安息日学校部

第7課 聴覚しょうがい者用 松下晃大

2023年第4期「神の宣教、私の宣教

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第7課 隣人への宣教  松下晃大

 

1.安息日午後

今期、私たちは「宣教」について学んでいます。神様のことを誰かに伝えるということはとても大切な教会の働きです。これまでの学びの中で「宣教」には誰かをおもてなしすることであったり、その人のために祈ることや愛することも含まれると学んできました。

今週は隣人への宣教として、ルカ10章25節〜37節から隣人を愛することについて考えます。

 

2.日曜日:最も重要な問い

ルカ10:25を開きましょう。ある律法の専門家がイエス様を試そうと質問をします。

「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」(ルカ10:25)

この専門家はイエス様を「試そう」と思い不真面目な気持ちで質問しました。しかしイエス様はこの質問に向き合います。この質問は多くの人が関心を持っているとても大切な質問だったからです。

 

私たちは「何をしたら永遠に生きることができる」でしょうか。そもそも私たちはどこから来て、何のために生きて、死んだらどうなるのでしょうか。多くの人が考えたことのある質問だと思います。でも、多くの人はこの質問の答えを知りません。そして多くの人はこの質問の答えが見つからずに苦しんでいます。

イエス様はこの質問に何と答えたでしょうか。月曜日を開きましょう。

 

3.月曜日:イエスの方法と対応

イエス様は律法の専門家の質問に、別の質問をして答えられました。

「イエスが、『律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか』と言われると、」

(ルカ10:26)

イエス様は自分で学ぶことの大切さを教えられました。私たちは、答えを求めているのに見つけるための努力をしないことがあります。そして多くの答えは聖書に書いてあります。ですから私たちは自分で聖書を読む必要があります。私たちが聖書を読む時に、聖霊が働いて真理に導いてくれます。「何をしたら永遠に生きることができる」かについても答えがあるのです。

さて、質問に質問で返された律法の専門家はどのように答えたでしょうか。火曜日を見ましょう。

 

4.火曜日:永遠の命を受け継ぐために

ルカ10:27を開きましょう。律法の専門家はこのように答えました。

「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」(ルカ10:27)

 

この答えに対し、イエス様はこう言われました。

「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」(ルカ10:28)

 

イエス様は「それを実行しなさい」と言われました。多くの信者にとって聖書の教えや信仰について正しく答えることは難しいことではありません。難しいことは、信じていることや正しいと思うことを実行することです。しかし、実行しなければなんの意味もないと聖書は語ります。

「もし、兄弟あるいは姉妹が、着る物もなく、その日の食べ物にも事欠いているとき、あなたがたのだれかが、彼らに、『安心して行きなさい。温まりなさい。満腹するまで食べなさい』と言うだけで、体に必要なものを何一つ与えないなら、何の役に立つでしょう。」(ヤコブ2:15、16)

 

キリスト教はただの教えや知識ではなく、生き方なのです。律法の専門家が答えたように、私たちは神と隣人を愛するということを実行する必要があります。

 

5.水曜日:自分を愛するように他人を愛する

「隣人を自分のように愛しなさい」(ルカ10:27)についてもう少し深く学びます。ルカ10:27は律法の専門家が言った言葉です。そしてマタイによる福音書ではイエス様が同じ言葉を語りました。

 

イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」(マタイ22:37〜40)

「律法全体と預言者」は旧約聖書のことです。神と隣人を愛することは、旧約聖書のまとめであるとイエス様は教えられたのです。そして、神と隣人を愛すると、永遠の命を得ることができると教えています。

 

パウロも同じ言葉を語っています。

「律法全体は、『隣人を自分のように愛しなさい』という一句によって全うされるからです。」(ガラテヤ5:14)

パウロは、「神と隣人を愛しなさい」を「隣人を自分のように愛しなさい」とまとめました。パウロにとって、神様への愛を表すことは、隣人を愛すことの接し方に見ることができたのです。

私たちはどうでしょうか。隣人に対しどのように接しているでしょうか。

 

6.木曜日:現代の「善いサマリア人」の物語

ルカ10章25節〜のイエス様と律法の専門家のやりとりに戻ります。神と隣人を愛することを実行しなさいと言われた律法の専門家は、正しい答えを知っていましたが実行することは難しいと考えました。そして自分を正しく見せようと思い、「では、わたしの隣人とはだれですか」と質問しました。(ルカ10:29)

イエス様は、その質問に答える形で有名な「善いサマリア人」のたとえを語りました。ぜひルカ10:30〜37をお読みください。

 

善いサマリア人のまとめ

「ある人が追い剥ぎに襲われ、死にそうな状態になりました。祭司が通りましたが死にそうなその人を見ると反対側を通って行きました。レビ人も同じように反対側を通って行きました。サマリア人が通りました。サマリア人はユダヤ人と仲が悪い民族でしたが、死にそうなその人を見ると気の毒に思い、手当をし、宿屋に連れて行きお金を払いました。」

 

イエス様は善いサマリア人のたとえを語られた後、「この三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」と質問されました。(ルカ10:36)

 

「こうして、『わたしの隣り人とはだれのことですか』という質問は、永久に答えられた。キリストは、われわれの隣り人とは、われわれが属している教会や信仰の隣人だけではないことをお示しになった。それは、人種、皮膚の色、あるいは階級差と何の関係もない。われわれの隣り人は、われわれの助けを要している一人一人である。われわれの隣り人は、敵から傷つけられている魂の一人一人である。われわれの隣り人は、神の財産である人間の一人一人である。」(『希望への光』935ページ、各時代の希望』第54章)

 

私たちも、助けを必要としている人、傷ついている人、私と関わるすべての人を愛して接していきたいですね。

 

7.金曜日:さらなる研究

参考資料として、『各時代の希望』第53章「よいサマリア人」を読みましょう。

・自分とは違う人、個人的に好きではない人を思い浮かべ、その人のために毎日お祈りしてみましょう。

・あなたのクリスチャンではない知人を思い浮かべ、その人の必要を見つけましょう。個人的にその人の必要にどのように応えることができるでしょうか。その人のために何ができるでしょうか。

 

話し合いのための質問

・「善きサマリア人」のたとえから学んだこと考えたことを分かち合いましょう。神様はあなたのことをどのように考え、接しているでしょうか。

・これからの1週間、あなたは隣人のために何ができるでしょうか。「あの人にこのように接したい」という思いがあれば、分かち合える範囲で話してみてください。