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第4課 金細工職人の顔を見る 松下晃大
1.安息日午後
純金を作るというのは、大変なことのようです。インドの伝統的な職人のところでは、炭の火の中に瓦を置き、その上に塩・タマリンドの実・レンガの粉を混ぜた混合物と、金をのせます。この混合物が火で溶ける時に、金が純金になるようです。ただ、純金の質がいまひとつであれば、さらに高い温度の火で混合物と共に熱します。質が良い純金は、職人が金を見た時に、まるでかがみのように金に職人の顔が映るそうです。純金は美しく、非常に高価なものですが、純金を作るためには、厳しく危険な過程を通らなければならないのです。※ガイドの表紙の絵を見てみましょう。
神様も私たちを清め、金のように熱し、神様のみかたちに変えたいと望んでおられます。私たちの品性が、かがみのようにイエス様を映すものになるには、数々の試練が必要なのです。今週は、品性の形成の大切さについて、イエス様に似た品性になることの大切さについて学びます。
2.日曜日:神のみかたちに
「神は前もって知っておられた者たちを、御子の姿に似たものにしようとあらかじめ定められました。それは御子が多くの兄弟の中で長子となられるためです。」(ローマ8:29)
神様は最初、私たちを神様の姿にかたどってお造りになりました。しかし、その姿は罪によって損なわれました。私たちは罪に汚れてしまっていますが、神様の切なる望みは、私たちを創造当初の姿に回復することです。罪の世界において、私たちが創造当初の姿に回復するということは、神様のみかたちが私たちのうちに現される、品性の完成です。
3.月曜日:清めの火の中の信仰
ヨブ記23:1〜10を読んでみましょう。
「しかし彼はわたしの歩む道を知っておられる。彼がわたしを試みられるとき、わたしは金のように出て来るであろう。」(ヨブ記23:10 口語訳)
恐ろしい試練の中にあっても、ヨブは神様を信頼し、試練に耐えました。ヨブは、神様を信頼し続ける限り良いものになること、純金のようになることを知っており、将来そうなることを見ていました。そのようなヨブは試練の中にあっても清めを感じ、耐えることができました。試練の中にあっても、その試練を通して清めを感じていたことが、ヨブの品性の素晴らしさを証しています。
4.火曜日:イエスの最後の言葉
マタイ25章には、イエス様が弟子たちに語った最後のたとえ話が記されています。「十人のおとめ」「タラント」「羊と山羊」とても有名な例え話です。これらの例え話は、イエス様の再臨を待つ者として、私たちがどのように生きるべきかについて教えています。再臨が近づく今、とても大切な教えとなっています。
「十人のおとめ」のたとえに出てくる「油」は、聖霊を表しているとよく説明されます。もちろんその通りですが、エレンホワイトはもう一つ、「品性」をも象徴していると言います。五人のかしこいおとめが余分に持っていておろかなおとめにあげることができなかった油は、だれもその人に代わって手に入れることができない品性でもあります。
「羊と山羊」のたとえでは、王様が国民をそれぞれの行いと品性によって右と左に分けています。これは、行いによる救いについて教えているのではありません。しかし、救いの計画にとって品性の発達がどれほど重要であるか、イエス様によって救われている者が、その救いを生き方と品性の中に反映しているかが大切だと知ることができます。
5.水曜日:「目覚めた人々」
ダニエル12:1〜10を読んでみましょう。ここにはダニエルが見た幻として、再臨の前に起こる出来事が記されています。
イエス様が来られる直前には、かつてなかったほどの悩みの時が来ると記されています。そして、その時代に生きる正しい人々と逆らう人々が描かれています。
正しい人々はこのように記されています。「目覚めた人々は、大空の光のように輝き、多くの者の救いとなった人々はとこしえに星と輝く。」(ダニエル12:3)どのようにしたら、このような素晴らしい人になれるのでしょうか。10節には「多くの者は清められ、白くされ、練られる。」と記されています。正しい人々は、悩みの時に練られ、清められるのです。試練を通して清められ、大空のように輝く正しい人が、再臨の直前には大勢いるのです。
6.木曜日:品性と共同体
エフェソ4:11〜16を読んでみましょう。パウロがエフェソの信徒に、教会は一つの体であると書いています。イエス様が頭で、残りの部分は神の民が作り上げているというのです。
「ついには、わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、成熟した人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです。」(エフェソ4:13)ここには、教会の究極の目的が記されています。まさに、品性が成熟し、キリストが満ちあふれることが私たちの歩みの目的です。自分ひとりでこの目的が達成できるでしょうか。この目的を到達するために私たちはお互いを必要とするのです。
私たちは互いに協力して交わりを持つときに、キリストの豊かさを経験し、成長することができるのです。
7.金曜日:さらなる研究
参考資料として、『キリストの実物教訓』第29章「花婿を迎える準備」、『各時代の大争闘』第39章「大いなる悩みの時」を読みましょう。
「品性を築くことは、人類に任された最も大切な働きであって、今日ほどこれについて熱心に研究しなければならない時はかつてなかった。これほど重大な問題に当面した時代はこれまでになく、また青年男女が今日ほど大きな危機に直面したこともかつてないことであった。」(『教育』266ページ)
品性の形成のために祈りましょう。もし今、試練の中にいるのであれば、神様を信頼し、将来の品性のために祈りましょう。
〈話し合いのための質問〉
試練による清め、品性の形成をどのように経験したことがあるでしょうか。苦しむことを通して以外に、清められた方法があったでしょうか?