神の導きに頼り、神が祝福される実りと約束を実体験と共に学んで、信仰によって生きる者へとなっていきました。

だからこそ彼は神様が「あなたの故郷に帰りなさい。」というお命じに従ったのです。彼にとっては故郷は帰り辛いところで、まだ兄に会える勇気も確証もありませんでした。しかし彼は信じて叔父のもとを離れたのです。

 

7.金曜日:さらなる研究

「神がヤコブを選ばれたのは、彼が選ばれるに値する者であったからではなく、神の恵みのゆえでした。」(71ページ)

話し合いのための質問をよく考え、聖書を開きながらぜひこの神の恵みについて考えてみましょう。