安息日学校部

第2課 聴覚しょうがい者用 山口健太

2022年第1期「終わりの時代に生きる」

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第2課  人類の堕落  山口健太

 

1.安息日午後

今週の暗唱聖句の創世記3章15節は、罪を犯してエデンの園から追放されることとなったアダムとエバに与えられた、聖書における「最初の福音の約束」です。

 

2.日曜日:蛇

現在で蛇というと、あまり良いイメージを持つ人はいないかもしれません。地面をニョロニョロと動くその姿を少し気味が悪いと感じる人も多く、種類によっては毒を持つ危険な動物です。しかし、エレン・ホワイトによると蛇は、造られた当初は「地上の動物のうちで、最も賢く、最も美しいものの一つ」でした。サタンは巧妙にもこの美しい蛇に変装してエバを騙すために近づきました。

創世記3章の英訳では「蛇」という言葉の前に〔the〕が伴っており、この蛇が単なる蛇ではなく、特定の存在のことを指し示していることが分かります。その存在とは悪魔、すなわちサタンのことです。聖書は至るところで蛇を神の敵として描き、はっきりと「悪魔とかサタン」と呼んでいます。(イザヤ27:1、黙12:9)

サタンはどのようにしてエバを騙したのでしょうか。注意深く読んでみると、サタンはエバに神の言葉に対する疑いを起こさせたことがわかります。「…と、ほんとうに神が言われたのですか」(創3:1、口語訳)。アダムとエバはエデンという最高の環境にいたにも関わらず、サタンに欺かれてしまいました。罪の世の中に生きる私たちはなおさら用心して、神の言葉に信頼する必要があります。

 

3.月曜日:禁じられた木の実

蛇がエバに対して言った言葉は、神様がアダムに園の木について命じた時の言葉と似ています。両者を注意深く比較してみてください。

蛇がエバに対して語った言葉の中には二つの欺きがありました。

「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」(創3:4)

サタンのエバに対する欺きとは、不死と神のようになること、の二つです。この思想は、サタンの誘惑から始まって古代の宗教にも存在し、そして現代においても、霊魂不滅思想としてキリスト教会の中に浸透しています。

 

4.火曜日:神の御前から隠れる

罪を犯したアダムとエバは、「神の顔を避けて」、「木の間に身を隠し」ました。罪悪感に駆られる時、私たちはアダムとエバと同じように神様から隠れたくなる気持ちになることがあるのではないでしょうか。そんなとき神様は「あなたはどこにいるのか」と尋ねられます。迷い出た一匹の羊を探すために羊飼いが家から飛び出したように、神様は私たちを罪から救うために踏み出されます。アダムとエバが罪を犯した瞬間から、神様は救いのための働きを始められたのです。救いのための第一歩を神様が踏み出してくださるという恵みを、アダムとエバの堕落から学ぶことができます。

 

5.水曜日:蛇の宿命

水曜日の学びでは創世記3章15節に注目します。注意深くこの聖句を読み、この中にどのような希望が示されているかを考えてみましょう。

創世記3章はアダムとエバが、神への忠誠ではなく、罪を選んでしまったという悲劇の物語を描いています。神様も、そして天上にいる天使たちも、罪を選んでしまった人間を見て非常に悲しんだことでしょう。しかし、その悲劇のただ中にあって、希望が神様によって力強く宣言されます。「彼はお前の頭を砕き」、というサタンの敗北は、黙示録によりはっきりと描かれています(黙20:10)。罪を犯した恐れと不安の中にいたアダムとエバにとって、この宣言は慰めとなったはずです。事実、アダムとエバはこの約束をメシアの到来の宣言であると確信し、メシアをその目で見ることを期待していました。(「救い主の来臨はエデンで予告された。アダムとエバが初めてこの約束を聞いた時、彼らはそれがすぐに成就されるものと期待した。彼らは最初に生まれた息子を喜んで歓迎し、その子が救い主であるようにと望んだ。」『各時代の希望』第3章)

罪が始まったエデンにおいて、すでに神様は人類の贖いの計画を備えておられました。どれほど私たちが罪に打ち負かされようと、キリストが絶対の勝利者であることがすでに確定していることは大きな慰めです。

 

6.木曜日:人類の運命

創世記3章15節から24節には、罪がアダムとエバにどのような結果をもたらしたかが示されています。蛇に対する神様の裁きは、明確に「呪い」として示されています。しかし、アダムとエバに対しては「呪い」ではなく希望が与えられます。

「ちりに帰る」と、死の宣告を受けたアダムは、出産に命の希望を見出しました。3章20節でアダムは命の希望に関連して女をエバと名付けます。堕落の結果、アダムとエバが迎えることになった運命は、決して良いものではなく、神様が望まれたことでもありませんでしたが、その中にも確かに希望があったのです。

 

7.金曜日:さらなる研究

「命の木」と「善悪の知識の木」の興味深い関係性についてガイドは説明しています。その関係性とは、霊的選びは、生命に影響を与えるというものです。私たちが神様に従うことは、私たちの生命の問題と直結しているのです。