安息日学校部

第4課 青年用:松本 裕喜

2021年第1期「イザヤ―わが民を慰めよ」

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第4課  厳しい道  松本 裕喜

  • 今週のポイント
    1. アハズ王が南ユダ王国を治めていた時、隣国の北イスラエルとシリアが団結して攻めてきました。その時アハズ王は神を信頼せずに、アッシリア帝国の王ディグラト・ペレセル3世に助けを求めます。彼はアハズ王に支援を送り、北イスラエルとシリアの連合は崩壊しました。アハズ王に必要だったのは、神の預言通りに南ユダ王国は助かるのだから「落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない…心を弱くしてはならない」(イザヤ7:4)という神への信頼を強めることでしたが、彼は神に信頼しないで国をとりあえず救いました。
    2. しかし、助けを求めたアッシリアが今度は南ユダ王国に攻めてきたことで、アッシリアは更に危険な敵となりました。問4の聖句を読むと、更に危険な状況になったにもかかわらず、アハズ王は神に背き続けていたことがわかります。
    3. 南ユダ王国がアッシリアに迅速に征服されることを、生まれる前から神によって決まっていたイザヤの子供の名前によって神は教えようとされました(イザヤ8:1-4)。しかしながら彼らには、「インマヌエル」(神が我々と共におられる)という約束がありました。
    4. 南ユダ王国がアッシリアに攻められるという恐ろしい出来事の中でも、彼らが畏れるべきものは神でした。「神を畏れるとは、宇宙を支配される最終的権威として、神を認めることです」(31頁)。黙示録14:7にもあるように、「神を畏れる」ことが終末時代に求められています。「畏れる」とは「尊敬する」という意味もありますが、「権威を認める」という重要な視点があります。「尊敬する」ことは大切ですが、「権威」には力のあるすごい存在というだけでなく、従うことが求められるからです。そういった意味で私たちは神を畏れているでしょうか。そしてそこには「信頼関係」がなければ、神をただ恐い存在としか見ることができません。
    5. 更に悪いことに、アハズ王は異教の宗教と深く関わっていました。それらは現代で言う神秘主義(オカルト、魔術)でした。アハズ王は真の神ではなくサタンの霊に頼りましたが、それが罪であることは問10の聖句からも明らかです。イザヤ8:19-20にあるように、伺いを立てるべきは神であり、神の言葉に従うことが大切で、死人に伺いを立てることは無意味です。死者に伺いを立てるようなスピリチュアルなどと正当化されて呼ばれている現代の現象や魔術がありますが、「死者はもう何ひとつ知らない」(コヘレト9:5)のですから、それはサタンの霊であり、そこに近づいてはなりません。

 

  • 用語解説

ニューエイジ運動:1970-80年代に使われ始める。キリスト教概念と東洋の神秘主義な諸宗教の要素が混交した新しい霊的運動。

 

  • ディスカッションのためのテーマ
    1. (水曜日の質問より)この世が恐れるもので、クリスチャンが恐れるべきでないものはありますか。逆に、この世が恐れていないものでも、クリスチャンが恐れるべきものは何ですか。
    2. (木曜日の質問より)神秘主義や心霊術の影響を最小限に食い止めるためにはどうしたらよいですか。