2022年第2期「創世記」
第3課 カインと彼の遺産 朴 昌
- 今週のポイント
- 今週は、カインとアベルの話を通して聖書の約束について学びます。
- アダムとエバはエデンの園から追い出された後もなお、メシア到来の預言(3:15)を覚えていました。そして、長男であるカインが生まれた時、彼が約束されたメシアであるように望みました。弟アベルの名前が「むなしい」言葉と関連があるため、アダムとエバの希望がカインに集中していたことが推測できます。
- アベルは神様の教えに従って初子である羊をささげ、カインは自分の努力で得た土の実りをささげました。これらのささげ物は、神様に従う信仰を表すものでした(ヘブライ11:4;Ⅰヨハネ3:12;箴言3:9参照)。
- 神様は怒っているカインの方へ来て、罪から逃れるためには正しいことをするだけではなく、欲望を抑える(支配する)ことが必要だとおっしゃいました(4:7)。そして再びカインを正しい道へ導こうとなさいました。
- カインは自分の罪によって神様から離れ、さすらう者になりましたが、神様は変わらず憐れみ深く彼を扱い、彼を守るしるしをお与えになりました。
- 創世記4章のカインの系図を見ますと、カインの子孫たちはカインが犯した罪よりも大きな罪を犯し、さらなる罪の深みに陥っていったことがわかります。しかし、神様はアベルの代わりとなるセトを通して、その子孫からメシアが生まれることを約束なさいました。罪が蔓延している時にも、神様の深い恵みと希望の約束があることを覚えたいと思います。
- ディスカッションのためのテーマ
- なぜヘブライ人への手紙には、アベルの献げ物がカインの献げ物より「優れた」と書かれているのでしょうか。ヘブライ人への手紙にある「より優れた」という言葉は、どういう意味でしょうか(ヘブライ1:4、3:3参照)。
- カインの系図(4章)とセトの系図(5章)の違いに注目しましょう。どういう違いがあり、その意味はどのようなものでしょうか。
- 補足・コメント
「サタンは天使たちに対して用いたのと同じ政策を、人類に対して用いてきた。・・・サタンは、人々に自分は正しいのだと思わせ、彼らの罪の行為に他人の共鳴を求めさせる。・・・これが義人アベルの時代から今日に至るまで、罪をあえて責める者に対して示されてきた精神である。」『各時代の大争闘』下、237-238頁