安息日学校部

第4課 青年用 松本 裕喜

2022年第2期「創世記」

PDFダウンロード

第4課   洪水   松本 裕喜

 

  • 今週のポイント
    1. 世界を滅ぼす洪水に備えるために神は箱舟を作るようにノアに指示しました。「箱舟」を意味するヘブライ語の「テヴァー」は、人を救う神の働きを指し示す言葉です。神の指示に対してノアは神に対する単純な信仰を持っていたので、その通りにして救われました。洪水が起こること、箱舟を造ってそこに入ることで救われることは、神を信じない人からすればおかしな話です。ヤコブ2:20が教えているように、行いの伴わない信仰は役に立たないどころか人を滅ぼします。私たち現代人は神の言葉を困った時の名言集程度にしか認識していないので、世の終わりや永遠の命について教える神の言葉が私たちの命に関わっていることをもっと認識し、信じなければなりません。
    2. 創世記7章を、天地創造の記録と比較してみましょう。類似する言葉がいくつかあることや、洪水の記録は創造の記録とは順序を逆に書いている構造であることがわかります。神は何かを新しく造る前に古いものを壊すお方です。神の与える新しい命を受けるために、私たちが大事に持っている古い心(昔受けた心の傷や痛みなどもそうです)が神によって壊され(癒され)なければなりませんし、神に壊して(癒して)いただくために私たちの古い心を神に差し出しましょう。
    3. 箱舟に入ることでノアと家族は救われましたが、いつまでも箱舟の中にいることが良いわけではありません。人類の創造から神は「産めよ、増えよ」と言われたので、救われた人類は神の御心を果たすために箱舟から出なければなりませんでした。箱舟から出るタイミングを知るために、ノアは烏や鳩を放って外の様子を伺い、神の指示を待ちました。箱舟には「天窓」(創6:16新改訳)がありましたが、天窓では外の様子はわかりません。私たちも何か物事を考え実行する決断をする際には、箱舟の中に閉じ込められているようなものかもしれません。しかし「天窓」があります。神が私たちを御心に留めておられることを信じ、「天窓」を通して外の様子を伺い、神の指示を受けて行動したいものです。
    4. 箱舟から出たノアは、まず神を礼拝しました。神の指示を受けて行動した結果、様々な結果を得ますが、神を礼拝することを忘れないようにしましょう。洪水後の食物事情について説明がありますが、洪水後には植物が全くない状態ですから、肉食が許されたのはある意味で仕方のないことだったと思います。肉食にも制限があり、清い動物と汚れた動物の区別をすることと、血を含んだまま食べないということです。これは現代でも適応されるべきことです。ただ、肉食が肯定されるべきではないということは天地創造の過程からもわかりますし、やがて来たる神の国では肉食はないはずですから、できる範囲で神が与えられた本来の食事を実践することも再臨の備えになるのです。
    5. お持ちの方は是非、副読本を読んでください。創世記8-9章の流れと天地創造の流れが比較され、両者は並行するものだと説明しています。この説明によると、創世記9章の契約の虹は天地創造での安息日と並行しているとのことです。虹は今や単なる自然現象とみなされていますが、神を信じる者にとって虹は神の契約のしるしです。神がやがて罪の歴史を終わらせ、私たちを新しく造り変える約束を、私たちは虹を見るごとに思い出すことができます。

 

  • ディスカッションのためのテーマ
    1. 新しく造られるために、私たちの中の何が壊される必要があるでしょうか。
    2. 洪水前の社会と現代社会の共通点は何でしょうか。それらの特徴は、私たちに対する神の恵みについて、何を教えているでしょうか。