安息日学校部

第6課 青年用:下地英樹

2021年第1期「イザヤ―わが民を慰めよ」

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第6課  神を演じる  下地英樹

  • 今週のポイント
    1. 今週は、イザヤ書13章、14章、24〜27章を通して、罪の起源である高慢と自己賞揚について考えます。
    2. イザヤ書13章〜23章には、諸国民に対する神の裁きの言葉(託宣)が記されています。驚くべきことに、13章には「バビロンに対する裁き」が記されています。イザヤが活動した時代、最大の脅威はアッシリア帝国でした。しかし、ユダ王国を滅ぼしエルサレムと主の宮を破壊し捕囚に連れ去るのは、新バビロニア帝国(バビロン)でした。神は託宣を通して、将来に至る預言をイザヤに示されました。
    3. ヤコブは、天と地を結ぶはしごの夢を見て、「これはまさしく神の家である。そうだ、ここは天の門だ」(創世記28章17節)と叫び、ベテル(神の家という意味)と名付けました。一方、バベルの人々は二度と神に滅ぼされないために、天まで届く塔を建設しようとしました。その高慢さは、バビロン(神々の門という意味)にも引き継がれました。
    4. バビロンは、紀元前539年にメド・ペルシャによって滅ぼされます。しかし、このバビロンの精神(高慢)はその後も引き継がれ、バビロンという言葉は、1ペテロ5:13ではローマ帝国、黙示録においては「大バビロン」(黙示録14章8節、18章2節など)として、神の民を迫害する尊大で残忍な権力の象徴として用いられています。
    5. イザヤ書14章には「黎明の子」(英語欽定訳では「ルシファ」)「明けの明星」と呼ばれるサタンが登場します。サタンは「わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、・・・いと高き者のようになろう」(イザヤ書14章13~14節・口語訳)と言いました。
    6. サタンの精神とバビロンの精神には多くの共通点があります。つまり、新バビロニア帝国、ローマ帝国、黙示録に登場するバビロンも含め、サタンが背後で操っている(影響を与えている)ことを知ることができます。
    7. イザヤ書24〜27章には、神の民の救いと敵の敗北が世界的な規模で描写されています。第二天使が「大バビロンが倒れた」(ヨハネの黙示録14章8節・聖書協会共同訳)と語り、バビロンの敗北と神の勝利(神の民の勝利)が預言されています。
  • 用語解説
  1. 大争闘…聖書を通して示されている神とサタンとの戦い。最終的には、神が勝利される。「すべての人間は、キリストとサタンの大いなる戦いに巻き込まれている。それは、神の品性と律法および宇宙に対する主権をめぐる戦いである」(『アドベンチストの信仰』169ページ)。
  • ディスカッションのためのテーマ

「神々の門」と「天の門」について、考えてみてください(水曜日参照)
キリストとサタンの大争闘について考えてみてください。聖書の中で、大争闘はどのように展開されていますか?

補足・コメント

ベテル「天の門」とバビロン「神々の門」との比較より「信仰による義」と「行いによる義」がわかりやすく書かれていました。救いに至る道は、努力や実力で勝ち取るものではなく、神の無償の愛により、神から一方的に与えられるものです。「あなたがたの救われたのは、実に、恵みにより、信仰によるのである。それは、あなたがた自身から出たものではなく、神の賜物である。」(エペソ人への手紙2章8節、口語訳)との御言葉を心に留めたいと思います。