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第7課 み言葉を伝える 吉村 忍
1.安息日午後
「あかし」とは、自分のことではなく、イエス・キリストのことを語ることです。イエス・キリストのことを語るためには、イエス・キリストがどのようなお方であるかを知っていることが大切です。私たちはどのようにしてイエス・キリストのことを知ることができるのでしょうか。それは聖書を通してです。み言葉を伝えることは、イエス・キリストを人々に示すことです。聖書のどの真理においても、中心はイエス・キリストです。
2.日曜日:神の言葉の象徴
次の聖句では、神様の言葉を説明するために5つの象徴が用いられています。それらの象徴は、神の言葉の主要な機能をいくつか説明しています。
① 詩編119:105 =「光」
私たちが他の人に聖書を伝える時、それは人生を照らす光のようです。
② エレミヤ23:29 =「火」「槌」
神の言葉は、人間の罪を焼き尽くし、かたくなな心を砕く力があります。
③ ルカ8:11 =「種」
種は、命の源です。御言葉の種が人の心にまかれる時、時間をかけて成長していきます。
そして、魂の救いという収穫に至ります。
④ マタイ4:4 =「パン」
神の言葉は、魂の飢えを満たしてくれます。イエス・キリストは、「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない。」(ヨハネ6:35)とおっしゃいました。
3.月曜日:神の言葉の創造の力
神の言葉は、創造の力を持つ言葉です。私たちは、創世記1章の天地創造の記録を通して、神様は言葉によって創造の業をなさったことを知ることができます。創世記1章の中に繰り返し記されている言葉は、「神は言われた。」「そのようになった。」です。神様が言葉を発せられると、神様が発したものがそこに存在したのです。人間は、何かの材料がなければ物を作ることができませんが、神様は無から有を創造なさることがおできになるお方です。詩編には、このように記されています。詩編33:6「御言葉によって天は造られ、主の口の息吹によって天の万象は造られた。」詩編33:9「主が仰せになると、そのように成り、主が命じられると、そのように立つ。」神様が発せられた言葉の中にあるのと同じ力が、書かれた神の言葉である聖書の中にもあります。聖書には、私やすべての人の心を変える力があります。聖霊の神様は、今日も聖書の言葉に触れるすべての人の心に働いてくださっています。
4.火曜日:神の言葉を研究することの恩恵
ホワイト夫人は、「各時代の大争闘」下巻、309ページに次のように書いておられます。
「ながめることによって変化するということは、知的方面においても霊的方面においても一つの法則である。心は、いつも考えていることに次第に順応するものである。」神の言葉を研究することの恩恵の中に、「人が変えられていく」ということがあげられます。私たちは、キリストを見つめ続けていくことによって、キリストのように変えていただくことができるのです。
私は、聖書の御言葉を学んでくださっている方々が、イエス・キリストとの出会いを通して、顔の表情や話される内容や行動が変えられていく姿を見せていただく時に、神様の御言葉は生きていて、人を変える力があることを実感いたします。
テモテ第二、3:14~17の御言葉は、私たちに神の言葉を研究することの恩恵を示しています。①「キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を与える」②「罪を戒める」③「誤った考えを正し、義に導く」④「善い業が行なえるように十分に整えられていく」
5.水曜日:神の言葉を実際に用いる
昨日は、聖書研究の恩恵について学びましたが、聖書研究をさらに実り多いものにするには、学んだ聖書の御言葉を実際の生活の中で活用することです。聖書には、多くの約束があります。神様がおっしゃった約束を心にとめる時にとても大切なことは、神様の一つ一つの約束を信仰によって受け入れるということです。私たちが信仰によって聖書の約束を信じる時、約束の祝福は私たちのものとなります。神様は、おっしゃったことを必ず果たされるお方ですから、私たちがどんな状況の中にあっても、「神様が約束してくださったことですから感謝いたします。」という信仰を告白することができます。
神様の約束のいくつかを確認してみたいと思います。
① ヨハネ第一、1:9「自分の罪を公に言い表すなら、神は真実で正しい方ですから、罪を赦し、あらゆる不義から私たちを清めてくださいます。」
② フィリピ4:13「わたしを強めてくださる方のお陰で、わたしにはすべてが可能です。」
6.木曜日:み言葉を伝える
良い知らせは、誰かに伝えたくなるものです。黙っていることができません。それは、良い知らせには喜びがあるからです。全宇宙の中で最も良い知らせは、イエス・キリストについてのメッセージです。私たちが、聖書を通してイエス・キリストについて学び、イエス・キリストとの出会いによって喜びと希望を見出した時には、自分の体験を誰かに話したいと思うのではないでしょうか。イエス・キリストと出会ったサマリアの女性は、「さあ、見に来てください。私が行ったことをすべて、言い当てた人がいます。もしかしたら、この方がメシアかもしれません。」と町の人々にイエス・キリストのことを伝えました。宗教指導者たちにイエス・キリストのことを話してはいけないと言われたペトロとヨハネは、次のように言いました。「わたしたちは、見たこと聞いたことを話さないではいられないのです。」誰も、ペトロとヨハネのイエス・キリストに対する信仰と喜びと希望をやめさせることはできませんでした。
イエス・キリストのあかしをする際に、次の3つの原則を覚えたいものです。
①「何を話すか」②「どのように話すか」③「いつ話すか」
7.金曜日:さらなる研究
「神は、すべての人が救われて真理を知るようになることを望んでおられます。」(テモテ第一、2:4)。神様の思いは、すべての人が救われることです。神様は今日も、私たちの周囲にいるすべての人の心に働きかけておられます。神様が人々の心の土を耕しておられるので、私たちには福音の種をまくチャンスがあります。
毎日、キリストの救いを伝えたいと思っている方のために、信仰を持って祈り続けていきたいと思います。また、キリストの救いを受け入れてほしいと願っている方のために、どのように聖書の御言葉を語ったらよいのか、考え込んでしまう時があるかもしれません。その時には、「神様、○○さんに、私がいつ、何を、どのように話したらよいのか教えてください。ふさわしい時と方法を神様にお任せしますので、導いてください。」との祈りをささげていきたいと思います。
聖霊の神様は、私たちの心を動かしてくださいます。また、聖霊の神様は今日も、私たちがキリストの救いを受け入れてほしいと願っている方の心にも働きかけてくださっています。