安息日学校部

第4課 聴覚しょうがい者用 伊藤裕史

2022年第1期「終わりの時代に生きる」

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第4課  洪水  伊藤裕史

 

1.安息日午後

今週は創世記6章から9章までの長いところを読んでいきます。長いですがここはノアの洪水のお話で、聖書の中でもよみやすいお話です。ぜひ一度とおして読んでみてください。あらすじは、神様は「地上に人の悪が増し、常に悪いことばかりを心に思い計っているのを御覧になって」(創世記6:5)苦しまれ、もとに戻そうと洪水を起こされます。しかしノアの家族だけ救われるお話です。皆さんは今週の学びを、滅ぼされる人の側で考えるのではなく、自分が救われるノアだったらどうするだろうか、と考えて学びをすすめてください。

 

2.日曜日:洪水の備え

創世記6:13-7:10を読んでみましょう。洪水を計画された神様はノアに何を命じられたでしょうか。神様はノアに救われるための箱舟を作るように命じられました。その時ノアのしなくてはいけなかったことは何だったでしょうか。神様の計画をきいてあわてることでしょうか。そんなひどいことを、と思って怒ることでしょうか。それとも、そんなことはおこるはずがないと何もしないことでしょうか。そうではありません。「ノアは、すべて神が命じられたとおりに果たした」(創世記6:22)。そうです、神様の命じることを忠実に行うことでした。皆さんは神様の命じることを忠実に行っていますか。神様がお命じになることをそのまま行うこと、それが信仰者の姿なのです。ノアが神様の命じられるままに作った箱舟で、ノアの一家と動物は救われることになりました。

 

3.月曜日:洪水の出来事

創世記7章を読んでみてください。ノアは神様の命じるままに「箱舟」を作って洪水から救われます。では神様の起こされた洪水はどのような意味を持ったのでしょう。悪いことばかり考えている人たちにとっては、自分の命をうばうものでした。でも救われるノアの立場から見るとどうでしょうか。洪水は自分たちを悪から守ってくれるもので、新しい素晴らしい世界を造ってくれるものでした。新たに「造る」ということは、これまであるものをこわすことでもあるのです。洪水はおそろしいものですが、そのことによって新しい世界が造られていくことにもなるのです。

神様が聖書の終わりの時代に行われることも、今ある世界がこわされることになります。しかし、それは新しい世界を再創造するすばらしい神様のご計画でもあるのです。

 

4.火曜日:洪水の終わり

創世記8章を読んでみましょう。洪水を引き起こした雨はやみました。皆さんはその後どうしますか。多くの人は何もしない、じっと待つと思います。しかし、ノアは違いました。

8章は「神は、ノアと彼と共に箱舟にいたすべての獣とすべての家畜を御心に留め、…」(創世記8:1)という言葉ではじまっています。「御心に留め」という言葉は「神様は忘れておられない」という意味です。ノアは「神様は忘れておられない」ことを信じることで、神様から直接何も命じられていなかったにもかかわらず、自分でいろいろなことを考えて行っていきます。外を注意深く観察し、カラスやハトを外に出して、まわりがどうなっているか調べました。神様への信仰は決して何もしないことではありません。信じて考え、行うことです。

しかし、大切な時は神様の言葉を待って行わなくてはいけません。ノアも箱舟から最後に出る時は「さあ、あなたもあなたの妻も、息子も嫁も、皆一緒に箱舟から出なさい。」(創世記8:16)という神様の言葉を待ってから外に出ました。皆さんにも神様から大切な言葉が言われていませんか。その言葉にしたがいましょう。

 

5.水曜日:契約(その1)

創世記8:18でノアは洪水のあとはじめて外に出ました。皆さんだったら、外に出て最初になにをしますか。これまで箱舟の中できゅうくつな苦しい思いをしていました。外に出て走りまわりたくなるでしょう。ノアたちも同じでした。しかし聖書は、ノアが最初にしたことは神様への礼拝だった言っています。神様といっしょにいることを喜んだのです。創世記で神様が人を造られたすぐ後に安息日をつくられ、人といっしょにすごされた時とおなじです。すべてが新しくなり何をするか。大切な人と一緒にすごすのです。

ただ創造の時と違うことがありました。ノアは「犠牲」をささげなくてはいけなかったのです。ノアのささげもので示そうとしたのは神様への感謝でした。

さて、洪水によって大きく変わったことがあります。洪水の結果、神様が人の食べるものとして用意されていた植物が手に入らなくなったのです。そこで神様は人に動物を食べることをおゆるしになったのです。(創世記9:3)しかし、なんでも食べてもよいということではありませんでした。食べるための注意もいっしょに伝えられたのです。

 

6.木曜日:契約(その2)

これまでノアが何をしたかを見てきました。では洪水の時、神様は何をしてくださったのでしょうか。創世記8:21-9:1を読むと、神様は決して人を滅ぼすことを望んでおられたのではないことが分かります。そして人を造られたことを後悔されていたのでもないことが分かります。もしそうならすべてを壊されたでしょう。しかし神様はこの洪水によって、私たち人間の再出発のチャンスをあたえてくださったのです。これはすべて神様の恵みです。洪水後の「人に対して大地を呪うことは二度とすまい。…わたしは、この度したように生き物をことごとく打つことは、二度とすまい。地の続くかぎり、種蒔きも刈り入れも/寒さも暑さも、夏も冬も/昼も夜も、やむことはない。」(創世記8:21,22)という言葉は、神様が人は同じことを繰り返さないことを信じておられることを示しています。皆さんは神様の思いにこたえて、悪が世界に広がらないようにしていきましょう。

最後に神様は虹をかけて、私たちが大切なことを思い出すことができるようにしてくださいました。虹は神様と人との契約のしるし、天地創造の時の安息日と同じ働きをしています。

 

7.金曜日:さらなる研究

「 わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」(創世記9:11)神様は人を信じて洪水をもって滅ぼさないと約束してくださいました。しかし、今はどうでしょうか。もしかすると洪水前の人々と同じ状態なのではないでしょうか。私たちは同じ罪を神様の前でしているのです。今、この世界で行われていることは、神の再創造のときがせまっていることを知らせているのです。皆さんは今の時代のノアです。多くの人を皆さんの忠実に作る箱舟に導いて、新しく創造される世界へいっしょに行きましょう。