安息日学校部

第6課 聴覚しょうがい者用:武田 将弥

2020年第2期「聖書をいかに解釈するか」(神の言葉の理解の仕方) 

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第6課  解釈はなぜ必要なのか 武田 将弥

 

1.安息日午後
 聖書を読んでみると、たとえ話、歴史の物語、預言を説明する象徴的な夢など、色々な種類のお話が出てきます。聖書のお話には全て大切な意味が隠されており、その意味をしっかり理解するためには、正しく聖書を読む必要があります。これを「解釈」といいますが、もっと簡単な言葉で説明すると「受け取り方」のことです。
聖書を何度も読んでいる人なら、すでに感じたことがあるかもしれませんが、むかし読んだことがあるお話でも、前に読んだ時とは違う感じで頭と心の中に入ってくる経験をしたことがありませんか? たとえば前に読んだ時は何も感じなかったのに、今読んだらすごく励まされた気持ちになったとか、逆に自分の悪いところに気がついてしまい、苦しい気持ちになったりするという経験です。どうして聖書に書かれているお話は変わっていないのに、読むたびに感じ方が違うのかというと、実は聖書が原因というよりも、読む人がその時にどんな気持ちや状態になっているかが原因となっていることが多いのです。たとえば心が暗くて沈んでいる時に読むのと、嬉しくて飛び跳ねたい気分の時に読むのとでは、感じ方が全然変わってくるはずです。
神様が伝えたいメッセージを、自分が間違って受け止めてしまうことには注意してください。今週は受け取り方である「解釈」の重要性について学んでいきたいと思います。

2.日曜日:前提
 私たちは聖書を読む時に、どうしても自分の読みたいように読んでしまう「癖」みたいなものが出てしまいます。それは自分で意識する・しないに関係なく、みんなそうなのです。ですから聖書を完全に正しく解釈することは誰にも出来ません。しかし有り難いことに「その方、すなわち真理の霊が来ると、あなたがたをあらゆる真理に導いてくれる。」(ヨハネ16:13 聖書協会共同訳)と、神様は約束をしてくれています。要するに聖霊の神様が私たちの受け取り方を、正しい方向に導いてくださるのです。だから聖書を読む前には必ずお祈りをしましょう。

3.月曜日:翻訳と解釈
 聖書は大昔の古い言葉で書かれました。たとえば旧約聖書のほとんどが「ヘブライ語」ですし、新約聖書は「ギリシャ語」で書かれています。そのままで読める人は少ないので、今では様々な国の言葉に翻訳されていますが、どうしても100%正確に意味を解釈して翻訳することは出来ません。
もしも聖書に書かれている意味を完全に正しく受け取りたい場合は、聖書を書いた本人に直接教えてもらうのが一番です。ということは、今から2000年くらい前に聖書そのものと言ってもよいイエス様に、直接お会いできた12弟子たちや、同じ時代に同じ国で生活していた当時の人達は、本当に幸運な人だと言えるでしょう。なぜなら聖書の意味を間違って受け取っていたとしても、それを直接イエス様が直してくださるからです。

4.火曜日:聖書と文化
 聖書はかなり昔に、しかも日本から遠く離れた土地で書かれたものですが、不思議なことに現代の私たちにもちゃんと通用します。その理由は、聖書が神様によって書かれた「真理」だからなのです。真理というのは神様と同じで、すべての人に平等です。だから聖書を読んだ人の国や性別、年齢や文化がバラバラだったとしても、すべての人にちゃんと通用するのです。これは本当に不思議であり、素晴らしいことなのです!

5.水曜日:罪深く、堕落した人間の性質
神様と人間の間を邪魔しているものは「罪」です。まだアダムたちが罪を知らなかった頃は良かったのですが、悪魔にそそのかされて罪を犯してからは、人間は真理を理解する力を大きく失ってしまいました。
罪が入り込むと、神様よりも自分の考えや気持ちを優先するようになり、良くないことだと分かっていても、つい悪いことをしてしまう心の弱さが出てきます。罪が入り込んでしまうと性質が自分勝手(ワガママ)になってしまい、我慢することが苦手になってしまうのです。しかし逆に心が神様によって罪が清められてくると、他人を助けようとする親切な気持ちが湧いてきて、聖書の解釈や受け取り方が素直になってきます。

6.木曜日:なぜ解釈は重要なのか
たとえばあるレストランがあったとします。しかし誰かが「あそこのお店はあまり美味しくないよ」という噂話を流したら、それを聞いた人たちはお店に行かなくなるでしょう。たとえ店に入ったとしても、心のどこかで(きっと美味しくないんだろうな)という、食べる前から思い込みがある状態で食べるわけですから、実際に食べても不信感のせいであまり美味しい感動をおぼえないかもしれません。
それと同じように聖書の解釈はとても大切です。もしも私たちが真理を変に受け止めて、それをそのまま他の人に伝えた場合、せっかくの神様の愛のメッセージが間違って伝わってしまうからです。神様を信じる私たちには、イエス様から伝道するお手伝いを頼まれています。ですから私たちは神様のメッセージを伝える前に必ずお祈りをして、聖霊の神様が正しく導いてくださるように自分を整える必要があります。

7.金曜日:さらなる研究
 聖書のみ言葉を読むときには、自分の自己満足を満たすために読むのではなく、イエス様が自分に何を伝えようとされているのかを意識して読むことが大切です。聖書や神様を自分に合わせようとするのではなくて、自分が神様のメッセージに合わせるようにしましょう。それを可能にするにはお祈りが絶対に必要となります。

★振り返りの質問★
あなたは、聖書の教えを知っているのに、それに逆らってしまった経験や、従いたくないなぁと思ってしまったことはありますか? その時はどうなりましたか? また、その体験からどんなことを学びましたか?