2022年第2期「創世記」
第6課 アブラハムのルーツ 下地英樹
- 今週のポイント
- 今週から3週にわたって、アブラハム(アブラム)について学びます。
- アブラハムは信仰の人と呼ばれ、私たちの信仰の模範です。
- 創世記12章には、アブラムが神様の召しに従う物語が書かれています。アブラムは、神様からの「行きなさい」との言葉に従い、故郷(カルデアのウル)から離れます。それは、彼がこれまで獲得した物(先祖から受けついだ財産、祖国の伝統、教育など)の多くを捨てることでした。
- カルデアのウルはバビロンの都市です。「バビロンから出よ」との召しは、イザヤ書48章20節やヨハネの黙示録18章4節にも書かれています。バビロンから出ることは、創世記から黙示録まで、聖書に一貫して書かれている預言です。
- 創世記12章に使用されている「行きなさい」を意味するヘブライ語には、「自分自身のために行きなさい」という意味があります。このヘブライ語の表現では「自分自身」が強調されており、アブラムは自分自身(バビロンを含む彼自身)から出る(自分を捨てる)ことを意味します。
- 創世記12章に使用されている「地」という言葉は、モリヤの山でイサクを犠牲として捧げる文脈にも用いられています。モリヤの山には、その後エルサレムの神殿が建てられます。
- 創世記12章には、アブラムがエジプトに行く物語が書かれています。約束の地に着いたアブラムは、飢饉に見舞われました。信仰の人とよばれるアブラムでさえ、困難に直面した時に神様ではなく自分自身に頼り、エジプトに行きました。しかし、間違いを犯したアブラムを、神様はお見捨てになりませんでした。
- 創世記13章には、アブラムとロトの物語が書かれています。アブラムは、自分から土地を選びませんでした。それは、神の恵みによって土地が与えられていた事を理解していたからでした。
- 創世記14章には、聖書で記録されている初めての戦いが書かれています。その戦いにおいて、アブラムは中立の立場を取り、彼が関与したのは、ロトを救出するために彼が捕虜になっている敵の宿営を攻撃した時でした。
- アブラムは、「いと高き神の祭司」メルキゼデクに什一を献げました。これは、すべてのものを所有しておられる創造主への感謝の気持ちの表れでした。
- ディスカッションのためのテーマ
・なぜアブラムは、神様からの召しに応えて故郷を捨てる事ができたのでしょうか?
・「バビロンから出る」とは、私たちにとってどういう意味があるでしょうか?
・あなたの人生の中で、神様が捨てるようにお求めになるものは何でしょうか?(日曜日)
・什一を献げることは、なぜ信仰を養うために重要な行為であると同時に、間違いのない信仰の指標となるのでしょうか?(木曜日)