安息日学校部

第4課 聴覚しょうがい者用:伊藤 裕史

2019年第2期「家族の四季ー神の約束という光の中で生きる」

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第4課 独りのとき 伊藤 裕史

 

1.安息日午後

神様は私たち人間をひとりでいるようには造られませんでした。他の人との交わりの中で生きることが、私たちの幸せなのです。皆さんは今どうですか。ひとりですか、それともよい交わりの中にいますか。私たちが住んでいる地上での生活はけっして神様の造られた喜びの交わりがあふれているところではありません。今週は、神様が造られた結婚を中心に、交わりと、交わりのないひとりの時について学んでいきます。

 

2.日曜日:交わり

神様は私たちを、交わりの中で生きるように造られました。エデンの園での生活は、神様や人との交わりからはじまりました。コヘレトの言葉4:9~12の言葉は、この交わりのすばらしいことを私たちに伝えています。

しかし、ここに問題があります。たしかに私たちは人の中で生活をしています。ひとりではありません。私たちは家族や地域、職場や教会で人にかこまれています。しかし、その中にあって自分はひとりだと感じることはありませんか。私たちは多くの人の中にいても、私はひとりであることを感じることがあるのです。

その時でも、神様がいっしょにいることを忘れないでください。聖書全体に約束されていること。それは「神は我々と共におられる」だからです。

 

3.月曜日:結婚しない人生

神様はエデンの園で、「人は独りでいるのはよくない」といって結婚制度をつくられ、家族をつくられました。神様が用意してくださった交わりの基本が家族とするならば、家族をつくる結婚はひつようなものなのでしょうか。

聖書を読むと結婚しなかった人がたくさんでてきます。イエス様も結婚されませんでしたし、他の預言者たちも結婚してずっと幸せとはかぎりませんでした。結婚はよいことですが、結婚をしてうまくいかないこともあるでしょう。私たちの人生は結婚しているかどうかが問題ではないのです。神様の備えられた道を歩く時に、その歩みの中で結婚がひつようかどうかを考えなくてはいけないこともあるのです。

ただ、今の日本は、むしろ「結婚できない」社会といわれています。それは経済的な理由が中心だといわれています。若者たちが結婚できるために考えていかなくてはいけないのかもしれません。

 

4.火曜日:結婚生活が終わる時

皆さんの中には、結婚をして、そのすばらしいことを経験している人もいると思います。でも、これまで学んだように、それはこの地上においては永遠に続くものと決まってはいません。変化がおそうときがあります。

残念ながら、私たちのまわりでも、結婚生活をつづけることができずに離婚する人がたくさんいます。どのような理由があるにせよ、離婚はつらいものです。神様も「わたしは離婚を憎む」と言われています。

だから、できるだけ結婚生活がうまくいくように2人も努力をしていかなくてはいけません。まわりも協力しなくてはいけません。教会でもさまざまなプログラムを持つことができるはずです。皆さんでできることはありませんか。

 

5.水曜日:死と孤独

結婚をふくむあらゆる交わりをこわすものが死です。死によって関係がこわされることが、私たちをひとりにするのです。私たちはアダムとエバの時から、この死を経験しています。皆さんもこれまで、愛するものの死、身近な人の死を経験していると思います。でも、いずれやってくるものとして、この大きな出来事を当たり前のものと考えてはいませんか。考えても無駄だと、考えないようにしていませんか。そして、そこからやってくる、ひとりとなる悲しみをあきらめて受け入れてはいませんか。

それはなにも考えずに受け入れていいものなのでしょうか。そうではないはずです。死によってもたらされるものは、神様のみこころではないからです。そして、皆さんはそれを打ちくだく約束を知っておられるはずです。確かに地上での生活で、死はのがれることのできないもの。しかし、それを打ちくだく約束を求めることはできるのです。聖書のみことばでそれを確認し、祈りにくわえて下さい。

 

6.木曜日:霊的独身

青年たちの関心の一つは結婚です。そこに立ちはだかるのは、愛する人が同じ信仰を持っているかどうかです。教会には家族の中で信じるものがちがうことで、いっしょに礼拝をうけることのできない人がいます。そこには2つのことが起こっています。

一つは神様の側に立つ人の感じるひとりの悲しみです。いっしょに教会生活をおくることができない。いっしょに活動することができない。いっしょに礼拝することができない。もちろん、このような人は神様からの励ましを受けることができます。教会からの支えも必要となるでしょう。そのためにできることを考えていきましょう。

しかし、そこにはもう一つの悲しみがあります。ひとり取り残される悲しみです。安息日に、家族の中で奥さんと子供が教会に出席、ご主人だけが一人ですごす、という家族をいくつも見てきました。家族がいっしょに教会にくることができるために何ができるかも考えていかなくてはいけません。

 

7.金曜日:さらなる研究

神様はさまざまな道を用意してくださっているので、これだけで大丈夫というものはありません。今週は結婚を中心に考えていきました。しかしその時その時で交わりの中心を、神様にしなくてはいけない時もあれば、人との交わりを大切にしなくてはいけない時もあるのです。エノクの神様との交わりの生き方はすばらしいですが、すべての人の、すべての時に当てはまるものではないのです。

一番の問題は、人との交わりを求めていながら、それが満たされない人がいるということです。教会の中でさえ、それが起こるのです。そして、そのことは周りの人にはすぐには分からないのです。皆さん自身で、教会で、そのような人のためにできることを考えていきましょう。