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第8課 新約聖書の希望 関谷 修一
1.安息日午後
新約聖書の希望は、イエス・キリストにある希望です。「御子と結ばれている人にはこの命があり、神の子と結ばれていない人にはこの命がありません」(一ヨハネ5:11)。これは人が死んだら誰でも魂だけは生きていて、自動的にすべての人が天国へ行ったりすることではない、ということです。永遠の命とは只、イエス・キリストを知る人だけにあります(ヨハネ17:3)。私たちの唯一の希望は、イエス・キリスト(以下「キリスト」に統一)です。
2.日曜日:この世の人生の向こうにある希望
ビクトル・ユーゴーは、「人間は刑期を定められていない死刑囚である」と言いました。私たちは誰でも、いつかは自分が死ぬことを知っています。しかし、「遂にゆく道とは、かねて聞きしかど 昨日今日とは、思わざりしを」で、死はずっと遠い未来の事としか考えられない人は少なくないようです。いえ、考えないようにしているだけかもしれません。
聖書は、私たちの救い主キリストが十字架の死から、確かに三日目に復活した(一コリント15:3-4)と書いています。キリストが復活したのですから、キリストを信じて眠りにつく全ての人たちにも復活する希望が与えられました。私たちの望みは、この世の人生だけで終わるものではありません。
3.月曜日:「わたしは再び来る」
キリストが来られる(再臨)時に、キリストを信じて眠りについた人々が蘇ります。キリストが来られなければ(再臨がなければ)、復活はありません。では、(キリストの)再臨はまだなのでしょうか。長い人間の歴史から言うと、キリストが天に帰られてから現在まで、(キリストの)再臨は随分と時間がかかっているように見えます。でも、「わたし」という個人から見るならば、(キリストの)再臨は、私が死んでから、わずか一瞬の後に起こります(死んだら無意識〈眠った時に何も分からないのと同じように なる〉ですから、どんなに時間が過ぎようとも、すべてはアッという間の時間です)。私たちの死は、いつ来るのか分かりません。でも、間違いなく死の瞬間に、私たちは再臨のキリストとお会いします。私たちはその時が「いつ」なのかは、分かりません。しかし、キリストは、必ずその(キリストの再臨の)時に私たちとお会いして下さいます。キリストは再び来られる(再臨する)のです。「行ってあなたがたのために場所を用意したら、戻って来て、あなたがたをわたしのもとに迎える。こうして、わたしのいる所に、あなたがたもいることになる。」ヨハネ14:3
4.火曜日:「わたしがその人を復活させる」
キリストは
①「天から降って来て、世に命を与え」(ヨハネ6:33)て下さるパンのような方です。
②このキリストの中に永遠の命があります(ヨハネ17:3)。
③そしてキリストは、永遠の命を与えるために「わたし(キリスト)がその人を終わりの日に復活させる」(ヨハネ6:40)と約束して下さいました。
キリストが私たちに約束されている永遠の命は、「復活」で与えられる命です。ですから、私たちもいつかは眠りにつきますが、死んだ後に「蘇る」ことを通して与えられる永遠の命です。その素晴らしいプレゼントを、キリストは再臨の時に、キリストを信じて眠りについて全ての人々に与えて下さいます(生きてキリストの再臨を見ることができた人々は、エリヤのように死ぬことなく永遠の命を頂きます)。
5.水曜日:神のラッパが鳴り響くと
「死んだら、すぐに天国へいく」というのであれば、「キリストを信じて眠りについた人たち」を「復活」させるために、キリストが再臨される必要はありません。キリストを信じて亡くなった人たちは、キリスト再臨の時まで無意識で( 眠った時に何も分からないのと同じように )墓で過ごします。そして、神のラッパが鳴り響くのを合図に、御使いと共にキリストが、天から下ってこられます。すると、まずキリストを信じて死んだ人たちが最初に復活し、続いて生き残っている人たちが、彼らと共に雲に包まれて引き上げられて、空中でキリストと出会います(一テサロニケ4:16-17)。
6.木曜日:永遠の出会い
(キリストの)再臨の時、今までにはなかった驚くような出会いが起こります。キリストを信じて生き残っている人たちは、「一瞬」で死ぬことのない体に変えられます。それから、復活した聖徒(キリストを信じて眠っていた人たち)と共に「キリストを信じて生き残っていた人たち」は、キリストと出会うために空中に上げられます。このことは、「神秘」(一コリント15:51)と言われるほど不思議なことですが、救われた人たちは再会の喜びと共に、「もう永久に別れることなく、喜びの歌をうたいながら、ともに神の都へと上がってい」(『希望の光』1914頁、『各時代の大争闘』下巻425頁)きます。これが「昇天」ということで、この時にはじめて、救われた人たちは天国へと昇っていきます。
7.金曜日:さらなる研究
キリストを知る人にだけ、永遠のいのちが与えられます。それは、確かにキリストが、十字架の死から復活された救い主であるということを信じることです。繰り返しますが、誰でも死んだら、自動的に天国へ行くわけではありません。すべての人が、死んだら墓で眠ってしまいます。けれど、キリストが復活されたからには、キリストを信じるすべての人たちに復活の希望が与えられました。「イエス(キリスト)が死んで復活されたからには、同様に神はイエスにあって眠っている人々をも、イエスと一緒に導き出して下さるであろう」(一テサロニケ4:14 口語訳)と書かれている通りにです。この素晴らしい約束と希望が、私たちがいつ、どこにいようとも、共にあることを感謝したいと思います。