安息日学校部

第2課 聴覚しょうがい者用: 鈴木 優人

2019年第4期「エズラ記とネヘミヤ記ー忠実な指導者を通して神がなしうること」

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第2課 ネヘミヤ 鈴木 優人

 

1.安息日午後

先週学んだように、神殿の再建のために捕囚の第一次帰還が行われ、続いてエズラと共にエルサレムに帰ることを望んだ祭司、王族、12の家族たちがエルサレムを完成させるために第二次の帰還を果たしました。この民の二つのグループがユダに戻ったことは、神様の約束の部分的な成就でした。しかし、周辺国が強力なイスラエル人を恐れたために建設は反対され、再建計画の残りの部分は放棄されてしまい、一部の人達はペルシャに残されたままとなってしまいました。そこで神様は約束を実行するためにもうひとりの指導者をお立てになりました。それが、ネヘミヤです。

 

2.日曜日:悪い知らせを受けるネヘミヤ

ネヘミヤのもとに悪い知らせが届きました。兄弟のひとりハナニから、すでに先祖の地に帰還していた人々の状況が悲惨であることが告げられたのです。なんと、エルサレムは再建できておらず、敵に城壁を壊され、町が荒れ果ててしまっていたのです。ユーフラテス西方の人々が抗議文を送ったことによって、アルタクセルクセス王が工事を中止させたのでした。神殿は完成していましたが、そこで奉仕する人たちがエルサレムに住むことができなくなっていたために、神殿は機能していませんでした。ユダの人たちは神様に栄光をお返しし、礼拝するために帰ったにもかかわらず、それができていなかったので、ネヘミヤは悲しみました。それでも、ネヘミヤは神様に頼り続けました。彼はただひたすらひざまずいて祈りと断食に専念したのでした。

 

3.月曜日:ネヘミヤの祈り

ネヘミヤは次のように祈りました。

1.神よ、あなたは偉大にして、慈しみを注いでくださる。(5節)

2.私に耳を傾けてください。(6節)

3.罪を告白します。(6,7節)

4.あなたの約束を思い起こしてください。(8,9節)

3.あなたは我々を贖われました。(10節)

2.私に耳を傾けてください。(11節)

1.神よ、繁栄と憐れみを与えてください。(11節)

この祈りは交差対句法(カイアズマ)という特殊な文構造になっており、文の外側と外側、内側と内側が対になっている富士山型の美しい祈りになっています。この祈りの中心はどこにあるかというと、神様の約束を明確に述べている8節にあります。神様の、「不忠実なときに民を散らす」約束と共に、「また私たちを連れ戻し、すべてを回復する」という約束を思い起こしてくださいとネヘミヤは祈っているのです。神様はわたしたちが絶望にいるときにこそ、約束を信じ、神様にはっきり主張することを願っておられます。

 

4.火曜日:率直に話すネヘミヤ

ネヘミヤは献酌官として王に仕えました。ですから、王ととても近しく接することができたのです。献酌官は王が病気になったり死んだりしないように、飲み物の試飲をしていたので、大変尊敬される高官だったようです。ネヘミヤは、この地位を用いて王に接近し、ユダの状況を王に話せるように神様に願い求めたのでした。さて、ハナニから悪い知らせを受けてから4ヶ月間、ネヘミヤは祈りと断食を続けていました。すると、王はネヘミヤの言葉をきき、好意的におうじるようになったのです。ネヘミヤは献酌官の任を解かれ、ユダの領地を治める長官に任命されたのでした。これは神様がアルタクセルクセス王の心を動かしたからです。ネヘミヤは王とのプライベートでも親しくなり、具体的な願いを言う前から王はネヘミヤを助けたいという気持ちになっていたことがネヘミヤ記2章から読み取れます。

 

5.水曜日:派遣されるネヘミヤ

王はネヘミヤにユーフラテス西方の長官たちに宛てた手紙を持たせ、ネヘミヤがやり遂げなければならないことのお膳立てをしました。また、木材の調達をできるように手配をしてくれました。しかし、周辺国の指導者たちはネヘミヤを遠ざけていました。長官たちに伝えられた要求が問題を引き起こしたからです。それは、ネヘミヤが重要な任務を帯びて、軍隊の護衛を受けてエルサレムに来たことが周辺の民のねたみを引き起こしたことでした。彼らはネヘミヤの計画を批判的に見ており、成し得る限りのことをして妨害をしようとしたのです。

 

6.木曜日:任務に備えるネヘミヤ

神様はネヘミヤがこの任務に必要なものをすべてお与えになりました。それでも、ネヘミヤは慎重に祈りながら前へ進んだのです。つまり、神様が共におられることを知りつつ、自分がなすべきことをじっくり考えながら進みました。ネヘミヤが城壁再建計画を行うためにした準備は次のような方法でした。

  • 計画を秘密にし、斥候活動をした。
  • すべてのことにおいて下調べをし、計画をよく練った。
  • 任務の説明をするときは、まず神様がしてくださったことを話してから、王の言葉を付け加えた。そして、献身を求める前に励ました。

神様はネヘミヤの断食と祈りによって、王だけでなくユダの人々の心も備えさせてくださいました。

 

7.金曜日:さらなる研究

ネヘミヤが祈りの人であったことは忘れてはなりません。エズラもネヘミヤも王の助けがなければ何も成し遂げられませんでした。しかし、神様の働きによって王の心が変えられていったのです。そして、それだけでなく、自分には何ができるのか、ということもよく考える必要があります。