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第3課 永遠の福音 池増 益男
1.安息日午後
ダニエル書8章14節の「二千三百の朝と夕」の預言を「キリストの再臨」と解釈したウイリアム・ミラーによって始まった再臨運動は、1844年10月22日にキリストの再臨がなかったことによって大失望に終わりました。しかし、その原因を熱心に探究したグループは、それが「天における調査審判(再臨前審判)」の開始であることを知りました。そしてこの審判こそ第一天使の使命の「神のさばきの時」(黙示録14:7 口語訳)であったのです。こうしてこのグループ(セブンスデー・アドベンチスト教会)は黙示録14章6〜12節の三天使の使命こそ、キリストの再臨の前に伝えるべき最後の使命であり、これを宣べ伝えるために彼らは神によって起こされた特別の教会であるという確信を持ったのです。
2.日曜日:恵みに満ちた希望の書
皆さんにとって黙示録はむずかしいでしょうか? また怖いでしょうか? たしかに獣や象徴で描かれているところも多く、また迫害の場面も少なくないのでそう感じるかもしれませんね。
しかし、よく考えてみてください。この黙示録は父とみ子イエス・キリストから与えられたものです。父とみ子は私たちのために何をしてくださったでしょうか? またこれから何をしてくださろうとしているでしょうか? 父は私たちの救いのためにみ子を私たちにくださいました。み子は私たちのために十字架の上で血を流し、私たちの罪を赦し、罪の刑罰と力から救い出して、神の息子、娘としてくださいました(黙示録1:5〜6)。そればかりでなくやがてサタンを滅ぼし、罪や苦しみ、涙のない新しい神の国(天国)に入れてくださるのです(黙示録21章)。
世界中の人々が罪とその結果にどれほど苦しんでいるか、世界のニュースに溢れていますね。黙示録はこのような世界がやがて終わり、新しい喜びに満ちた世界が始まることを教えてくれている希望の書なのです。
3.月曜日:永遠の福音
黙示録14:6に「わたしは、もうひとりの御使が中空を飛ぶのを見た。彼は地に住む者、すなわち、あらゆる国民、部族、国語、民族に宣べ伝えるために、永遠の福音をたずさえてきて、」(口語訳)とあります。注目したいのは「永遠の福音をたずさえて」という言葉です。この「永遠の福音」が理解されなければ、神の裁きのメッセージ、バビロンの倒壊、獣の刻印など、三天使の使命全体を正しく、完全に理解することはできません。
パウロはコリントの信徒に、「もしあなたがたが、いたずらに信じないで、わたしの宣べ伝えたとおりの言葉を固く守っておれば、この福音によって救われるのである。」と力強く書きました(1コリント15:2 口語訳)。「この福音」とは彼が以前コリントの信徒に教えた、キリストの十字架の死と復活による救いです。これ以外に神は罪人を救う方法を持っておられません。この十字架のキリストが私たちの罪を全て赦し、復活のキリストが私たちを罪の力から解放し、再臨のキリストが、私たちの将来に希望を与えるのです。
しかも「永遠の福音」と言われているのは、この救いの計画はこの世界が創造される前からすでに神によって立てられていたことを示しています(2テモテ1:9、エペソ1:4)。この福音は今日も、明日も変わりません。天国に入った後も、キリストの手の十字架のくぎ跡は永遠の愛の記念碑となります。
4.火曜日:恵みの物語
昨日も書きましたが、三天使のメッセージは福音そのものです。神が滅びゆく罪人をなんとしても救おうとなさる神の愛の物語なのです。ご自身を十字架にいけにえとして捧げられたイエス様の愛の物語です。
問3 黙示録13:8と1ペテロ1:18〜20を読んでみましょう。これらの聖句は救いの計画について何を教えていますか?
「ほふられた小羊のいのちの書に、その名を世の初めからしるされていない者は」(黙示録13:8 口語訳)とあるように、ほふられた小羊、つまり十字架につけられたキリストの書に、イエスを信じる者の名が記されるのですが、この書は「世の初めから」あったというのです。また、「キリストは天地が造られる前から、あらかじめ知られていたのであるが、この終わりの時に至って、あなたがたのために現れたのである」(1ペテロ1:20 口語訳)とあるように、み子イエスの十字架の救いが天地創造の前に立てられていたことをパウロは告げています。また彼は、この計画を「長き世々にわたって、隠されていた……奥義」(ローマ16:25 口語訳)と記しています。人類の救いの計画は神様のお心の中に永く秘められていたものなのです。こうした聖句から、私たちの創造と永遠の幸福のために神がどれほど深く考え、心を砕いてくださっていたかを知ることができます。神の深い知恵と無限の愛に心から感謝したいと思います。
5.水曜日:全世界に出て行って
問4、問5 黙示録14:6とマタイ28:19、20を併せて読んでみてください。永遠の福音はどの範囲にまで伝えたらよいのでしょうか?
マタイ福音書は「あなたがたは行って、すべての国民を弟子として」(口語訳)と記しています。つまり全世界の国々の人々です。黙示録は「彼は地に住む者、すなわち、あらゆる国民、部族、国語、民族に宣べ伝えるために、」(口語訳)とより詳しく記しています。
この宣教命令を果たすために聖書の翻訳も英語、日本語、フランス語というような国の言葉、部族の言葉、民族の言葉に訳されてきました。
2022年10月の時点で、世界の言語数は7388あります。聖書全巻が訳されている言語数は724、部分訳2865(新約聖書1617言語、分冊1248言語)、合計3589言語に翻訳されています。こうしてみるとまだまだ訳されていない言語がたくさんあって、現在157カ国、2846言語で聖書翻訳が進行中です。(日本ウィクリフ聖書翻訳協会提供)
私たちはともすると自分の教会のこと、日本のことばかりに目を向けがちですが、神は全世界に目を向けるようにとおっしゃっています。
6.木曜日:宣教運動
安息日の午後のところでも書きましたが、アドベンチストたちは大失望後、「聖所」について熱心に研究した結果、黙示録14章7節の「神のさばき」が調査審判(再臨前審判)であることを確信し、永遠の福音を土台とした、三天使の使命を全世界に伝えなければならないことを確信しました。
1874年に世界総会はアメリカ以外の国へ初めて宣教師を送ります。その人がヨーロッパに送り出されたジョン・N・アンドリュースでした。彼は7つの言語を話し、新約聖書を暗誦することができ、旧約聖書のほとんどを理解していた優れた学者、有能な神学者でした。また多くの本を書き、雄弁な説教家でもありました。
その後、これまでに世界にこのメッセージを伝えに出て行った人々は、牧師、医療従事者、教師、建築士、農夫、そのほかさまざまな職種の人々でした。しかも多くがボランティアや自給伝道者として働く信徒たちであったそうです。彼らはキリストの再臨に備えてこの救いのメッセージを伝えずにはおれない、聖霊による熱意に燃えていたのです。その結果、教会と集会所数:168,272(2021年)、教会員数:21,912,161人(2021年)、国連が認定する世界の国と地域数235のうち、アドベンチストメッセージが伝えられている国と地域は212(2020年)に及んでいます。
7.金曜日:さらなる研究
ガイドに引用されている『各時代の大争闘』下巻 382、383ページの文章を読んでください。再臨直前に献身した神の民が喜びに満ちて天の使命を伝える一方で、それに対抗するサタンと彼につく人々の行動が描かれています。私たちはどちらのグループにいることを望むでしょうか。
<話し合いのための質問>
①信仰による義と三天使のメッセージは、どんな関係にあるでしょうか。
簡単に説明すると、信仰による義とはイエス・キリストの十字架は自分のためであったと心から信じることによって与えられる罪の赦し(正しいと認められる)と救いです。つまり永遠の福音そのものです。その結果、私がキリストを信頼し続けていることが調査審判(再臨前審判)において明らかにされます。サタンが権威を与えた獣(バビロン)は、このキリストから信徒を引き離すためにさまざまな誘惑や偽りの教えやしるし、そして弾圧を行います。それに騙されたり、負けてはいけないという警告が第二天使、第三天使のメッセージです。どんなことがあってもキリストから離れてはいけない、キリストのみに信頼しなさいというメッセージです。これはまさに信仰による義そのものではないでしょうか。